「まさにニュースではなくショータイム」ショウタイムセブン 映画ファンさすせそさんの映画レビュー(感想・評価)
まさにニュースではなくショータイム
かつて看板ニュース番組のキャスターを務めていた折本眞之輔(阿部寛)のラジオ番組に一本の電話がかかる。それは火力発電所の爆破予告だった。ただのいたずらだと思い通話を切るが、直後にテレビ局から見える火力発電所で爆発が起きる。
爆破犯との通話をニュース番組で生中継すれば視聴率が取れる、と番組プロデューサーの東海林(吉田鋼太郎)に持ちかけ、犯人とのやり取りの生中継が始まり――
本来なら警察に相談すべきところだが、かつてキャスターをしていた看板ニュース番組へと返り咲きたい折本や視聴率が稼げるという目論見からプロデューサーの東海林もこの危険な相手との対決に入れ込んでいく。
犯人との電話のやり取りの生中継はニュース番組と言うより、まさに視聴率重視のショータイム。
折本の言葉次第ではいつ次の爆破が起きるか分からない緊迫感がたまらない。
逆に言えば昨今のテレビ業界に対する痛烈な風刺とも言えるだろう。
ただメッセージ性ばかりにこだわると、見る者の興を削ぎかねない部分でもある。
最後の折本の発言は見る人によって賛否がわかれる気がする。
もはや現代のニュースは一つのショーなのかも知れない。