劇場公開日 2025年2月21日

「伝えることの意味」ノー・アザー・ランド 故郷は他にない ららさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0伝えることの意味

2025年3月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

絶望って、繰り返し心を潰される事で起こるんだと思った。

パレスチナのヨルダン川西岸の村で実際に起こっている現実を、パレスチナ人の活動家の息子であるジャーナリストの青年と、イスラエル人だがこの問題に取り組んでいるジャーナリストとの共同記録映画。

予備知識がないと何の映画かわからないと思う
最初に字幕で良いので概要の説明が欲しいところだ

興味のある人しか見ない前提なのはせっかくの映画が、伝える効果が損なわれてしまうようで勿体無いと思った

映像は本当のものなのでリアルで息が詰まるような迫力がある

じわじわとパレスチナ人の家を毎週壊し続けるイスラエル政府軍。
マスクをして顔を隠して襲ってくる入植者。子供のいる小学校をブルドーザーで潰していく。洞窟に逃げてそこで生活する人々

身体障害者であっても、病気になっても車も家も奪われただ静かに死を待つ

洞窟の中で人間らしく生きることを大切にする家族
可愛い女の子、優しいおばあちゃん

介護する叔母、踊る男の子
遠い小学校へ通い学ぶ子供たち

水タバコを吸い、気分を紛らわせる青年
食事を家族みんなで摂る

近所で気をかけあう

人の思いが通った
生活がそこにある

ただパレスチナ人であると法学部を出た優秀な学生も能力に見合った就職には就けない

車のナンバープレートもパレスチナ人の車は緑で行けるところが限定的、イスラエル人のナンバープレートは黄色でどこにでも行ける
あらゆる差別と支配がある

壊して壊しまくって
そのパレスチナ自治区にキレイな家を建てるイスラエル人入植者。

これが暴力でなく何が暴力なのかと思う

なんとか家を建てたとしてもまた壊される
自分の土地を奪われ
家畜を手放してしまうと生活はもちろんできない

布切れに家を壊さないでと書きデモをすれば理由をつけて拘束し暴力を受ける

自分の家が壊されるのを目の当たりにする中で家主があまりにひどいと、重装備のイスラエル兵に訴え、家財だけでも持ち出そうと抵抗すれば銃殺される

土地を奪われ続けるパレスチナ人

ここはヨルダン西岸なのでガザではもっと凄惨

それがこの映画撮影時の状況からさらに悪化して
ハマスがイスラエルの人を誘拐してからガザの大虐殺は悲惨な状態に。

ハマスを倒すのは難しいからと、見分けられない以上パレスチナ人を皆殺しにすると宣言するシオニスト、ネタニヤフ政権

今までだってある程度アラファト議長の時や妥協点を見つけて今よりマシだった時もあった

それが例のc◯ Aに工作されハマスを育て、一方で
イスラエル内部では金と宗教心を煽り双方の対立構造を作り続けた

このパレスチナ問題を火種にし続ける事で、いろんな方向に問題を起こせるとしているフィクサーと国際金融資本家やコングロマリット

大昔は言い出したらキリがない、ここ200から300年でみて、近年はそもそもは入植し、パレスチナの生きる権利を奪い続けたことこそ問題

ただユダヤ人も入植して2代3代と続けばそれもまたそのユダヤ人からすれば自分が生まれ育った土地になっていく

早く線引きするなり、入植はこれ以上絶対ダメとするなり、トランプがいう何らかの解決策を実行しなければパレスチナ人は土地を失い根絶やしになってしまう。

国際事情を鑑みて、パレスチナのアラブ人を直接的に助けてこなかった、クレームだけいう、サウジやアラブの強い国の姿勢も問われる、人柱にしてきたよねって思いますよ私は。

余りにも映画の実際がひどいので熱くなってしまった

私の見解が正しいわけでもない

ただ、今パレスチナ人がされていること、あれは人殺しのイジメです
ユダヤ原理主義の人たちは自分らがずっと差別されて不遇な時代を過ごしてきた、だからと言って同じことをしてはダメ
ただここまですることを良しとしてるのはユダヤ人みんなではないですから、そこはほんと大事なとこです

それぞれが利用されてることにみんなで気づいていかないと希望が見えない

人間嫌いの金金ネットワークのあちらはいつでもダブスタなのだから、、、

らら