蜘蛛巣城のレビュー・感想・評価
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この映画では、本物のカラスを使っている
マクベスだから仕方ないが、先日見たA24のマクベスと効果の部分で一緒だと思った。しかも、リスペクトの範疇なのだろうが?
カラスの飛翔はこの映画では、本物を使っているが、あのマクベスはCG,
大変に汚く感じた。
舞台劇なのだから、仕方ないが、動作が大袈裟なのは仕方ないが、少しばかり気になった。
ナショナルシアターのリア王を見たが、同じ悲劇に合う、同じシェークスピア作品の王様は、怯え以外に開き直ったお道化があったような気がする。まぁ、仕方ないが。
字幕で見るべし
蜘蛛の巣城
1957年のクロサワがいる
幻想と狂気
何度か観ているが、森で迷う三船と千秋実、馬に乗って駆けるシーンは秀逸。
三船の顔つきや眼差しが、精悍さや若さが失われ狂気に変わって過程がすごい。一番の狂気は、奥方の山田五十鈴か。
ラストは、監督が狂気か。ヒチコック的に、明かさず真の表情を引き出したが、絶対の自信があったにせよ一歩間違えば。吹き替えなし、合成なしの時代だから、これはかなりきわどい演出だ。
そして森はいつも幻想的。
この時代の映画、画像はだいぶ修復されているが、音声が聞き取りやすい加工してほしい、といつも感じる。
いや〜面白い。さすがは世界の黒澤。 物の怪老婆の予言が如何に実現し...
白黒かつ膨大な予算を動かせるであろう黒澤組ですら、この蜘蛛巣城で理...
白黒かつ膨大な予算を動かせるであろう黒澤組ですら、この蜘蛛巣城で理想のカットを撮れたかというと、違うだろう。合戦はおとなしく、森は小ぢんまりと迫る。黒澤明は予算も時間も超過すると言われるが、正論はどちらか明白だろう。
望遠レンズを使って矢を受けるシーンを撮ったという裏話が記憶に残る
完璧では無い脚本が完璧な映画を作る。
もちろんシェイクスピアのマクベスという素晴らしい原作があるのだが映画脚本としては決して優れているとは言えない。むしろ優れた脚本を書こうとはしていないようだ。原作が舞台であることから舞台を意識した脚本になっている。だから映画としては地味すぎ、説明的すぎる部分もかなり目立つ。例えば、危機を逃れたの若者が、その後どのように怒っているかというところは普通は脚本に描かれる。あえて城と森からカメラを出さないことによってまるで我々が舞台という限られた一面しか見ていないかのような錯覚を与えているのである。そのような制約を設けた脚本から黒澤明はこのような素晴らしい映画を作った。この映画の素晴らしさはそのスローペースにあるのだろうと私は思う。話の展開そのものはスピーディーに進むのであるが、ひとつひとつのシーンが極めてスローに進む。その絶妙な演出が素晴らしい。またカメラは基本的には静止しているのだが時折まるで生き物のように動く。静と動のバランスが素晴らしい。または三船敏郎の甲冑姿がすばらしく良く撮れている。前半はストーリーの退屈さをカバーするために甲冑姿をアップで美しい角度からたくさん撮ってている。クライマックスあたりになるとわざとそれを抑え極端な煽りとかを使って真正面から撮らないようにしている。そして最後の最後に真正面から美しく…私はあのシーンを敢えて美しいと表現するが…捉えているものにカタルシスを与えているのである。また城の造形とその造形を美しく見せるカメラワーク、軍兵、馬、軍兵の持つ旗などが動く動きの美しさ、面白さと言ったら極めつけである。
もっとも素晴らしい映画とは新しいイマジネーションを生み出している映画だと私は評価する。これは1つの最も素晴らしい映画であり黒澤明の代表的な傑作の一つである。
もしかしたら本作は黒澤監督による、溝口監督への追悼作品であったのかもしれません
マクベスの翻案であるというのは有名なので、筋書きは最初から決着まで誰もがどうなるのかどう展開するのかを見通して本作を観ているはずです
それでも面白いのです
いや、分かっているからこそ一層面白いのです
なるほどこう移植されるのかと納得して、整理されている脚本にまず感心するのです
そうして能の要素を駆使していることによって、日本の美意識、諸行無常の死生観をこの西洋の物語に注入することによって、完全に日本の物語にして映画として観せていることに驚嘆するのです
その映像世界は溝口健二監督の作品世界を思わせます
特に山田五十鈴が演じる奥方の主人公への献策シーン、中でも大殿の殺害を教唆するシーンや懐妊告白のシーンは、雨月物語での彼女の出演シーンを彷彿とさせるものです
そのシーンを含め正にカメラもワンシーン・ワンカットの長回しで異常な緊張感をもたらす溝口監督の作風が本歌取の如く多用されているのです
溝口監督は本作公開のわずか4ヶ月前に白血病で急死されています
もしかしたら本作は黒澤監督による、溝口監督への追悼作品であったのかもしれません
それでいて第一級の娯楽作品なのです
クライマックスの雨あられと飛来する矢射けのシーンはありとあらゆる弓矢の戦闘シーン、銃撃戦を含めても古今東西の映画に勝る迫力です
CGを駆使できる現代であっても、いやだからこそこの迫力はだせないのです
三船敏郎の恐怖に歪む顔は嘘偽りのない本物の恐怖です
こんな演技はできるものではありません
本物だからこその迫力があるのです
蜘蛛巣城の巨大セットもまた画面のスケールと物語に於ける強欲の巨大さを見事に表現しています
夜に大量の鳥が場内に飛来するシーン
もしかしたらヒッチコックの鳥のインスピレーションの出発点だったのかも知れないと思いました
それほどの不気味な迫力のあるシーンでした
こんな映像は当時全く誰も観たことのないものだだったはずです
世界最高峰の映画の一つといって間違いないと思います
よっく聞け
黒澤版Macbeth。
魔女は一人だけのようで、Macbeth夫人に当たる浅茅が、邪念に一層取り憑かれているように見えました。
ポジティブに取るも、ネガティブに取るも、
ものは受け取りよう…(^^)。
カメラはそのままで役者が奥に消えまた戻って来たり、ズームインとアウトで姿を現したり消したり、濃霧(に見立てた煙)を上手く使ったり、この頃の斬新な撮影手法でしょうか。枯枝で自然に蜘蛛の巣を表現している所が良かったです。白黒ならではですね。
山田五十鈴の気味悪さは半端ない。
志村喬の知恵者役はぴったり。
三船敏郎の眼力・顔力は衰え知らず。
千秋実の幽霊姿や終盤の矢の多さにちょっと笑ってしまいましたが、主人公の最期は、夢に出て来てうなされそうなくらいの迫力です。
疾走する騎馬武者の勇姿は、黒澤&三船が最強だと勝手に思っておりまして、そこも結構観ることが出来ました。
聞き取れない
ギランギランした眼!
未見だった黒澤の一作をデマンドで。
黒澤娯楽作のファンからするとなんとも重たく感じた一本。マクベス原作ってのは後から知る。映画的ではない能を取り入れたモンタージュは、リズムに合えば楽しめるがそうでなければちょっとキツイ…。
山田五十鈴演じる妻の存在が恐ろしい。(この人が一番悪いんじゃないでしょうか)
静から動のラストは見事!(後で揉める事になるのは先に知ってしまっていたのだが、それも納得のシーン)
黒澤好きならどうぞ、という感じです。
おどろおどろしく、惑う。
DVDで2回目の鑑賞。
疑心暗鬼に追い詰められ、自滅していく武将を演じる三船敏郎が素晴らしい限り。目を剥きながらの迫真の演技が画面から迫って来るようでした。恥も外聞も捨ててる感が秀逸!
妻役の山田五十鈴も、雰囲気・佇まいからして只者じゃないことが感じられて、人物造形がしっかりしているな、と…
想定を上回る恐怖の連続の末に発狂し、「血が落ちぬぅぅぅっ」と繰り返し桶で手を洗う姿がこれまた壮絶でした。
蜘蛛手の森が霧の中で動くシーンは、音も無く静かに忍び寄って来る感じがとてつもなく不気味でした。これを見てしまえば、いくら勇猛果敢な武将でも怖気が走るのは当然のこと。モノクロ画面だからこその怖さだなと思いました。これがカラーだったら全くの興覚めになるのではないかしら?
有名過ぎるクライマックス、本物の矢が三船敏郎目掛けて射られるシーンが大迫力。本当の恐怖がそこにありました。まさに命懸け。三船は後で黒澤監督に大激怒したとか…
合戦シーンなどは大人し目でしたが、本作は人間が内に秘めたる野心や強欲がこれでもかと描かれていて、スペクタクル的な迫力では無く、人間自体の迫力に圧倒されました。
※修正(2023/06/01)
初めて観る風の映画で、現代にはあまり好まれ難い雰囲気もあるけど話が...
シンプルな話に力のある映像で、目が離せない
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