「臨場感に惹き込まれる」ショウタイムセブン ののさんの映画レビュー(感想・評価)
臨場感に惹き込まれる
公開日2月7日以降7回鑑賞しての感想
監督が拘った録音ではなくリアルに犯人と電話でやりとりする臨場感。生声だからこそ感情のピンポンが可能になった効果的な演出。
回を重ねる毎に伏線回収や画面隅々までの気づきを目指すも結局観入ってしまう。
主演の阿部寛さん演じる折本の存在感、犯人役錦戸亮さんが演じる繁藤は声だけでも複雑な感情が伝わってきた。直に対峙するシーンでは、折本の悟りを開いたかのような笑みまで混じった落ち着きと、繁藤の怒り悲しみ虚しさ軽蔑が織り交ざった表情と声は、圧巻だ。
ただ若い女性キャスターが失神から目覚めた後に喚く度にイラつくのを抑えられなかった。気絶するほどの精神状態であんな言葉を大きな声で発することが出来るのか?恐怖感でいっぱいではないのか?彼女が画面いっぱいに出てくる度にブツブツ切られる感が否めない。
メインキャスターは先輩アナウンサーに対する敬意の欠片もないのもイラッとしたが、折本登場前の冒頭でのキャスターぶりは好感が持てた。
井川遥さんが演じる記者が淡々と落ち着いているのが本作の良心のように思えた。
低い評価が多いように見受けられるが、私的には繰り返し観たい作品だ。キャスター2人が減点(俳優ではなく)不要だったかも。
