「何の変哲もないゾンビ作品に込めたメッセージ」アポカリプスZ 終末の始まり R41さんの映画レビュー(感想・評価)
何の変哲もないゾンビ作品に込めたメッセージ
2024年スペインの作品
20年前のゾンビ作品と変わらない作り。
そこに足されたのが自警団を名乗る不届きもの
つまり主人公にすれば三つ巴のようになっていること。
主人公の人生の厚みを出すための出来事が伏線のようにあるが何一つ伏線になっていない「恐ろしさ」がある。
妻の事故死
猫の存在
船の舵に付けたミサンガを猫の首に付けたこと
等々…
何一つ意味がなかったことに愕然とした。
少しだけ面白いのが主人公の思考力のなさ
これとお決まりのエンジンがかからないヤツ
それにゾンビに追われて危機一髪
これだけが視聴者に向けた志向
また、
バイオハザードよろしく食料とアイテムの調達
バイク… だけだったのかな?
しかし、スピアガン…では、難しいように思うが、これが主人公の思考のなさでキャラでいいのかもしれない。
また、
スペイン人というのはそれほど身内愛にあふれているのだろうか?
特徴的な主人公の姉とのやり取りはいささかオーバー気味で変に思えた。
そうしてようやく脱出に成功
ヘリでカナリア諸島へと向かうが、何故か「来てはいけない。引き返せ」
戦闘機が「標的を捉えた」の真意とは?
ここでエンドロールになる。
終わり方は意味深でもありがちなものだったが、パニック映画としてはそこそこ見られた。
ゾンビになった女性に襲われ殺し、女性の身分証を胸に添えるあたりは、彼の優しさが見える。
自警団の通訳が撃たれても助けようとする人間性も素晴らしかった。
最後にゾンビと自警団と三つ巴になって、まさにバトルロワイヤル化していく。
事件団に捉えられていたどこかの民族だが、主人公が解放した際に大声でしゃべりまくるというのは、どこの国かわからないがどうしようもない残念感と、彼らを開放した主人公に対する嫌悪感が生じたが、結果として仲間を殺してしまった通訳が主人公と一緒に脱出するしかなくなったというプロットは悪くなかった。
しかし、結局誰一人助けられなかった。
最後の戦闘機は、もしかしたらカナリア諸島に爆撃する、おそらく原爆を投下する任務を持っていたのではないだろうか?
姉は巻き込まれるから引き返せと言いたかったのかもしれない。
軍のバリケードもことごとくやられてしまい、政府もパニック状態なのだろう。
ゾンビによって原爆投下で人類滅亡のシナリオ
これこそが、スペイン人が想像した「黙示録」なのかもしれない。
つまりこの作品は、その直前までを描いていることになる。
そう想像することをこの作品は求めていたのだろう。