遺書、公開。のレビュー・感想・評価
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最後まで飽きさせなかった快作
人はいつでも優位に立ちたいもの
見始めて途中から彼女を死に向かわせた原因は◯◯だろうなと気づいてしまったけど、闇というからこれからどんな驚きがあるのかと期待したものの、生きていれば当たり前にあることばかりだったのでちょっと拍子抜け。鑑賞終わってから私はこの手の話が苦手だったことを思い出してしまった。
人間観察って要は『神』視点にいるということで、それを趣味にしていた人限らず、私が人より優位に立っているという優越感が一番の敵だなと思った。まさに優生思想の卵たち。下位の人たちだって自分が一番彼女のことを理解しているんだという自負すらあった。だからずっと気持ち悪さが優っていた。若手の役者さんたちは演技もオーバーで、台詞が浮きまくり、体や手の遣い方も拙い、物語も単調で、なぜこの俳優がこの役なのだろうと余計な事を考えてしまったり、とても長く感じてしまった。学生が作る舞台を見ているみたいでした。
唯一、髙石あかりちゃんのシーンが一番惹かれるものがありました。さすがですね。
サスペンスでもミステリーでもない、強いていえば人間ドラマなんでしょうけど、一捻りたらず残念。モヤモヤだけが残りました。
若手俳優の演技合戦
原作は未読。
プロットは「六人の嘘つきな大学生」に似ていると思いました。
今作は24名いることで遺書を公開するたびに新事実が発覚する複雑さが面白いのですがキーマンが後半にいることである程度の展開予想が出来るのが残念。
個人的に注目している高石あかりさんや菊地姫奈さんの期待に違わぬ演技が良かったです。
しかし今作の一番の収穫は兼光ほのかさん。インパクトがありました(賭ケグルイを彷彿させる)。調べてみたら素顔は可愛いお嬢さん。これから注目していきたいと思います。
邦画にしては良かった!
演技に関しては若い?人間を選んでるのでイマイチでしたが
序列一位が美人じゃないしなんだこれ?って思ってましたがそこにも意味があり
ストーリーの出来はよかったです
良作
ある意味原作に忠実で、ただし全部は盛り込めないのでいかにカットさながらも、原作を維持していくのか、というのに注力してくれた作品かと思う。
なので、サプライズはなかったけど、ラストが少し意見が出てくるのかなと。
個人的には、漫画とアニメと映画は、別々の表現手段なので、同じにする必然性がなければ、原作との差異で非難される謂れわないと思っている。なので、今回はそこに関してたいして言うつもりはないけれど、漫画的な演出をよくここまであえて映画でやりましたね、と逆に評価したい。
わざとらしい、とか、大袈裟、とか、下手、とか、そういうコメントには、「そうではないんだよ。漫画読もうね。」といいたい。
それにしても、髙石あかりさん、最高でした。
ほんと、素敵な演技でした。あのくらい、やってくれて大満足。
終始、「序列」に対する違和感が付きまとう
提示される謎は、大きく分けて三つ。
①誰がクラスの序列を決めて、クラス内に周知したのか?
②序列1位の女子生徒は、なぜ自殺したのか?
③誰が遺書を作り、クラス内に配布したのか?
クラスメイトのそれぞれが、自分宛ての遺書を公開する中で、これらの謎が解き明かされていく過程は、それなりに面白いし、展開にも引き込まれる。
ただし、何日も、時間をかけて遺書を公開していくと、その間に、自分に都合の悪い部分を隠蔽したり、改竄したりすることも可能になるだろうから、こうしたやり方には疑問を感じざるを得なかった。
ある生徒が遺書を奪われたり、不登校の生徒が出てきたりといったストーリー上の都合があったにせよ、遺書を発見した時点で、直ちにその内容を公開していった方が、リアルタイムな展開になって、臨場感や緊張感が増したのではないだろうか?
そもそも、主題となっている「序列」が、一体何の順番なのかが分からないということには、終始、違和感を覚えざるを得なかった。
学業やスポーツの成績なのか、容姿や性格の優劣なのか、人気や人望の有無なのか、そうしたことが不明確なのに、どうしてクラスメイトが、そんな訳の分からないものにこだわり、振り回されるのかが理解できないのである。
結局、この違和感が、そっくりそのまま、ラストで明かされる②と③の謎のタネになるのだが、こんな根拠のない序列のせいで、周囲が過度に期待したり、失望したりすることはないだろうし、本人もプレッシャーを受けることはないと思えるので、その愚かしさは実感できるものの、事件の動機としては、納得することができなかった。
③の犯人の1人が、①の犯人の1人と同一人物だったということも、「意外」というよりは「反則」に思えるし、「すべては、その人物が仕組んだことだった」というオチにも、「衝撃」よりも「あざとさ」を感じてしまった。
新たな事実が明らかになる度に、目をむき、顔を歪ませ、机を叩き、椅子を蹴飛ばす生徒達の反応が、「熱演」を通り越して「オーバーアクション」に感じられたことも相まって、観終わった後には、何とも言えない疲労感と、釈然としない思いが残った。
「初日舞台挨拶中継」
タイトルなし(ネタバレ)
個人的には普通に楽しめました。
「序列とかくだらね〜!」とか思いながら見てましたけど、それは自分がとっくに社会へ出てるからなのかな。
学生時代、色々気にしながら生活してたのを思い出しました。
「学生生活なんて長い人生のうちのたった数年じゃん?」とか、今ならそう考えるけど当時の自分にはそんな余裕なんてなかったな。
「俺の彼女は序列1位」「私のたった1人の親友は序列1位。彼女にとっても私はたった1人の親友」
「1位なのに成績は案外普通」「1位なんだから学級委員」「1位なんだからこれくらいできるでしょ?」
怖いし気持ち悪い〜。
「それ1位関係ある???」みたいなことでも、「1位なんだから」で済ませようとするのも怖い。
でも一番怖いと感じたのはラストの廿日市さん…
意外性や驚く展開は無い
⭐︎3.5 / 5.0
【”人間観察の得意な人。”今作は組織の中で序列を付ける愚かしさを描いた作品かと思いきや、それを逆手に取ったヒューマンホラーだった!。人間の表面的な顔と真の顔を描いた、実に嫌な気持ちになる作品である。】
ー 冒頭、序列20位の廿日市くるみ(志田彩良)が、1位の姫山椿(堀未央奈)を見ながらノートに白黒で彼女をカリカチュアした似顔絵を描いている。勘の良い人であれば、その絵を見ただけで廿日市が、サイコパスである事が分かると思う。ー
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・とにかく、徹頭徹尾、嫌な気持ちになる映画である。英勉監督なので、タイトルは表面上でもっと違う内容かと思って観ていたら、ドンドン嫌な気持ちになって行った作品である。
・まずは、年度初めに、二年D組のクラスの中での序列を記したラインがクラス全員と教師(忍成修吾)に送られる。そこから半年経ち、二位の赤崎(松井奏)が姫山の恋人になり、三位の御門(高石あかり)が、親友になっている。
所謂クラス内ヒエラルキーであるが、嫌な気持ちになるのは、赤崎と御門が姫山に抱いていた本心が、遺書公開の際に明らかになるシーンである。
松井奏と高石あかりの、狂ったような開き直った演技が物凄い。
・因みに他の生徒の、姫山に対する屈折した思い、妬み、嫉みが明らかになるシーンでの、狂ったような演技がコレマタ凄い。嫌な気持ちになるが、若き役者さん達は頑張ったなあ。
・そこから明らかになる、姫山椿の序列一位は、或る者の作為により作られたモノである事が明らかになる過程や、姫山椿がネットに記していた本心を綴った”一位になりたい。”という日記を読んだ廿日市くるみが”一位にしてあげる。”と、レスを返す所からの、姫山椿が七歳上の完璧な姉を慕っていた事や、一位をキープする苦しみに漸く気付く様なども、嫌な気持ちになるが、ミステリーとしては中々である。
・姫山椿が唯一心を許していた、小学校の同級生で仲良しだった池永(吉野北人)との関係性が再後半に明らかになる描き方も、面白かったな。
<それにしても、ラストの二年D組が集合写真を撮るシーンからの、彼らがガラス張りのケースに入っていて、それを上から眺めて”人間観察する”廿日市くるみを演じた志田彩良の表情は、正にホラーでありました・・。
あー今作、怖かったなあ。嫌な気持ちになったなあ・・。(褒めてます。)>
物理的暴力のない『バトルロワイヤル』
2時間繰り広げられる密室劇。各キャラクターの個性が活きていたから、のめり込んで観ることができた。
チカラの暴力がないのに、空気感だけでバイオレンス。
深作欣二監督の『バトルロワイヤル』を思い出す教室内の緊迫感。
若手俳優の演技合戦なので
次のブレイク俳優が出てきそうという期待からキャラクターの演じ方を見入る。
気になったのは、
谷地役の兼光ほのかさんのぶっとんだ性格。
黒瀬役の浅野竣也さんのジメジメした性格。
漫画的だが、キャラクターとして冴えていたと思う。
そして、凛奈役の髙石あかりさん。
目を見開き感情ダダ漏れの豹変ぶり、いつもどおりカメレオン俳優だった。
そして、スクールカーストしかり、生徒の本心のリアルさしかり
どこか地に足つた学校描写でよかった。
最後の最後、ゾゾっとした理由が垣間見れたのもなかなかサスペンス感あって面白い!
序列は諸刃の刃
全く予備知識なしで鑑賞、劇場予告のみの知識です。
中身ですが、まず、話の盛り上げ方が上手いですね、徐々にテンションが上がっていくのが自分でもわかりました。
また、演者さんたちの演技も迫力がありました。ちょっとオーバーアクション気味だったと思うけど、それぞれが強い自己主張と個性をぶつけ合う様は新鮮で心地良い(お目々剥き出しの顔芸凄い)。1枚、また1枚と人の持つ仮面が剥がされ、悪意が剥き出しになっていく様は見応えあります。
だけど、序列ってのは諸刃の刃ですね。強いモチベーションにもなる反面、過度なプレッシャーにもなる。そこで誰か助け船を用意してくれたら乗り切れるんだけど、ひとりぼっちだと押しつぶされてしまうのかもしれないですね。
そういえば、2位じゃだめなんですか?って言った人いましたね。そういう人はこうはならないかな 笑。
今の子どもたちって、他人に傷つけられることに慣れてないから、各々が必死に傷つけられまい、傷つけられまいとしているように見えて、なんだか可哀想だなと思ってしまった。私が子供の頃って感情に蓋をあまりしなかったから、互いに傷だらけだった気がする。何でもかんでもセンシティブな世の中になって味気ないなと思ってしまう私は時代遅れなのかもしれない。
疾走感
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