映画ドラえもん のび太の絵世界物語のレビュー・感想・評価
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難しさや怖さのない冒険譚
良かったです!
「もう全員死ぬんか…?」と怯えるような本気の怖さはないが「どうなっちゃうの~~?」程度にハラハラでき、「ハイ!ここ泣くとこです!」みたいなわざとらしくクドいところもなく、たくさんのひみつ道具が活躍する、一行に加わりたくなる冒険でした!
劇場では子供たちの笑い声がたくさん重なる笑えるシーンも複数ありましたよ。
あと流石に絵が美しい。
ご都合展開もあるし、大人は先が読めちゃうあからさまなフラグがあったりはしますが、それはそれとして。
いや素晴らしい!
ワクワクできる絵物語でした!
ドラえもん最高傑作
笑い、感動、伏線回収すべてが完璧
エモさを感じた
芸術×冒険!『のび太の絵世界物語』が描く新たなドラえもん映画
※ネタバレ無しとしていますが、予告映像で匂わせている範囲のネタバレを含みます。
【総評】
ここ数年の映画ドラえもんのオリジナル回の安定感は、本当に素晴らしい。
アニメーションや音楽のクオリティは言うまでもなく、脚本もドラえもんという作品の世界観をしっかりと捉えており、特に舞台設定への理解が成熟していると感じられる内容だった。昨年の「音楽」に続き、今回は「絵画」という芸術分野がテーマとなっており、原作に土台となるエピソードが少なかったにもかかわらず、細かい原作設定や現代的な視点を巧みに取り入れることで、バランスの取れた作品として見事に成立している。
監督は2011年の『新・鉄人兵団』、2013年の『ひみつ道具博物館』を担当した、寺本幸代氏で、感情表現を丁寧に描くことに定評があるとのことで、後述してますが、今作でも存分にその手腕を発揮されていたと感じた。
【脚本】
非日常への導入のキーとなる今作オリジナルのひみつ道具「はいりこみライト」。これを使った、非日常=舞台となるアートリア公国への導線の巧みさに驚かされた。
予告映像にもあった通り、のび太の頭上に突然穴が開き、木の板に描かれた絵が降ってくるという不可思議な現象から導線が始まるのだが、しっかりとドラえもんの世界観に基づいた説明が後からされるので安心してほしい。
また、これはドラえもんに限らず最近の作品全般に言えることかもしれないが、序盤の何気ない出来事を、終盤に重要な伏線として回収する手法がますます増えているように感じた。毎年ある程度は予想しながら観ているものの、今年も「そんなところを拾うの!?」と驚かされる見事な伏線回収があり、楽しませてもらった。予想がつかない綺麗な伏線回収は大好物なので、今後もぜひ続けてほしい要素だ。
【演出】
キャラクターの感情表現がとにかく秀逸で、細かく練られているのを感じた。個人的には、公式で推されているマイロよりも、お転婆姫・クレアの方に注目したい。
クレアのコミカルな表現がとにかく可愛らしく、顔芸やハプニングなど楽しい演出が満載だったのはもちろんだが、彼女自身に幼さや年相応の負の側面がほとんど見られなかったのが印象的だった。4年間も絵の中に閉じ込められ、さらには悪夢のような予知夢を見ていたにもかかわらず、終始ポジティブな少女像のまま。この点に、どこかご都合主義的な"物わかりの良さ"を感じていたのだが、まさか最後にしっかり回収されるとは。
もう1点挙げておきたいのが、ラストバトルの絶望感だ。ネタバレになるので詳しくは書けないが、伝説の悪魔として登場した暗黒騎士イゼールは、ドラえもん映画史上最強クラスのラスボスで間違いない。描き方や時間の割き方も素晴らしく、ラストバトルのみにフォーカスしたランキングを作れば、間違いなく上位に食い込む出来栄えだったと思う。
また、盤外ネタとして気になった点を2つ挙げておきたい。
・のび太のパパが絵について語るシーン
原作では、のび太のパパは元々画家志望で、実際に絵の才能があったことが語られている。そんなパパが、絵をうまく描けないのび太にかけたアドバイスが、アートリア公国宮廷画家の息子・マイロの意見と一致していたのだ。
「大好きな友達とか、大好きな家族とか、大好きだーって思って描いてごらんよ」
これはCMでも何度も流れていて、公式に強く推されているセリフだが、時代を超えて絵の天才同士が発するメッセージとして心に響くものがあった。また、さりげなく原作設定を活かしている点も、ファンには嬉しいポイントだ。
・タイムボートの登場
昨年Netflixでアニメ化された『T・Pぼん』のタイムボートが、早くもドラえもん本編に逆輸入されていた。これもファンには嬉しいサプライズだった。
【ゲストキャラクター】
メインのゲストキャラクターであるクレア、マイロ、チャイは、それぞれの持ち味を存分に発揮し、バランス良く描かれていた。上でも触れているが、マイロの絵に関するアドバイス、本当に心に響く素晴らしい演技だった。マイロ役に種崎敦美さんを起用したことには心からの賞賛を送りたい。彼女の演技力がキャラクターの魅力を最大限に引き出していた。ネタバレになるため細かい点には触れられないのがもどかしいが、彼の物語における存在感は特筆すべきものだった。
また、ラスボス枠として登場する悪魔イゼールも印象的だった。最終的にドラゴンの姿へと変貌するが、そのデザインがまた素晴らしい。過去のドラえもん映画に登場したフェニキアやマフーガのような「かっこいいドラゴン」とは異なり、クトゥルフ神話に登場しそうな、醜悪でおぞましい造形が採用されている。このデザインが悪魔らしさと恐怖を引き立て、実際にその見た目に違わぬ圧倒的な強さも描かれており、大満足の仕上がりだった。
【ゲスト声優】
今年も数名の芸能人が声優として参加していたが、特筆すべきはパル役の鈴鹿央士氏のみ。残念ながら、彼だけ演技が拙く、浮いてしまっていた。しかも、そこそこ出番の多い重要な役だったため、余計に気になってしまったのが惜しいポイントだ。
もう一点触れておきたいのが、サンドウィッチマンの伊達さん。インタビュー記事で以下のように発言しており、とても共感した。
「とにかく観ている人にサンドウィッチマンの伊達の声だと気付かれないようにがんばりました。(中略)我々がどこに出ているかは探さなくていいです!作品世界に入り込んで楽しんでもらえたらと思います。」
ドラえもんという作品と、声優という職業、両方へのリスペクトが強く感じられて素晴らしい。相変わらず、好感度の上がる発言しかしないなこの人。
【その他】
近年の映画ドラえもんについて。
ここ数年、オリジナル回が続いているものの、及第点以上のクオリティを連発している。水田わさび版ドラえもん(わさドラ)に交代してから、早くも20作品目となるが、ここにきて映画ドラえもんは完全に大安定期を迎えたと確信できた。
ノウハウが蓄積されていることはもちろんだが、監督や脚本が毎年交代しているにもかかわらず、このクオリティを維持し続けているのは本当にすごいことだと思う。
また、個人的に嬉しいポイントとして、最近はしっかりとしたバトルシーンが用意されている点が挙げておきたい。初期のわさドラ映画では、本来見せ場となるはずのバトルシーンに緊張感が欠けたり、恐怖を煽る迫力ある演出が控えめになっていた。しかし近年は、そうした要素がしっかりと描かれるようになり、映画ドラえもんの醍醐味のひとつである“普段はできないバトルシーン”が、パワーアップして復活してくれたのは本当に嬉しい限りだ。
【採点】
昨年と同じ4.0としたが、個人的な評価としては前作『地球交響曲』よりも少し下というイメージ。中弛みはあったものの、「音楽」を主題に正面から向き合った新しいアプローチや、秀逸な伏線回収、ラストバトル時の演出などを鑑みると、ギリギリ『地球交響曲』>『絵世界物語』といった印象だ。
ただ、前作は人を選ぶ作品だったこともあり、ぶっちゃけ今作の方が一般受けするのではないかとも思っている。どちらにせよ、高品質な映画ドラえもんのオリジナル回であることは疑いようがないので、ぜひ劇場に足を運んで観てほしい作品だ。
今年は絵画がテーマだ!
テーマとしては絵画、「描かれた絵」「絵を描くということ」といったあたりなのだけど
キーとなるのはどちらかというと絵具なので
名画パロディがちりばめられたOPで
「今回はこういう話だ!」と構えてしまうと肩透かしを食らうかもしれない
いつもの冒険譚と思いきや今回もかなりの大ピンチ
深刻なまでの絶望的な状況に追いやられるのだけど
作劇のコントロールがうまく聞いているのか、
細かく入るちょっとした笑いがうまく機能しているのか
見ていてしんどくなりすぎず、でもちゃんと緊迫し手に汗握る展開で
それでいて、のび太の気持ちにちゃんと寄り添い
ちゃんと納得のいく答えを用意している
気持ちよく見終われる映画だった
秘密道具はおなじみのものが多く
それでいて視聴者の予想をうまく外し
あとから思い返したときに「あそこの展開や台詞、そういうことだったのか」
とさりげない伏線の貼りかたに気づかされたりと
するっと楽しめる作品だ
残念な点…というほどではないのだけど、
ゲストキャラの造形に藤子F不二雄のタッチがまったくないのは
ちょっといかがなもんかあと
ダンジョン飯見ながら作った?
序盤は面白かった。前回の地球交響楽は導入までが長ったらしく起伏が少なかったためつまらなかった。今回は本筋に入るのも早く特に13世紀の街並み文化をよく取り入れていて非常に没入感があって良かった。ただ後半があまりにファンタジーすぎて(ドラえもんだからファンタジーでも良いのだが)13世紀の世界観があまり意味をなしていなかったのは残念だった。舞台装置でしかなかった。もっと中世ヨーロッパの味を出してくれればずっと良かった。
あと鈴鹿央士だけなんか別のマイクでアフレコしてる?演技で違和感はあるんだけど音で違和感があるのは初めてだった。演技も違和感はあるんだけどね。
もう一つ前作もそうだったけどここ最近のドラえもんは最後お別れみたいなものがなくひと段落すると普通の日常に戻るのはなんでなんか?
オタク歓喜
水田世代のドラえもんオタクJ Kです。今回初めてレビューを書きます。大好きなドラえもんの映画の良さを全力で語りたかったからです。
さまざまなレビューやコメントを見ているとやはり昔のドラえもんの方が良かったという方がたくさんいらっしゃいます。私は実際に映画館やテレビでは水田わさびさんのドラえもんしか見たことがないのでこのレビューはもしかしたら一定数の方にとって参考になんかならないかもしれません。
でもこの映画本当によかったです。地球シンフォニーも去年学校帰りに電車に飛び乗って見に行きました。映像の美しさ、ピアノの響き、ドラの幸せ供給全てに惹かれて胸いっぱいになって帰りました。
今回の映画は『絵』がテーマですがみなさんにとって絵はどんなものでしょうか?紙とペンさえあれば頭の中を形にできるなんだか不思議ですよね。想像力と遊び心が感じられるこのテーマとドラえもんの相性がぴったりなのはわかりきったことです😏😏😏
私のドラえもんの楽しみ方は先を予想する事ですあ、その手があったか!!常にドラえもんの映画には結末に繋がるヒントが散りばめられています。敵役が出てくるのはいつものことなのでどんなふうに乗り切るのかそれを想像するんです。
ちなみに今回はかなり予想的中でした。期待通りの動きをドラえもんとのび太がした時は思わずニヤニヤしてしまいました^^
うまーく繋がってて見てて気持ちがいいです。
あと今回登場するキャラクターが可愛すぎて。
本当にやばいですよ。今までドラえもんにしか興味なかったのに表情と言動のギャップ全てが愛おしくて。ずっとしあわせでした。胸キュンシーンも少しだけ🤏
本当に素敵でした。絵の価値観というか、最近は言葉の力の凄さに感動していますがドラえもんって刺さるんですよ。
今回はいろんなドラえもん達の姿がみれます。
そして私ものび太レベルの画力ですが絵の具で絵を描きたい思いました笑
少し人生が豊かになるきっかけになるかもしれません。
のび太の父の言葉には心が揺れるものがありました。ハラハラしたり、きゅんとしたり、クスッとなったり、ビクッてなったり、いろいろ忙しいですが見る時、好奇心100%で見るとわくわくします。最近忙しくて正直にいうと中盤五分間ぐらいうとうとしていました。罪悪感で潰れたい。でも終盤そんなうとうと吹っ飛ぶぐらい引き込まれます。いつも奥二重の私がおそらく二重になるぐらい目かっぴらいてました笑
とにかくおすすめです。
私は頭は良くないし、物知りでもないです。
ですがたまに息抜きするならこのくらいバカな頭になって単純にドラえもんの世界に浸って見てほしいです。
もっと人生に好奇心を足してあげましょ!!!
何気ない一言に驚く
絵描きへの救い。静止的な絵画、動的なアニメーション
近年、絵が上手くないといけなかったり、上手いと思えばAIと疑われ気分が落ち込んだり、と。
10年前だったら争いの火の元にはあまりなかったであろう絵というものが、そうなってきてしまっている。
それによって生まれるいろんな派閥があるけれど、誰が描いたか、何を思って描いたか、に焦点をあてていたので、それによる各々の苦労(絵を描くということの苦労、労働力なので、これにAI生成は含まれない)も映し出された。
結局「うまいのが重要ではない。気持ちだよね。」というあるあるの教示ではあるが、でもだからこそ漫画やアニメーションでここまで長寿となった"ドラえもん"という作品に示されたからこそ、絵を描く人間にとって救いのある映画でもあったのではないだろうか。
この映画は史実、現存されている絵画を知るためのものではない。
絵画、絵を描くということをモチーフにしていたからこそ、絵画モチーフを取り入れたOPはアニメーションならではのもの。静止の絵画をうまく映像にして、ドラえもんたちのタッチも合わせているからこそ、見る人たちにとっても楽しく、知識欲がある人は「この絵は誰が描いたんだろう」と考えることへ繋げることもできる。
絵に興味がない人でも「あ!見たことある!」という有名絵画を取り入れてるOPのため、一定の客層も取り残されることはないと考える。
OP締めの芸術モチーフが漫画だったのも漫画原作のドラえもんらしく、またそれをアニメーションで表現するという、絵画から派生した芸術をわかりやすくうまく表現したのではないだろうか。(個人的に好きだったのはモネとゴッホ、歌川広重のシーン)
アニメーションやSEが豪華だったり、例年よりもひみつ道具をたくさん使っていることから動きを多く取り入れた映像になってた。
中でも、回転するタライ、流しそーめん、水、釣り、風鈴と言った、流動を表現するアニメーションがとても多くいのが個人的には良かった。
というのも、これによって静止と動的の差や違いが表現されるため、アニメーションの中の絵画が同化せず、それぞれ分断され別の芸術分野であることを認知することもできたと。
また、女の子の動きに力を入れてたとも思う。映画オリジナルキャラクターのコロコロ変わる表情にも愛らしさがあり、しかしながら例年のドラえもん映画に出てくる知識欲のある子供たち(映画キャラクター)ではなく、そこまでの知識欲がないキャラクターだったため、見たものを何故?ではなくすごい!と感動するだけの6歳らしい子供にもなっていた。
加えてアクティブなクレア、インドア(??.パッシブ?)なマイロの対比も、アニメーションと絵画同様、動的と静止的が表現されていた。
ただ、絵画考察等は特になく、希少価値を大にしていたため、絵画に対して違う思い入れがある人は見ててストレス溜まる可能性もあるのではないだろうか。
途中で出てくる敵(蚊みたいなやつ)は13世紀で流行した壊血病がモチーフか。ペストも考えたが、吸われる感じは違う気もする。
悪魔が道具を取り込んだとして、ドラえもんたちしかわからないはずの使用方法や効果を自分の力にして発動する能力を持っているのが謎だったが、記憶を辿ったら理解もできた気がする。
ただ、色を取り込む能力自体に関しては謎。何かモチーフになった悪魔がいるのか、調べ中。
時空を飛び交いすぎて本来なら回収されてたフラグも回収されてる感じはなかった(チャイとか), 。もう一回見たら理解できるかもだし、フラグ回収の取捨選択は考察を一任するからいいのかもしれない。
最後に回収された謎も一応あった。
ドラえもんという地盤があったからこそ、描けて楽しめた映画だったと思います。
良かった
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