劇場公開日 1957年1月15日

蜘蛛巣城のレビュー・感想・評価

全53件中、41~53件目を表示

5.0もしかしたら本作は黒澤監督による、溝口監督への追悼作品であったのかもしれません

2019年9月19日
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マクベスの翻案であるというのは有名なので、筋書きは最初から決着まで誰もがどうなるのかどう展開するのかを見通して本作を観ているはずです
それでも面白いのです
いや、分かっているからこそ一層面白いのです

なるほどこう移植されるのかと納得して、整理されている脚本にまず感心するのです
そうして能の要素を駆使していることによって、日本の美意識、諸行無常の死生観をこの西洋の物語に注入することによって、完全に日本の物語にして映画として観せていることに驚嘆するのです

その映像世界は溝口健二監督の作品世界を思わせます
特に山田五十鈴が演じる奥方の主人公への献策シーン、中でも大殿の殺害を教唆するシーンや懐妊告白のシーンは、雨月物語での彼女の出演シーンを彷彿とさせるものです
そのシーンを含め正にカメラもワンシーン・ワンカットの長回しで異常な緊張感をもたらす溝口監督の作風が本歌取の如く多用されているのです

溝口監督は本作公開のわずか4ヶ月前に白血病で急死されています
もしかしたら本作は黒澤監督による、溝口監督への追悼作品であったのかもしれません

それでいて第一級の娯楽作品なのです
クライマックスの雨あられと飛来する矢射けのシーンはありとあらゆる弓矢の戦闘シーン、銃撃戦を含めても古今東西の映画に勝る迫力です
CGを駆使できる現代であっても、いやだからこそこの迫力はだせないのです
三船敏郎の恐怖に歪む顔は嘘偽りのない本物の恐怖です
こんな演技はできるものではありません
本物だからこその迫力があるのです

蜘蛛巣城の巨大セットもまた画面のスケールと物語に於ける強欲の巨大さを見事に表現しています

夜に大量の鳥が場内に飛来するシーン
もしかしたらヒッチコックの鳥のインスピレーションの出発点だったのかも知れないと思いました
それほどの不気味な迫力のあるシーンでした
こんな映像は当時全く誰も観たことのないものだだったはずです

世界最高峰の映画の一つといって間違いないと思います

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あき240

3.5・こんなに人の言葉に流されやすい侍が強気でいるのがおもしろい ・タ...

2019年9月17日
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・こんなに人の言葉に流されやすい侍が強気でいるのがおもしろい
・タガが外れる女は五十鈴に限るな
・そこまでしてだまくらかすのか!という最後

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小鳩組

4.0「マクベス」映画化の決定版

2019年6月15日
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黒沢明は過大評価されすぎだと思うけれども、この映画は良い!

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もーさん

4.0よっく聞け

2019年4月5日
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黒澤版Macbeth。
魔女は一人だけのようで、Macbeth夫人に当たる浅茅が、邪念に一層取り憑かれているように見えました。

ポジティブに取るも、ネガティブに取るも、
ものは受け取りよう…(^^)。

カメラはそのままで役者が奥に消えまた戻って来たり、ズームインとアウトで姿を現したり消したり、濃霧(に見立てた煙)を上手く使ったり、この頃の斬新な撮影手法でしょうか。枯枝で自然に蜘蛛の巣を表現している所が良かったです。白黒ならではですね。

山田五十鈴の気味悪さは半端ない。
志村喬の知恵者役はぴったり。
三船敏郎の眼力・顔力は衰え知らず。
千秋実の幽霊姿や終盤の矢の多さにちょっと笑ってしまいましたが、主人公の最期は、夢に出て来てうなされそうなくらいの迫力です。

疾走する騎馬武者の勇姿は、黒澤&三船が最強だと勝手に思っておりまして、そこも結構観ることが出来ました。

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everglaze

3.0聞き取れない

2019年4月3日
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鑑賞方法:TV地上波

古い映画なので仕方がないかもしれませんが、セリフが
聞き取れない事が多く、展開がよく分かりませんでした。
主演の三船さんの演技は迫力ある演技で、馬術も様になって
カッコよかったです。
つぎは日本語字幕が付いているものでしっかり見たいです。

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ハーブ

3.0ギランギランした眼!

2018年9月10日
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鑑賞方法:VOD

怖い

未見だった黒澤の一作をデマンドで。

黒澤娯楽作のファンからするとなんとも重たく感じた一本。マクベス原作ってのは後から知る。映画的ではない能を取り入れたモンタージュは、リズムに合えば楽しめるがそうでなければちょっとキツイ…。

山田五十鈴演じる妻の存在が恐ろしい。(この人が一番悪いんじゃないでしょうか)

静から動のラストは見事!(後で揉める事になるのは先に知ってしまっていたのだが、それも納得のシーン)
黒澤好きならどうぞ、という感じです。

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散歩男

5.0おどろおどろしく、惑う。

2018年8月30日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

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しゅうへい

3.5初めて観る風の映画で、現代にはあまり好まれ難い雰囲気もあるけど話が...

2018年2月9日
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初めて観る風の映画で、現代にはあまり好まれ難い雰囲気もあるけど話が進むにつれて面白くなってくる
能が良い感じに奇妙な恐ろしさを出していて、マクベスを上手く日本風にされているなと思った
現代の映画ばかりでなく昔の映画も観るのも面白いと思った

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hn

4.0シンプルな話に力のある映像で、目が離せない

2018年1月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

久しぶりに黒澤作品を観たが、思った以上に良くて驚いた。
とにかく目が離せない。
シンプルな話なのだけれど、映像に力がある。

馬が良く撮れていて良かったし、三船の顔も良かった。

黒澤作品、未見の作品を残らずチェックしたくなりました。

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凪

3.0作品は微妙??

2016年7月8日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

物の怪が最初登場するシーンや手をひたすらに洗うシーンに狂気を感じて二十歳の自分でも怖かった。まぁそれが不気味さを際立たせていて良いんだけどね。でも、子どもの頃観てたらきっとトラウマ。
有名な弓矢のシーンが最高。あれを学生弓道部の部員が実際に三船や三船の周囲めがけて矢を射た(ただし、筒状の矢にワイヤーを通し、着点に誘導したもの。また遠距離からではなく、カメラフレームすぐ横からの射的)って言うんだから凄い。撮影が終了した後、三船が黒澤に「俺を殺す気か!?」と怒鳴るのも分かる。役では実際死んでるけど。(wiki参照)

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擬人法

3.0見返したくなるシーンの数々

2014年10月14日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

マクベスを下敷きにしているということもあってか、とにかく生活感というものを感じない不思議なファンタジーという印象。言われている通りとにかく印象的なのは矢。三船が無数の矢を打ち込まれるシーンは勿論、志村喬が城に帰った際に矢を打たれる様を引きの絵で撮ったシーンも本当に矢を打つとこうなんだなあという説得力があった。引きの絵と言えばなんと言っても冒頭霧の中から現れる蜘蛛巣城は幻想的で美しい。奥の暗闇から真っ白な肌の妻・浅芽が現れるシーンなどもぞくっとする。

と、見返したくなるような印象的なシーンは多々挙げられるのだけど、話が面白かったかと言われると微妙なので☆はこんなもので…。

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えら

4.0三船凄絶

2014年3月21日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

知的

ラストシーンに至るまでの過程がすごい。
まさかと思うエンディングが待ってる。

そして三船という人のなんとも言えない魅力。凄まじいとタイトルに書いたがそれだけではない色気がこの作品の中心にある。
こんなに色っぽい役者がいたろうか。
この人はone and onlyなのだと考えずにはいられない。
この人こそ本当に今必要な役者だ。

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lotis1040

4.0映画終活シリーズ

2025年3月7日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

1957年作品

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あきちゃん
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