「缶詰から缶切りの登場まで80年」ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件 ジョーさんの映画レビュー(感想・評価)
缶詰から缶切りの登場まで80年
詐欺師(トニー・レオン)と捜査官(アンディ・ラウ)の飽くなきいたちごっこ。どこまでいってもエンドレス。
彼らが長年の追いつ追われつの関係の中、ホテル暮らしの詐欺師が定宿にしているホテルで語り合うシーン。
捜査官の積年の想いを語る次のくだりがとても心に残る。
この十数年数多くの国々と協力し、五十数人の関係者を捕らえた
言い渡された刑期は計200年以上
凍結没収された資産は800億を超える
全員があなたの関与を証言した
結果は別にして積み重ねた数字は、まさに偉業である。徒労に終わった歴史ではない。それを強く感じた瞬間だった。
彼は、1772年に発明された缶詰から、缶切りが登場するまで80年を要したことを切々と語る。少し遅れたがそれでも意味はあったと。
勧善懲悪をあざ笑う詐欺師を完全に黙らせる捜査官の渾身の語り。
このトニー・レオンとアンディ・ラウの奇跡の再会を、自分はいつまでも忘れることはないだろう。
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