「作品の暴走さが折本そのもの。」ショウタイムセブン 羊さんの映画レビュー(感想・評価)
作品の暴走さが折本そのもの。
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我々は常々、情報の渦に呑まれながら、
この国で生きているんだ、と感じた。
次から次へと、情報がやってくる。
テロップとPerfumeがそれを表していた。
人はその波に、渦に、呑まれていく。
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ストーリー構成としては暴走気味で
ひっちゃかめっちゃかしている。
もう少し落ち着いてもいいのでは…?
しかし、こうして感想をしたためているうちに
いや…この暴走さが良いのかも、と思えてしまう。
「一秒先をも逃さない、全部モノにしてやる。」
後先を考えず今を捉えようとする
折本の姿勢そのもののようだからだ。
“犬派?猫派?そんなことはどうだっていい
こんなこと俺に聞かせるな”
折本という人物をまだ掴みきれていない序盤で
それを感じ取れてしまったのは不思議だった。
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折本の真実のシーンは本当によかった。
折本みたいな熱意があるテレビマンや
メディアに関わる人、今はどれくらいいる?
テレビなんてもう誰も観ない。
そう、どこかで思いながら
発信していないか?
本気を感じないから
みんなテレビから離れるのでは?
「あんたイカれてるよ」は褒め言葉だったと思う。
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平和ボケしているということに
改めてハッとしたりもした。
しかし、治らない。治せない。
正直いえば、ずっとボケていたい。
平和な国に生まれたことを幸運だと思う。
こう思うのは、いけないことか?
今日も、
有事を四角い画面で見つめている。