「過大評価」映画ドラえもん のび太の絵世界物語 さるさんの映画レビュー(感想・評価)
過大評価
ネットでの評価が良かったので急遽子供を連れて観てきました。
結論から言って、大人が楽しめる映画ではありません。
伏線回収が凄いなんて言われてましたが、これを伏線回収って言うの?と思うくらい、物語の構成的には当たり前のレベルで、辻褄合わせと言った方がしっくりきます。
悪魔の目的も全く持って不明で、色を奪って何がしたいのか理解できません。そもそも悪魔自体に色がある…。
色がない=白なのは、映像作品上まぁいいとして、色を奪われると石のようになるのも全く分りません。そこら辺はもう少し説明あってもいい気がします。特に透明マントを使ったり、水に「色をつける」という行動をしていて、この色がない状態と、悪魔に色を奪われるという概念の違いとかですね。
のび太が描くドラえもんの絵も、大好きという思いを込めて書いた、「いい絵」の定義も感じられませんでした。下手な絵のまま、まともに話せない。動作が不安定、と言う結局見た目通りな印象で、描き手の想いが云々ならもっと違った活躍の仕方があったのでは?と思います。
第三者が描いた絵に、オリジナルそのままの性格が宿っていたりする所も、他者から見た自分と自分が知ってる自分の差異がないのも気になりますし、その理屈なら誰かの想いが乗ってる絵より、記録としての写真の方が説得力ある終わり方で、絵がテーマとしてはまだ、クレヨンしんちゃんのラクガキングダムとかの方が一貫していると思います。
見終わって、自分も絵を描きたい!とは思わなかったし、子供もそういう風には感じていないようでした。
昔のドラえもんの映画には、壮大な冒険をしてその結果、ちょっとだけのび太が成長するって所に魅力があったと思います。最近は、大人を泣かそうとする演出が気になり過ぎます。今回はそこまであからさまじゃないので良かったですが、それでも泣かせよう感を感じました。
子供向け映画で、無理に大人向けにする必要はなく、子供が子供の理屈で考えて、対応して、その結果少し成長する。その過程が見れたら親は満足します。内容は凄く幼稚でも、隣で子供が喜んでたらそれで満足です。変に大人を意識するより、もっと子供の為に作られた映画になって欲しいなぁと思うのが本音です。
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