「My Hero」勇敢な市民 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
My Hero
韓国のWEB漫画原作の作品という相性の良し悪しが顕著に現れるなーと思いましたが今作は当たり側でした。
正義と悪がバチバチにやり合い、溜まったフラストレーションを解き放つ瞬間が気持ちよく超韓国エンタメに仕上がっていました。
正規雇用を目指すソ・シミンが学校の悪ガキと対峙するといった感じの作品で、かなり陰湿ないじめの様子が展開されるのは中々にハードでした。
スガンという生徒が親が権力者なのをいいことにやりたい放題しており、いじめも暴力もしまくりで擁護のしようのないクズだったのは清々しかったです。
罪の意識を感じないクソ野郎ですが、スガン自身もめちゃくちゃ強いのもあって誰も逆らえない状況がうまいこと作られているなと思いました。
ただ一回拘置所送りにされたのちもっかい復学して学校通ってるのはなんでだろうと思いました。
それでこんな騒ぎを起こしてるんだから親も親だなと思いました。
いじめる理由も面白いからという煩雑なものですが、いじめる側の人間って動機は快楽のためなのかなと思うとゾッとしますし、ついていく子分たちも子分たちだなと思いました。
イ・ジュニョンのクソ野郎っぷりがうますぎて嫌いになりそうでした。感心しまくりです。
シミンも早い段階で目をつけられつつも、ボクシング選手だった過去を活かして牽制をかけてみたり、教育委員会に報告もしたりするけれど、そこはスガンの親にねじ伏せられるし、上司にも口止めさせられたりと散々な目に遭いつつ、ようやく覚醒の瞬間を迎えてから一気に加速していきます。
とにかく強いシミンが猫の仮面を被ってスガンたちを襲撃していくのも爽快ですし、それに対してしっかりやり合うスガンもお見事でした。
キンパくんがスガンを殺そうとするところを防ぐところもとても良かったですし、それをきっかけにさらに飛躍していくシミン、大人の成長が見れるのが好みな展開でテンション上がりました。
終盤のボクシングの試合は胸熱でした。
晴らしても晴らしても晴れないフラストレーションを全開放してくれる気持ちのいいボクシング、技と技の殴り合い、素顔をさらけ出しての真っ向勝負と少年マンガのような熱い展開の連続にやられました。
つい先日観た「#彼女が死んだ」では闇の深いインフルエンサーを演じたシン・ヘソンが今作ではゴリゴリのボクサーをやっているのも強烈なギャップがあってとても良かったです。
しっかりと法で裁くというところまで辿り着きましたし、自分自身も教職に就けたりと自力で掴み取ったりとシミン頑張ったな〜と感動させられました。
強いていえば子分たちにも何かしらの罰があれば良かったのに…と思うのは意地悪ですかね。
映画として見応え満載でしたし、テンポの良さも相まってジャンルミックスしまくりでも全く問題のない快作に仕上がっていました。
これは原作も気になっちゃうやつでした。
鑑賞日 1/17
鑑賞時間 13:45〜15:50
座席 I-3