「宗教は欲や武器に勝る?」お坊さまと鉄砲 てつさんの映画レビュー(感想・評価)
宗教は欲や武器に勝る?
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予告編にあったような選挙の話と高僧が銃を必要とする展開に思わせぶりがあった。アメリカ人が高値で欲しがった銃さえその高僧に譲るほど僧侶は尊敬されていて、銃取引の仲介者が警官から捕まりそうになり、処罰を逃れるために銃を供出することになり、警官の拳銃や子どもの玩具の水鉄砲さえ供出することになってしまった。高僧の願いを聴き入れたアメリカ人は、代わりに聖なる秘具を与えられることになる。執着から逃れることの大切さが説かれていた。聖書の「駱駝が針の穴を通るより難しい」という例えにも通じるが、欲張り爺さんの成れの果ての説話にもありがちな感じがする。
アメリカ人は、ブータン人から、J.F.K.やリンカーンを生んだ国と羨ましがられるが、それらのリーダーは、銃の力で倒された人々でもあったので、銃を無力化したブータン社会の力には敵わないところがある。けれども、インカ帝国を少数の軍人で征服したピサロ氏に対抗できるほどには有効ではないだろう。
『ゲンボとタシの夢みるブータン』に描かれていたような、僧侶養成教育よりも実用教育に転換しつつある傾向は、ここではまだ描かれていないようである。
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