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日本の女性監督の歩みを記録した作品
岩波ホールの支配人であり、女性作家を支援し続けたプロデューサーとしても有名な高野悦子さんが企画し、2004年に作られたドキュメンタリー映画。高野さんが音頭を取って始まった東京国際女性映画祭の一環として、当時制作された作品が、今年の東京国際映画祭のシンポジウム内で上映された。
坂根田鶴子から始まり、日本における女性映画監督の歴史を紐解き、当時現役で活動していた女性映画監督のインタビューで構成された作品だ。日本の映画の現場がいかに女性にとって活躍しにくい環境であるのかの証言がたくさん出てくる。女性監督とわかると、照明部が照明を落としたという衝撃的な証言もある。照明を落としてどうやって映画を撮影するつもりなんだろうか。それはもう、照明部の職務放棄だと思うのだが。
高野悦子さんは、自分でも映画監督になりたかった人。しかし、女性が映画監督になる道が狭すぎたためにプロデュースや支援の立場となっていった。後につづく世代に大きな道を開いた人物として日本映画史に刻まれるべき人物であり、この映画には高野さんの功績が多く詰まっている。これが今、上映されることの意義は大きいと思った。
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