「最高峰のカタルシス」映画ドラえもん のび太の絵世界物語 辻井宏仁(放送作家)さんの映画レビュー(感想・評価)
最高峰のカタルシス
力強く王道を行くドラえもん劇場作品で
大人でも泣けてしまうほどのカタルシスがあった。
ヒミツ道具がラストに効いてくる、
というのは毎お馴染みの展開だが、
今回はとにかくのび太が追い込まれる。
悪魔との激戦では1人ずつ戦闘不能に陥っていくが
最後に残るのはのび太とパルという少年。
頼りになるドラえもんやジャイアンは動けない、
未来ののび太も来ない、タイムパトロールも来ない、
シリーズの中でも突き詰めた絶体絶命を
しっかり見せつけてから最後の一手が繰り出される。
オセロで言うなら最後の1枚で全部の色を
ひっくり返すような…
そんな展開に思わず手に汗握ってしまった。
カタルシスとは反動。
主人公を追い込む、と言うセオリーの最高峰を見た。
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