「原作のひみつ道具にリスペクトを感じいい意味で涙を誘わず大人にもグッとくる作品でした。」映画ドラえもん のび太の絵世界物語 外的要因に弱い恐竜さんの映画レビュー(感想・評価)
原作のひみつ道具にリスペクトを感じいい意味で涙を誘わず大人にもグッとくる作品でした。
ネタバレを含んでの感想になります。
【物語.伏線について】
のび太パパの残業あくびから始まり。
解説・あらすじの通りでのび太一行が中世のヨーロッパ、作中では13世紀と言っていたので約700年前の絵画に描かれた世界に向かいます。最初はのび太一行が絵の世界に入って別次元の世界を冒険する話だと思っていたのですが、物語が進んでいくうちにドラえもんたちは、絵の中を経由して700年前のヨーロッパにタイムスリップしていたと判明します。
そこから「アートリアブルー」を探す話になるのですが、伏線の印象付けをしっかりして回収して行ったところが良かったです。細かいところですがパルが物陰から見ているシーンでスネ夫とジャイアンが連行される際に手首の時計に話かけるモーションなどを描いたりとさりげない伏線も良かったです。
物語の流れもドラえもんの恒例でもある大団円で敵を制圧するのではなくゲストキャラと、のび太に見せ場を作り敵をやっつけるところも良かったです。(ワンニャン時空伝みたい感じで)
他で伏線がうまいと感じたところは、ドラえもんが『はいりこみライト』の影響を受けた絵について喋るシーンがあり「絵を描いた本人が絵の内容を信じているから絵に力がある」と言っていたのが、イゼールを倒すためにのび太が描いたドラえもんのシーンで説得力が生まれています。
のび太が『ほんものクレヨン』で『水もどしふりかけ』を描けばいいじゃんって思う人いるかもしれないのですが、原作(漫画)では絵の上手さで性能が変わる描写があるので失敗していたと思います。(マイロは、道具を知らないから描けない)
ラストの展開のび太がドラえもんを想う力とマイロの描写力、のび太の狙撃と最大限のパフォーマンスを発揮して突破するところは、気持ち良かったです。
個人的には、別世界の話よりもタイムスリップものドラえもんの方が話の展開が読めなかったり未来人が出た場合のドラえもんの全能館が薄まりハラハラするので中盤からの展開は、いい意味で裏切られました。
ラストの4年間彷徨っていた本物のクレアが戻ってくるのですが、絵のクレアと記憶は連動していない方が良かったと思います。そっち方がみんなの心に一緒に旅した絵のクレアも残ると思います。
それでもラストのお別れシーンなどに時間をかけずスパッと終わらせてのび太パパの言葉で締めたくくったのは、前向きな気持ちで終われて良かったです。作中では、語られていませんがパパは、昔絵描きを目指していたので作品の本質を見抜く力があるんでしょうね。
今回は、既存のひみつ道具が多く感じたので原作のひみつ道具を知っていると
「ん?そこあのひみつ道具で良くね?」って思わずスムーズに見れるのでファンサービスな映画にも感じました。
今回監督が、寺本幸代さんで「2005年映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜」「2013年映画ドラえもんひみつ道具博物館」などの監督も務めており作中でも「チンカラホイ」がありました。ひみつ道具博物館は、今作の映画においてひみつ道具知識の引き出しのになったのかもしれません。
【ひみつ道具等で個人的に印象に残ったもの】
『水加工用ふりかけ』
今回、特典でまんがBOOKを配られたのですが、原作のひみつ道具を知らない人用に登場する道具の回の収録されており手厚いと思いました。毎年こうしてくれたらありがたい。
『水加工用ふりかけ』の回がありオチは、『水もどしふりかけ』で全部水に戻るといった内容を上映前に読んで察しがいい子、予習したドラっ子は、作中で水のお城を作るのを観てどこかでなくなるだろうなって思うんですが、ドラえもんがイゼールに『水もどしふりかけ』ごとやられてしまうので制作陣は、そこからうまくラストに繋げてきたなと感じました。
『ヒラリマント』
すごい使いがってのいい道具なんですが、イゼールのブレスが強すぎて一発で燃えてなくなるのが力の差を表現できていて良かったです。
『ほんやくコンニャク』
同じみの道具なんですがクレアが嫌がることでのび太一向が食べる流れとなり自然な形で冒険する準備になりましたね。
『はいりこみライト』について
原作には存在しないひみつ道具のためオリジナルかと思いきやまんがBOOKに『写真入りこみスコープ』の回があったのでこれを参考したとわかりスッキリしました。
『グッスリまくらロングサイズ』
ソドロ(偽名)がしずかちゃんたちに投げてきた道具、ロングサイズってのがちょっと捻ってクスッとしました。ひみつ道具博物館でもいろんなサイズの道具があったから制作陣がそこらへん遊んでるのかも(ドラえもんズにも『通り抜けフープLLLサイズ』ってのがありましたね...)
『ころばし屋』
10円入れて名前を言うと対象を3回転ばす。
乱射してるころばし屋に笑いました。
『糸なし糸電話、透明マント』
作中で説明がなくパルの尾行で使っていました。『糸なし糸電話』は、寺本監督の「映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~」でドラえもんが敵を盗聴する際に使っていました。トランシーバーみたいな役割だかり使い勝手いいんでしょうね準レギュラー化しそうですね。
『スパイ衛生?』
同じくパルの尾行でドラえもんが使用していました。見た目は、タイムパトロールの衛生、ひみつ道具博物館のガードロボ(小型)に似ていますね。
【総評】
クレアの喋り方が可愛かったです。
おしまい
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