ショウタイムセブンのレビュー・感想・評価
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骨太で疾走感はあって見応えあるもののハリボテなのよね。
キャスター役の阿部寛に頼りまくった、なんちゃって社会派ドラマ。
犯人からの爆破予告から、本当に爆破事件が起こっての、キャスターと爆破犯との交渉劇。
その交渉劇の流れからの展開は、無茶苦茶な強引さではあるが、阿部寛の演技力にねじ伏せられて、意外とのめり込んで鑑賞できました。
ラストでのメタフィクション的な演出は好みではないものの、締め方としては定番感あり。
しかし全体を通しての、終始しっくり行かない感はなんだろう? と思っていたら、これはリメイクだったんですね。だからか。
線グラフなら上がったり下がったり(総合的には3.7~3.8くらい)
普通におもしろい映画というのが全体の感想。
始まりから掴みもいいし阿部寛さんと吉田鋼太郎さんって結構相性いいなという感じで安定して観られるけど、そのせいで他のキャストがちょっと物足りない。
特に生見愛瑠さんは、映画ならどんな作品でも出てくる演技力も特にないし別に誰がやっても大して重要じゃない端役の若手俳優枠として最初は気にならずに観ていたけど後半から制作側の意図は分かるんだけどそれにしても今いらなかったわーそのカット、そのセリフみたいなところが目立って盛り上がってきたところに水を差されたような感覚だった。
ただ最後の世論調査は鳥肌立ってそれだけでこの映画の評価爆上がりとなったところにエンドロールでまた下げられて全体的に上がりきらなかった。
エンディングもやりたいことは分かるしあの入り方はperfumeの使い方としても正解だと思うけどそれなら最後にもう1つ仕掛けあって終わればより伝わったのにという消化不良ぎみで終わってしまったので、それならエンディングは最初からなにもせず普通にエンドロールだけ流せばよかったのにと思ってしまった。
メタ的視点で深読みするとようやく面白くなる皮肉
この映画一番のメッセージは、犯人の父親の命も、大規模災害やスタジオの人質も政府にとってみれば取るに足らない事であるように、劇中の視聴者や、さらにメタ的に見たこの映画の観客もこれらはテレビの中の出来事に過ぎず、より大きなロンドンの事件や、音楽番組の方が大事なんでしょ、という皮肉、だから報道ですらショウなんだよ、という主人公の主張なわけです。
この映画そのものがそういったメッセージを込めた社会派サスペンスであるにも関わらず、シークレットゲストに錦戸亮という人気者を仕込んでみたり、ストーリーにほぼ全く関わらずに劇中の半分以上気絶している生見めるを「メインキャスト」として番宣に出しまくったり、ただエンドロールの主題歌をスタジオで歌わせただけでPerfumeを「本人役で出演」と打ち出してみたり、あらゆる詐欺的な手法を用いないと集客できない、という、自分の作品を貶めてまでの壮大な皮肉である、と考えると傑作だと思います。
ストレートな感想を言うと、こういう物語では謎解きや犯人探しで色々考えながら見る事になるのですが、脚本がグダグダで思考が別のところに囚われるのが残念でした。テロリストは素人とその爺ちゃんなのであれば、全く関係のないアナウンサーの携帯番号を知ってるのはおかしいし、百歩譲って清掃員ならスタジオに爆弾を仕掛ける事は可能だとしても、ピンマイクやテーブルマイクに仕掛ける事は不可能ですし、スタジオ内にサブも含めて警報音を鳴らす事はそもそも不可能です。回線引かなきゃいけないので。
みたいな事を考えさせてしまう時点で会話劇に引き込めていないので失敗だと思います。
芯のあるキャスター
爆破により室内に張り詰める緊迫した犯人との交渉は臨場感を増し、こちらも惹きつけられる。
またいまの社会の中で、芯のある強引な主人公の行動はとても痛快さを感じた。
ただ途中から出てくる警官たちの立ち位置が曖昧だったので、ここをもう少し工夫して欲しかった。
前半は面白いです
ただ、後半はそうはならんやろ的な部分が目について感情移入が出来なかった。
突っ込みポイントは小さくも無いし少なくも無いです。
企画と導入は面白かったのに残念、もうちょい内容がおかしくないか詰めて貰って作って欲しかったです。
ロケット!エンジン!バルブ!
予告編で、阿部寛で爆弾テロとテレビの話で気にはなったが、ちょっと放置。ただ上映終わりそうなのと、ポイント貯まってたので鑑賞。
知らなかったけど韓国映画のリメイク❓だそうです。
レビュー書くにはネタバレ全開じゃないと書けそうに無いのでご了承下さい。
後、ちょっと暴論書きそうなので先に謝っときます。
かつて花形ニュースキャスターだった折本眞之輔のラジオに爆破予告含む聴取者からの電話がかかり、やがて舞台を自ら降板した生放送中のTV『ショウタイム7』に移して折本と犯人との交渉が始まる…
とそれほど新鮮味のないドラマではあるが、最近のTV局の不祥事と重なってタイムリーな作品ではある。
オールドメディア化したTVへの批判とも取れる内容ではあるが、私には新旧問わずメディアと人との関係の問題を含んでいるのに惜しいと思いました。
最後の場面の折本の狂気が見えるTV世論調査で、自らの生死を委ねる訳ですが「お前たちは、これが観たかったんだろ?」でチュドーンと頭が吹き飛ぶ折本を見せなかったのが惜しい。Perfumeでお茶を濁す方が醜悪と思いました。
このTVアンケートの部分はオリジナル要素みたいで、人々が匿名で無自覚にリモコンのスイッチを押す行為が欲した正義、法に則らない処刑を求めた結果で、その残酷性はSNSの問題をも含めれた筈なのになあとか思いました。
まあ、見せたらこんなの観たかった訳じゃ無いってブーイングが多いでしょうけど。
後、本作の致命的な所は爆破テロが、絵空事に感じて恐怖が得られない所で、勿論スタジオと犯人の音声と中継画面に絞った演出の狙い所は理解出来ますが、全く逼迫感が足りない演出で、2度目かの爆発で井川遥演じる折本とコンビを組んでいたレポーターは粉々に爆死ぐらいしないと。爆竹ぐらいの火力で女性キャスターのめるるが気を失ったり、いきなり出てくる老人がこれまた爆竹並みの火力で死んだフリしたり、スタジオで逃げ遅れた一般観覧者が悲鳴をあげても、何にも怖く無いでしょ?
たださえ、政府も電力会社も蚊帳の外で、爆弾が仕掛けられてるかもしれないスタジオにノコノコ謝罪しに首相や大会社の社長が来るわけ無いのに犯人が要求したり、出てきた公安も間抜けでしか無く爆弾処理班も待機してる様に見えないし、爆弾探しもしない訳だし、何が恐怖であるのか分からない。
折角、発電所をテロのターゲットに変更してる(元ネタは大きな橋らしい)のに、都市機能が麻痺したり、パニックが起こったりする描写が無いので、爆破テロなのに、火事災害みたいな印象しか無い。大体ちゃんとTV局の全景を見せないし、違うスタジオの1つぐらい破壊しないとダメでしょう。
余計な人を傷つけたく無いのなら、あれだけ用意周到なら無人の局の倉庫ぐらい吹っ飛ばせよ。そうしないと公安も機動隊も動きを見せれない。
題材は良いし良作とされてる映画のリメイクで、オリジナル要素入れる意欲はあるのだが、ボケた演出のせいでサスペンスを感じられない。
そんな中で孤軍奮闘している阿部寛は素晴らしかった。
初めから観客に感情移入させないクソ主人公を熱演していて、阿部寛の目力と声でなければ最後まで辿りつけないほど、阿部寛が素晴らしい。
それに比べて他の役者は、定型の演技から脱してない様に思う。
役者だけの責任ではなく演出側に問題があって、生見愛瑠が可哀想になるほどキャラ自体が薄っぺらで、世代格差を表現するにはバカっぽい。
竜星涼も序盤は抑えた演技で良かったけど、犯人にメールもらってから折本にマウント取ろうとするとこからはバカっぽい。もう少し出来る人なんだけどなーキャラが悪かった。
それでも阿部寛のおかげで最後まで見れた訳だが、配信とかで充分な気がします。
追記
ここまで書いてて前言撤回する様で申し訳無いのだが、最後阿部ちゃんが、スイッチを掲げて数秒後に「こんなんで死ぬかよ、バカ野朗」って言ってニヤリと笑いからのPerfumeだと名作だったかもと思い出しました。
そうするとメディア論と個人の責任みたいなものが、テーゼとして浮かび上がる気もするんだけど、どうだろう。
または、最後の言葉は、
「ロケット!エンジン!バルブ!」でも良いです(ごめんなさい)
序盤最高
本作の序盤がすごく面白く感じました。
落ちぶれてしまった元人気キャスターである折本が、突然やってきた犯人との電話をチャンスと思いもう一度ショウタイムセブンのメインキャスターの座を掴もうとする。序盤はこれがすごく生々しくて、犯人についてもわからないことが多くハラハラしました。しかし、序盤でここまで広げてどうなるんだろう、とドキドキしていたのに最後のオチがあまりスッキリするものではありませんでした。結局折本がイカれていることが印象に残り、犯人とのあの緊迫したやり取りからあの展開になるのは残念でした。
テレビとは、SHOWTIMEとは。
阿部寛大好きなので、面白そうな映画だし楽しみにしてたら悠長にし過ぎて一日一回上映となってしまってて慌てて観に行きました。
阿部寛、なんであの「牙を折られた犬」感が似合うんですかね…いや今回はPerfume曰く飼い猫なんですけども…
・序盤、テロ犯(錦戸亮)が家族のこと話し始めた時(六年前の工事現場での事故、そこで親父が亡くなった)、終盤にテロ犯が何故阿部寛を指名したのかが分かる(大和電力が事故をもみ消したことをテロ犯の母に阿部寛が取材してた)のだけど、序盤でなんで気付かなかったんだろ…?テロ犯の母の取材を揉み消されてしまったことに罪悪感がずっとあったなら、あそこでピンとこない…?
・阿部寛が局の廊下を早歩きしていて清掃員のおじいさんとぶつかった時、落ちた眼鏡をじっくり撮ってたのでこのおじいさんがなんかあるんやろなとは思ったけど、おじいちゃんとはピンときてなかったなぁ…
・ぱるる…なんだろう…アナウンサーか…?と思った。新人アナにしても幼いと思ってしまった…ちょいちょい入る若者としての発言、阿部寛の時代遅れ感を浮き彫りにしててその為の起用かなと思うんですが、なくても良いかな…と思ってしまった。あの阿部寛に憧れていた若手アナで賄えたと思う。
・阿部寛もつっこんでたけど、テロ犯からのメール文だけで阿部寛の疑惑を確信に変えるあの若手アナ、純粋だな…(遠い目)と思いました。データが添付されてる訳でもなくメール本文のベタ打ちで信じるなよ。
・公安、本当はもっと仕事出来る子でしょ?後手後手過ぎん?犯人の電話で発信元調べたらいない!おじいちゃん(テロ犯の身内からの提供)で犯人判明、ラスト犯人拘束時もゆったり、そして体当たりされて爆弾のリモコン落とす。仕事…出来る子ですよね…?
・テロ犯の要求が無理難題で、「一会社社長が無理なら総理大臣!」っていやアホか、とつっこんでしまった。結局終着点は阿部寛だったと説明があるんですけど、阿部寛とやり合うならもっと賢くあってほしいなぁと思った。
・「SHOWTIME」らしい幕引きやったとは思う。残酷だけど、見せ物だな。the世論調査、dieが半数以上で阿部寛がそうしたの、最期まで視聴者を引き寄せたいと狂った阿部寛の末路なのかな…そう考えると、阿部寛がテロ犯の最初の告発に気付かなかったのは、もう魂を売ってしまったからかなと思った。
・井川さんが名コンビという割には蚊帳の外だったな…
・エンディングが歌番組出演風なPerfumeなの、面白いなぁと思った。テレビ番組らしく、最後まで「これはテレビですよ」と表現しているのは良かった。なんなら一曲丸々Perfumeを観せてくれても良かった。観たかった…
なんだか色々違和感あったけど、他の方のレビューでお見かけした「実は阿部寛もテロ犯側」って方がまさしくSHOWTIMEだなと思った。
阿部寛の圧巻の演技力
ストーリーのテンポもよく、内容は楽しめた。
少しストリーに強引なメンもあったかと思うけど、約100分の時間にまとめるとこのような感じになるのかな。
阿部寛さんの迫力ある演技に対して、吉田鋼太郎さんのコミカルな演技が小気味よいバランスとなっていて、好感触。
テレビというショーとしての暗部と報道の暗部に迫りながら、劇中に何回か出てくる、「公正で公平な真実・・」というスローガンが空虚で、また重い。
真実はあっても、いろんな力が作用して、そのまま語られないこともあるし、あとそもそも何が公正で公平であるのかは立場によって、いろいろな意味を持つのでしょう。
まるで、最近話題となった選挙報道のように。
だから、ラストはどうなったのか観た人にお任せします、、というような終結でした。
宣伝少なめで多少の心配ありで鑑賞
東宝系作品でないので、宣伝少なめ&公開劇場も小粒な
作品。つまらない作品かと疑心暗鬼になりながら鑑賞。
全編通して、おかしなリアクションするやつばかりで、今一つ?マークげ頭にありつつもこういう展開は嫌いじゃない。
一番あり得ないやつは、安積キャスター。テレビの生放送中に折本にめんと向かって喧嘩売るかな。
まあ、一番二番の疑問は、爆弾そんなに簡単にしかけられるかいな?とスタジオの中そんなに都合よく状況把握できるかいな?か。
ターゲットが折本だったのは、単純なオイラにはなるほど。だったが。
主役の阿部寛はもちろん吉田鋼太郎は良かったが、パヒュームは監督の個人的好みなのか?笑
期待しすぎた
阿部寛の演技は素晴らしい。人を惹き付ける魅力がある。映画館で予告を観た時、なんて面白そうなんだ絶対観に行く。と決めた時がピークだった。
話がスカスカと言うか…現行のキャスター2人の説得力の無さや、犯人の行動、折本の考えかた。ずっと表面的。何で折本が楽しかったって言った時、犯人は笑ってるの?化物みたいな折本に絶望的もしくは怒りを覚える場面ではないのかしら?疑問しかなく...折本も6年前の贖罪として報道を通して正義を貫いてきたが、その場をも奪われ虚脱感の中にいる…って訳でも無かったのか?誰にも共感出来ませんでした。
先が読めない展開にワクワク・ドキドキしながら、ダレさせない阿部寛の演技に魅せられた
渡辺一貴監督による2025年製作(98分/G)の日本映画。
配給:松竹、アスミック・エース、劇場公開日:2025年2月7日。
全く事前情報無しで視聴。ストーリー展開で全く先が読めず、ワクワク・ドキドキさせられて、とても面白かった。そして、フジテレビの体質問題で世間が騒いでいる中、実にタイムリーな題材とも思えた。
このストーリーを考えた奴は凄いと思ったが、オリジナル脚本は韓国のキム・ビョンウで、監督もした2013年韓国映画「テロ,ライブ」が原作らしい。やはり韓国映画の充実度は凄いということだが、緊迫感を維持させてテレビの世界の狂気を見せつけた阿部寛の演技には、圧倒された。TVキャスターとしてのリアリティも満点で、実にお見事であった。
犯人錦戸亮の演技には感心できなかったが、彼の先生という平田満とのやり取りにはすっかり騙されたし、TV局と政治家がつるんで、報道しようとしていたニュースを握り潰すとのストーリー展開は、多くの市民から批判を浴びてきているTV局の今の有り様を象徴していて、とてもGoodに感じた。
ただ、キャスター阿部寛と共にスクープをものにしてきたという現場レポーター役井川遥が、意外にも物語との絡みが無くて少々ガッカリとさせられた。そして最後Perfumeの歌うt哲学的?歌詞に必然性が感じられず、彼女たちの使い方にはかなり唐突感を覚えた。
少し時間が経ってみると、このくらいTV局員に視聴ゲットのための強烈な熱意があればむしろ良い。今の日本のTVの問題は、普通の知性を有する市民と感覚がズレてしまっていることで、局によって仕える思想や政治権力の違いはあるが、啓蒙・洗脳の意識が見るに耐えないという、存在しないかもしれない事実重視のTVへの片思い的な想いが、湧き上がってきている。
監督渡辺一貴、脚本渡辺一貴、オリジナル脚本キム・ビョンウ、製作牟田口新一郎、 髙𣘺敏弘、 和田佳恵 、中村高志、 佐藤一哉、 清原寛、 鶴丸智康、 小松幹夫 、森田篤、エグゼクティブプロデューサー豊島雅郎、プロデューサー井手陽子、 土橋圭介、アソシエイト、プロデューサー坪井あすみ、 チェ・ビョンファン イ・ヨンジン、撮影大和谷豪、照明後閑健太、録音加来昭彦サウンドディレクション矢野正人、美術柳川和央、装飾高橋寛、スタイリスト前田勇弥、ヘアメイク梅原さとこ、編集鈴木翔、音楽照井順政、主題歌Perfume、コンポジティングスーパーバイザー白石哲也、音響効果伊藤瑞樹、音楽プロデューサー安井輝、助監督清水勇気、スクリプター尾和茜、ラインプロデューサー天野恵子。
出演
折本眞之輔阿部寛、安積征哉竜星涼、結城千晴生見愛瑠、前原瑞樹、平原テツ、内山昂輝、安藤玉恵、平田満、伊東さくら井川遥、繁藤寛二錦戸亮、東海林剛史吉田鋼太郎、Perfume西脇綾香、Perfume樫野有香、Perfume大本彩乃。
タイトルなし(ネタバレ)
真実が分かるまではドキドキ
観せる魅せる
むっちゃ面白かった
終盤、真実がスカスカで、うーん
もったいない
上げたハードルを自ら潜ってた
最後のシーンで頭おかしい奴キャラをアピールするのも、うーん
共犯者・折本
面白かったけど…あんなの折本が共犯者じゃないと成り立たないと思うのだけど。
後、編成の何人かも共犯なんだろうなぁ。
ご丁寧に世論調査のテロップや集計をやってのけるわけだから。
6年前の隠し撮りの動画。アレを重藤が知ってるってのが解せないわけで…。
もう一つの解釈としては、折本が便乗したって事なのだろうな。
犯人もあんな事実が出てくるとは思ってなくて、折本が用意したシナリオ。この流れで、[政治+財界+メディア]は癒着してるとぶち撒ける。メディアの良心とも取れるだろうけど、ショーの幕引きとしてはこれ以上はない隠し玉だ。
色々と手の込んだ脚本のように思う。
中盤くらいまでは凄い楽しかった。
緊張感のある犯人とのやり取りが秀逸で、釘付けだったんだけど、標的が折本になってからは何だか迷走しだす。「とういう事?」この思考が過ぎると辻褄合わせが始まり過去の情報を整理しだして…随分とディテールが粗いなぁなんて事を思ってしまう。
無能な公安がしゃしゃり出てきてからは尚更だ。
まぁけど、あらゆるエピソードが事実だとするなら折本が便乗したって流れなんだろうなぁ。
どこから絵図を書き出したかは分からないけれど、あの動画を流す結末にしたのは折本なのだろう。
折しも電力会社のスキャダルとか、6年前と変わらぬメディアの無力さとか、あまつさえ片棒を担いでる節もある。それらを破壊する為の超弩級の爆弾。折本のメディアに対するテロだったんだろうな。
なのだが、その直後からバラエティの音声が流れたり、埋没していく無力さも描いてはいる。
エンディングで流れるPerfumeの歌には「飼い猫」って歌詞が頻繁に出て来る。犬ではなく猫なんだなぁと。首輪を繋がれてるわけではなく限定された自由を与えられてる猫なんだなぁと。わかりやすいまとめなような感じがする。
清廉潔白なわけでもなく、腹に一物持ってる雰囲気の阿部氏のキャスティングはナイスだったなぁ。
さて…ここからは余談だ。
与太話だから読まなくていい。
折本が最初っからこの話に噛んでた場合だ。
色んなエピソードやシーンがあるからあり得ないとも思うのだけど、舞台はTV局であり、事実を捻じ曲げる事が常習化している業界でもある。
また真実を捏造する術にも長けている。
そんな事を考えると折本の逡巡や葛藤も「虚飾」ではないのかと思えてくる。
映画上のミスリードとも違うのだけど…明確な演出と言った方が近いかもしれない。
メガネを落とす清掃員とかもそう。
物語を盛り上げる為の手練手管が、さも事実であるかのように挿入されていく構成。
6年前の事故は無かったわけではなく、報道されず記録にも残ってないだけで、隠蔽されたものなのだ。
隠蔽する事によって政府と企業のイメージを守る。それと同様に「巻き込まれた折本」を印象づけるためだけに、でっち上げられた事実を幾度も映す。
この作品自体がメディアの本質を描いているのだとしたら、折本が共犯者であり、全てをコントロールするメインMCって立ち位置であるって説も有りなんじゃないかと思う。
実際、物語の重要な分岐点を担うのは折本だ。
状況を構築する決定権を常に発揮する。
警察に通報させなかったのも折本だ。
彼はスクープを引き合いにだすが、実のところ警察に介入されるとその後の展開に支障が出るから、スクープを隠れ蓑にして警察を排除した、とか。
スタジオに移ったのも彼の意思だし、もっと言うならそのキッカケとなったのは折本の暴言でもある。
あの暴言で中継を切らせた。ディレクターが居るのだから中継を再開する事は出来たはずなのにしなかつた。
で、スタジオには爆弾が仕掛けてあり、防犯カメラもハッキングされてる。犯人が要求したわけでもないのに、犯人に有利な場がセッティング済みだったりする。
首相の登場を煽るのも折本だ。
犯人の要求を代弁する形をとるが、執拗に語りかけ無反応である事を印象づける。
極め付けはあの犯人だ。
この犯行を企てた人物としては物足りない。プロファイリングしたとして、あの人物には至らないと思うのだ。いや、彼と爺さんだけでは賄えないと思う。
終盤、折本の携帯に犯人から電話がかかってくる。若手のキャスターがリークしたのだろうと思わせるシチュもあるが、共謀していたとしたら?
折本は犯人の承諾を得ずに会話の音声を流す。それについて犯人が異議を唱える事はない。ではなぜ、折本の携帯にかけたのか?
細かな矛盾が交錯するわけだけども、それ以上の混乱の前ではその矛盾にまでは目がいかない。巧みな心理トリックともとれる。
もしプロファイリングしたとして、折本ならば動機もスキルも申し分無いと思えてしまう。
が…流石に飛躍しすぎだろうと思う。
独り言でした。
どっちにせよ、メディアの無能さと無力さは変わらないテーマなんだろうなぁ。
…無能で無力なら可愛げもあるけど、マインドコントロール装置とかにもなってるからタチが悪い。
折本が最後に出した動画とかタイムリーだなぁと思うわ。フジテレビの現状とかに安易に結びつけられそうだもんなぁ。
最後のPerfumeとかもさ、娯楽を与えておけば難しい事に目を向けたくなくなる大衆心理の表現だと思えば、今のTVのコンテンツなんて害悪でしかないんじゃないかと思うもんなぁ。
政治家がアイドルのファンとかも、そのまま素直に受け取れなくなってる今日この頃。
表情の演技
報道のあり方を考えさせる内容だと思った。会話のやり取り以外は阿部寛だけの画面が多く細かい表情の変化で心情を表していると思った。仕事一筋にやってきた男がたった一つの過ちで生き死にまで追い込まれる、あるいは自分から追い込む場面が演じられていたと思った。
期待度○鑑賞後の満足度△ TV業界のマスタベーションみたいな内容。阿部寛扮する主人公の人物像が支離滅裂なので芯の無いホニャララな映画になってしまった。
①この作り物臭さは、元が韓国映画(ラストクレジットにそう書いてあった)のせいか(って言ったら韓国映画に悪い?)。
一昨日『セプテンバー5』を観たので余計そう思う。
視聴率ばかりを追いかけたり(途中で視聴率云々はどっか行っちゃうけど)看板番組のキャスターの座争いとかを皮肉ったかったのであれば『ネットワーク』『プロードキャスト・ニュース』には遠く及ばないし。
②結局、政界と大企業とマスメディアとの癒着が物語の土台というのも「幽霊の正体見たり枯れ尾花」で陳腐。
③ほぼ冒頭、テレビ局の廊下で阿部寛と眼鏡をかけたおっちゃんとがぶつかるところが伏線感たっぷりだったし、説得に来たという犯人の元教師が逆に激昂するのも不自然。おっさん何しに来た?感が満載。
④阿部寛はまあこんなもんだけど、竜星涼は阿部寛を追い詰めるシーンでは力みすぎで下手くそさが目立つ。
井川遥も別に誰が演じても良かったような役(全ての役柄に言える)だし、総じて登場人物全てに生きた人間らしさが乏しく薄っぺらい。
やっぱり『セプテンバー5 』の息詰まるような演技合戦には遠く及ばない。
阿部寛扮する主人公の言葉を借りれば“平和ボケ”した日本の映画の緊迫感は所詮こんなもんか。
犯人が自己矛盾してる気がする
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阿部アナは昔、報道番組のニュースキャスターだった。
でも今は落ちぶれ、しがないラジオ番組を担当してた。
その番組に発電所爆破予告電話が来て、ホンマに爆発する。
阿部は古巣の報道番組に復帰するチャンスと見て手を回し、
その番組の生放送で犯人と対話することとなる。
犯人の父はその発電所の工事中に事故死してた。
でも政府と電力会社にもみ消されたと犯人は主張。
犯人はその生放送で社長が公開謝罪することを要求した。
そんなの急にはできない。すると総理の謝罪を要求し、
さらには阿部自身のスキャンダルまで追及し始めた。
阿部はキャスターになる前、実はこの事件を調査してた。
そしてついに犯人の母親から事件の詳細を聞き出した。
ところが政府や上層部にもみ消され、放送できなかった。
その口止めって形でキャスターに抜擢されたのだった。
そのことが世間に知れたところで終了。
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うーん、微妙やなあ・・・。
阿部は、野望も含めて清濁併せのむキャスターを好演。
こういう人がキャスターなら見てみたいと思ったし、
この人が生放送でどんな言動をするか興味深かった。
犯人は計画性が高く、理知的で真面目そう。
そんな犯人が次から次に要求を変えて来る。
一体本当の目的は何なのか?目が離せなかった。
そんな感じであっという間に時間が経ったのやが、
最後はちょっと残念な感じが残ってしまったなあ。
犯人の動機が弱いというか、結局何がしたかったのか?
電力会社の社長と政府と阿部を恨んでたわけやが、
もっと他にやり方があったんじゃないの?
だって強力な爆弾を用意することができて、
警備が厳重であろう電力会社内で爆発させられる。
それくらい用意周到で遂行能力の高い犯人やからなあ。
電力会社社長や政府を恨むのは分かるけど、
キャスターに過ぎない阿部を恨むのは逆恨み過ぎ。
なのにその阿部が一番の標的になってる感じ。
まあ世間に一連の事件を知らしめられたんやから、
それで満足ってことなんかな?
衝撃は最後にやって来た。
いやー、最後にまさかまさかの不意打ちくらうとは・・・。
邦画のエンドロールで「タイアップの主題歌」が掛かる事多いじゃないですか?
で、これ大抵本編とあまり寄り添ってないので感動を生んでくれない事が多いんですよね。
僕としては。
(僕が邦画予告篇が好きなのは、結構頑張って寄り添ってくれて主題歌のPV的な機能を果たしてくてたりするケースもあるからです)
じゃあ、歌が掛かられないほうがいいかというと
「タイアップとれなかったのか」
と不安を抱えて帰路についたりするのが困りものです。
で、今回想定外の入れ方をしてくれたので個人的には衝撃度が高く
おかげで本編がぶっ飛んでしまい
僕の頭はエンドロールで飽和状態です。
これ
パフューム好きには極楽浄土
嫌いには地獄と思われますが
彼女たちに特別な感情のない自分としては
「エンドロールとタイアップ主題歌のあり方」について
考えながら鑑賞出来ました。
規模感
落ちぶれたニュースキャスターに一発逆転の特ダネが舞い込んできて。。。
お話の規模が大きすぎるから「イヤイヤありえんでしょう?」の連続。コレ、生放送で流すんじゃなくて普通に放送されてる裏でスッタモンダある感じのほうが面白そう。などと途中から考え出して、いつこのお話自体がドッキリで爆発の映像も警察の介入もみんなフェイクでーす、って言うのか待ってたら終わった。。。
いち放送局ができる範囲を超えた爆発と交渉に最後までついていけませんでした。コレがテレビのチカラ? 面白かったです。
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