劇場公開日 2025年8月29日

「嬉々ちゃんの淡々とした演技に胸キュンキュン💕」嬉々な生活 さとうきびさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 嬉々ちゃんの淡々とした演技に胸キュンキュン💕

2025年9月3日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

幸せ

癒される

母を亡くした父と3人の子供たち。生きる気力すら無くした父に代わって中学生の長女、嬉々ちゃんがなんとか一家の暮らしを支えようとする…

設定だけ書くと物凄く悲惨で陰々滅々な話だと感じますね。
ところが主役、嬉々ちゃんが柔らかな現代大阪弁で淡々と受流す日常は妙にカラッとして「悲惨」という言葉を寄せつけません。
一家が暮らす団地の隣人、教師が差出す小さな(というよりは与える側が犠牲にならない)親切は悪びれることも自己卑下することもなく「ありがと」の一言で受取る。
けれど友人の行き過ぎた援助はきっぱり断る。
絶妙な人物造形です。

そして嬉々ちゃんを取巻く人々も夫々の距離感を保ちながら差し出せる範囲で親切を分け与える。
中には自らの情けなさ、鬱憤を弱い者いじめで晴らそうとする、どついたろかという人物も登場しますが、それでも「親切」という言葉が本作のキーワードだと感じました。
そしてラストの爽快感といったら!!

不思議と心が暖かくなる映画でした。

さとうきび