スタントマン 武替道のレビュー・感想・評価
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あの名作アクションのクライマックスが想起される心憎いオープニング
冒頭のアクションシーンは、刑事と悪人によるデパート内での追跡劇から始まり、乱闘による階段落ちならぬエスカレーター落ち、ガラスのショーケースの破壊、吹き抜けの2階からの落下といったシーンが続き、香港映画ファンであれば、ジャッキー・チェン監督・主演の傑作「ポリス・ストーリー 香港国際警察」(1985)のクライマックスシーンがすぐに想起されることでしょう。
「スタントマン 武替道」は、香港のアクション映画の現場に欠かせないスタントマンたちがワンシーンに全てを懸ける姿を描いた胸アツのアクションドラマです。スタントという仕事に誇りを持ち、映画という夢に情熱を注ぐ命がけの生き様が観る者の心を打ちます。彼らのアクションが映画原始の興奮を呼び覚ましてくれます。
胸熱!香港魂
見事なまでの起承転結、すごくわかりやすい作品。
香港映画の栄光を取り戻すべく奔走するサムだが、
どうにも旧態依然とした映画制作アプローチなのは否めないが、
若者たちとともに制作にあたりながら、双方の理解を深めていき、
コミュニケーションに変化が訪れる様は、なんとも胸熱である。
加えて、アクション助監督に抜擢された若手スタントマンのロンの
セリフがいちいち熱い!ぶっ刺さる!
アクションシーンもそこそこあるのだが、
映画撮影におけるアクションの位置づけなので、私の期待とは違っていた。
もっともっとアクションが見たかった。
しかしながら、スタントマンのスポットがあたるのはうれしい。
スタントマンの俳優ももっと生まれてほしいと思う。
「香港の名作」
楽しめました👍
辛口の評が多い様だけど、香港映画ここに在り!と気概を見せてくれた。散りばめられたエピソードもベタと言えばベタベタ。かつての仲間に大怪我させてしまったことがトラウマになっていたり、仕事にのめり込みすぎてカミさんから縁を切られたり、元嫁との娘の挙式に間に合わなかったりetc…みんなどこかで観たことの有りそうな話の数々。でも現在の香港の生活感溢れた描写は、個人的に大好きな街の匂いを感じさせて嬉しかった。人混みと街に漂う何とも言えない臭い(くさいといった方が正確)。そこで何とかかつての超面白い香港映画を復活させようともがき、プロデューサーの女性に「残業が多すぎる!」と猛烈にダメ出しされるけど、コンプラ命の現代に馴染めないオヤジたち。そうそう、どこも同じじゃん!ノリとスピードが命の香港映画、コンプラに負けずに見せておくれよ!
芸のためなら
ダンボールを積め!撮影を止めるな!
香港でも「昔はこうだった!!」「いや古いやり方は通じないから!」なんだなと感じた。
映画を作ることに人生を捧げててきた頑固オヤジ。取り返しのつかない失敗と迷惑を背負いながら生きる辛さ…
命懸けの撮影だから面白い・安全かつ面白く撮影して面白い、どちらも気持ちが分かる。
チェリーの結婚式までのエピソードといった家族の物語と、関係者の家庭を変貌させてしまったエピソードなど、苦しくなる場面が多い。
アクションをもっと見たかったな、が本音で、最後に覚悟を持って飛ぶ経験をさせなかった終わり方が ちょっと納得いかない。
ゲリラ撮影のその後とか、作中の作品がどうなったのかが明かされなかったので消化不良!冒頭やエンドロールがパロディしてたので期待してました。
伝統を継いでいく作品がもっと広がったら良いなと思いつつ、 夢を追う熱さに感動。
しかしながら鑑賞者が少ない!
自分勝手すぎて感情移入できない
アクション映画のスタントを題材にした映画。でも、主人公?のサムはアクション監督だし、若手のロンはスタントもする助監督という立場。大声で怒鳴らないと人は言うことを聞かないと考えるサムは、かなり頑固で融通の利かない印象の男だ。それでいて過去の栄光を感じさせるシーンはあまり出てこない。周りが、あの監督が抜擢したからアクション監督やってるんでしょと思っても不思議ではない。家族に対しても不義理を続けているし、自分のことしか考えていない感じがして、最後まで感情移入ができないままだった。
本作のキーマンはロンだ。サムのやり方に反発し、自分なりのやり方で周りとの協働体制を築いていく。ロンの熱い思いにちょっと感動してしまった。だからこそ、ラストの交代は疑問に感じてしまう。無理矢理いい話に持っていこうとしてるけど!そんなんじゃ騙されないぞ!と思った。
スタントマンの映画だし、アクションシーンの裏側を楽しめればそれでよかったのかもしれないが、そこも不満が残る。一番面白いのが冒頭のアクションシーンで、それ以降はアクションであまり見せ場がなかった。アクションシーンを作り上げる裏側を見せる演出もありきたりで面白みには欠けていた。
発想もいいし、熱いストーリーになりそうだし、一つ一つのアクションも悪くない。でも、全体的にもったいない映画だった。
いや無いから。流石に頭おかしいからw 危険視点でこんな映画ももう人...
昭和がんこ親父!
熱い情熱はわかるが、少しは周りを見て
1980年代、アクション監督として活躍していたサムは、撮影中に危険なシーンを強行し、陸橋から飛び降りたスタントマンを半身不随にしてしまった。その事で、サムは映画業界を引退し、整骨院を営み静かに暮らしていたが、かつての仲間から、もう一度映画のアクション監督をやってほしい、という依頼が来た。何十年ぶりかに映画制作に参加したが、現場は昔と異なりコンプライアンスも厳しく、リアリティを追求するサムのやり方に俳優のワイや製作陣が付いていけず、反発し、現場はぎくしゃくしてしまった。若手スタントマンのロンは、サムをフォローし撮影を進めようとしたが、サムの無鉄砲な撮影により一般人に怪我人が出て・・・さてどうなる、という話。
リアリティを求めるアクション監督、というのは難しい役どころなんだろうな、と思った。
今時なら、CGやVFXを使えば安全でそこそこの映像が作れるが、リアリティは無いから、ニセモノ、と言ってしまえばその通りだし、かといって、危険なシーンを安全性を犠牲にして撮影する、という時代でもないだろう。
香港映画のスタントマンに関する映画は何本か観た記憶があるが、アクション監督の苦悩、という面に焦点を当てた本作は斬新だった。
サムだけど、映画に対する情熱は凄く伝わって来るが、少しは周りに気を使わないとダメでしょ、って観てた。
妻子に愛想尽かされたのもよくわかる。
そして、何より大切な娘の結婚式に着る服のまま大暴れはいただけない。
あまりに短気過ぎるし、後先考えれない瞬間湯沸かし器みたいな奴に見えて共感出来なかった。
結局ロンに助けられて、みたいなカッコ悪いオッサンだった。
その点、ロンは陰で動いたり、良い奴だなぁ、と思った。
まぁ、面白かった、かな。
東野幸治を彷彿とさせ、山本太郎をも彷彿とさせる兄貴😁
主人公に魅力が無い
情緒がジェットコースター
「武替道」とは?
■ 作品情報
監督はアルバート・レオンとハーバート・レオンの双子監督。主要キャストは、伝説のアクション監督サム役にトン・ワイ、若手スタントマンのロン役にテレンス・ラウ、人気アクション俳優のワイ役にフィリップ・ン、サムの娘チェリー役にセシリア・チョイ。2024年製作の香港映画。香港アクション映画界の舞台裏を描くヒューマンドラマであり、特に『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』のキャストが多数出演している点も注目される。タイトルの「武替道」は「スタントの道」を意味する。
■ あらすじ
1980年代に名を馳せたアクション監督サムは、過去に危険なアクション撮影でスタントマンを半身不随にしてしまい、映画業界を引退、現在は整骨院を営んでいる。ある日、旧知の老監督から最後の作品となる新作のアクション監督を依頼され、数十年ぶりに現場へ復帰する。彼は偶然出会った情熱的な若手スタントマンのロンを助手に迎え、自身の信念を貫くが、現代の撮影現場ではその古き良き手法は通用せず、制作陣やかつての弟子である主演俳優ワイとの間に軋轢を生む。加えて、娘チェリーとの関係もぎくしゃくし、過去の事故で大けがを負わせた男の家族からの恨みを買うなど、様々な問題がサムを取り巻く。映画製作の困難と、サム自身の頑なな生き様が描かれる。
■ 感想
かつてスクリーンを彩った香港アクション映画を夢中で観ていた頃を思い出し、製作の裏側でいかに命懸けの挑戦が行われていたのか、その苦労と工夫にスポットが当てられることを期待して鑑賞してきました。確かに、香港アクション映画の「陰の立役者」であるスタントマンたちに光を当てた点は、非常に評価できます。その情熱は、スクリーン越しにも確かに感じられます。
しかし、期待していたテイストとは、残念ながらちょっと違ったかなという印象です。古き良き時代の撮影手法に固執し、周囲との摩擦を引き起こす主人公サムの姿は、一貫して、退かぬ!媚びぬ!省みぬ! それが映画づくりにかける情熱ともとれますが、正直なところ、観ていて心地よいものではありません。どんな職場でも起こりうる世代間の軋轢、価値観の相違には共感できる部分もあります。ですが、現代の物語として描くのであれば、そうした自身の常識や価値観とのズレから学び、変化し、アップデートを試みる流れこそが一般的ではないでしょうか。
撮影現場以外でも、娘とのぎこちない関係、過去に大けがをさせてしまった男の家族からの恨み、そして自身の作品に惚れ込んでいたはずのロンとの決裂など、あまりに自己中心的なトラブルメーカーとしてのサムは、もはや「老害」です。それなのに、ラストシーンでは強引な力技でハッピーエンドのような雰囲気にまとめられていて、ちょっとびっくりです。結局、サムに始まりサムに終わる、サムのための作品だったという印象が強いです。
若手スタントマンのロンや、かつての弟子であるワイの視点や主張が、あまりにも的を得ていただけに、よけいに登場人物の中でサムだけが「おかしい」という不思議な感覚に陥る作品でした。香港映画の灯を絶やすまいとするサムの思いは理解できるだけに、こんな描き方しかされないサムが、ちょっと気の毒になってしまいました。
【”香港スタントマン魂”今作は、且つての勢いを失いつつある香港映画を且つて支えた人々へのレクイエムであり、新たな香港アクション映画の萌芽を感じさせる作品である。】
■且つて香港アクション映画監督だったサム(トン・ワイ)は撮影中に、スタントマンに事故を負わせ下半身不随にした事で業界を去っていた。
だが、旧知にの監督から自らのラスト作のアクション監督の依頼が入り、彼は張り切るが現場のスタッフとの関係性は冷えている。既に彼の”根性第一主義”の時代は過ぎ去っていたのである。
だが、偶然知り合ったサムの作品を信奉する若手スタントマン、ロン(テレンス・ラウ)は彼に起用され喜ぶが、サムの前時代的な手法に戸惑いを覚え、又、且つて彼のスタントマンだった、今やスターのワイ(フィリップ・ン)は彼のやり方に反発する。
そして、サムの亡き元妻の娘チェリーとの関係も微妙なままであった。
◆感想
・この作品は、序盤、中盤までの展開はハッキリ言って粗いし、サム以外の人物造形や、サムの”命懸けで作品を作るから、良い作品が出来る。”と言う想いは分かるが、如何にも古い考えであり、ジャッキーチェンのような過激なスタントを追い続ける姿と、ストーリー展開が噛み合っていないのである。
■で、チョイ、脳内を変換して香港映画アクション制作を愉しもう!というスタイルに転換する。この映画はスタントマンの苦悩や時代の変化を織り込んでいる点や、サムの香港映画の灯を消したくない、という想いは良く分かるからである。
<で、ラストの大ジャンプのシーンの、ロンに対するサムの指示や、チェリーに”撮影現場を見に来い!”と言った意味と彼が自分の姿を見ているスタッフ達へのメッセージは、私には伝わったのである。>
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