劇場公開日 2025年3月20日

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「とりあえず後編に期待」女神降臨 Before 高校デビュー編 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0とりあえず後編に期待

2025年4月20日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

カワイイ

公開週に時間がとれず、このままスルーしようかと思っていたのですが、このあと後編の公開を控えており、ちょっとだけ気になっていた本作。今週末は「名探偵コナン 隻眼の残像」以外に観たい作品もなく、時間がとれたのでコナンのついでに鑑賞してきました。

ストーリーは、容姿のせいでいじめられて不登校になった女子高生・谷川麗奈が、メイク動画に出会ったことをきっかけに、メイク道具をそろえ、技術を一から学び、努力を重ね、完璧な容姿を手に入れて、転校先で新たな学校生活を送るはずだったが、校内で王子ともてはやされる同級生の神田俊に早々にすっぴんがバレ、それを口外しない代わりに何でも言うことを聞くという約束をしてしまい、俊との距離が近づいたことで、旬のバンド仲間だった五十嵐悠や俊に思いを寄せる女子らを巻き込んだ騒動に発展していくというもの。

そこまでキュンキュンする展開ではないものの、コミカルな演技に支えられて最後まで楽しく観られます。大筋は、冴えないヒロインがなぜかハイスペイケメンからモテモテになるというラブコメの鉄板展開。おまけに、2番手枠イケメンの心も奪い、足を引っ張る意地悪女子が暗躍するという使い古された展開で、既視感満載すぎてもはや心地よいです。

ここに、イケメンの背後にある事情、親友との友情、ヒロインの成長、メイクのもつ力などを盛り込み、内容に奥行をもたせているのは悪くないです。ただ、どれもインパクトがイマイチ弱いのは残念です。二部作なので、核心に迫るような部分は後編に残しているのかもしれませんが、今の段階ではちょっと消化不良です。

そもそも、引きこもり陰キャのホラーオタクという特異なヒロイン設定があまり生かされてないのが残念すぎます。肌が荒れてはいるものの顔立ちは悪くなく、いくら転校して人生リセットとはいえ、初日から堂々とした振る舞いで”女神”と呼ばれ、すぐに友達ができて、王子とも御曹司とも全く物おじすることなく会話できるなんて、最初から一軍女子じゃんってツッコミたくなります。

文化祭でのすっぴんバレも、樹木のない全面アスファルト敷の中庭になぜか設置されているスプリンクラーが原因で、しかも消防車の放水並みの水量とか、無理すぎて笑うしかありません。おまけに、翌日は何事もなかったかのような学校生活で、違和感しかありません。

麗奈が容姿の変化で自信をもち、前向きに生活できるようになったという変容を描くのはもちろんいいです。でも、そんな女神のような容姿なんかなくても、人としての本質的な魅力が王子や御曹司の心を捉えるのだと描いて欲しかったです。そして、麗奈自身も、メイクで輝かせるのは容姿ではなく、内なる魅力なのだと気づくというような流れだとよかったかなと思います。

とはいえ、まだこれは前編。後編ではさらなる怒涛の展開が待ち受けているようなので、ここで本作を評価をするのは早計かもしれません。多少の不満はありますが、とりあえず後編の前に本作を観ておいてよかったなとは思います。後編が楽しみです。

それにしても、学園ドラマのロケ地は和洋学園しかないんですかね。確かに絵になる校内風景だとは思いますが、こうも多用されるとちょっと飽きてしまいますね。

主演はKōki,さんで、彼女の演技は初めて見ましたが、コミカルで飾らない演技に好感がもてます。脇を固めるのは、渡邊圭祐さん、綱啓永さん、菅井友香さん、美山加恋さん、深尾あむさん、瀬名くれあさん、佐藤二朗さんら。

おじゃる
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