「タイトルなし(ネタバレ)」ノー・アザー・ランド 故郷は他にない りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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イスラエル軍によって強行接収されるヨルダン川西岸パレスチナ人居住地区「マサーフェル・ヤッタ」。
名目は、戦車隊の演習地設営。
イスラエル建国以前からから、もともとパレスチナ人が住んでいた地域。
であるが、イスラエル軍はブルドーザなどで有無も言わさず住宅などを破壊していく・・・
といった映画。
2019年から4年に渡る記録で、パレスチナ人青年バーセル・アドラーがカメラを持って撮り続け、SNSを通じて発信していった。
もともとは素人とはいえ、現在では記者証も所持している。
そんなバーセルの前に現れたのが、ユヴァル・アブラハーム。
ユダヤ人(つまりイスラエル人)のジャーナリストで、軍の非人道的で暴力的な行為を憂いていたのだ。
バーセルの活動を支援し、彼の活動を脇から撮影する。
しかしながら「マサーフェル・ヤッタ」でのユヴァルの立場は、当然にして微妙・・・
で、こういう設定での劇映画だと、バーセルとユヴァルの関係性に焦点をあて、友情譚になるところだ。
が、そんな甘いことには決してならない。
(友情が育まれない、といっているのでない。念のため)
映し出され続けるのは、イスラエル軍の暴力行為。
家屋の破壊、小学校の破壊、抵抗するパレスチナ人への暴力、果ては発砲。
発砲シーンなどは相当ショッキング。
撃たれ、一命を取りとめたバーセルの家族のその後の様子も映し出されるが、あきらかに絶命したと思われる人の姿も映し出されます。
ですので、鑑賞には覚悟が必要。
終わった過去の事象ではなく継続中の事象。
あまりの凄まじさに、観ていて相当疲れました。
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