「感想が無限に湧いてくる。誰かと見に行ってたくさん話がしたくなる映画。」ノー・アザー・ランド 故郷は他にない Mejiroさんの映画レビュー(感想・評価)
感想が無限に湧いてくる。誰かと見に行ってたくさん話がしたくなる映画。
先祖代々暮らしてきたパレスチナの村の、パレスチナ人の家。「この辺は軍の訓練場にするから」とイスラエルに勝手に決められてしまい、ブルドーザーがやってきます。「まだ娘が中にいるの!」と叫ぶお母さん。洗濯機とかマットレスとか家財道具を引っ張り出してきた住人たちが、自分たちの家がブルドーザーで壊されるのを涙を流しながら見ている。壊された家を建て直そうとすると、今度は大工道具や発電機を奪おうとする。パレスチナ人を追い出そうと、こんなことが何十年も続けられている。重装備のイスラエル軍に対して、この映画の監督の一人でもあり主人公でもあるバーセルの武器はカメラで、イスラエル軍が暴力的な行いに出るたびに「撮っているぞ」と叫びながら、「これが僕の村で今起こっていることです」と(観客である私たちに)語りかけながら、イスラエル軍に向かっていく。
2023年10月以前からこんな不条理なことがずっとずっと続いてきた。
これが普通の映画だったら、こんなふうに抑圧されている人たちは救われるし、こんな酷いことしてる側にはなんらかの罰があるだろうが、これはドキュメンタリーで、イスラエル軍が丸腰の市民を(自分たちの発電機を取り返そうとしていただけの男性)を撃っても、罰されることはない(イスラエルの軍人が丸腰のパレスチナ人を傷つけても99%以上不起訴だそうです)。
パレスチナ/イスラエル問題に詳しくなくても全然大丈夫です。何が起こっているかを真っ直ぐに伝えてくれる映画です。
観たらきっと誰かと話したくなるから、誰かを誘っていくことをおすすめします。
(色々な人の感想を聞きたくなる映画でもあるので、ぜひレビュー書いてください)
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