Flowのレビュー・感想・評価
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猫は水が大嫌いなはずなんだがなぁ。
3月17日(月)
我が愛しのグルミットがトム・クルーズばりのアクションを見せる「ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!」や、ドリームワークスの快作「野生の島のロズ」や、評判が良い(未見)ピクサーの「インサイド・ヘッド2」を押しのけてアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞したラトビアの「Flow」。
興行側が読み違えたか、小規模公開で小さなスクリーンでしかやっていない。
TOHOシネマズ池袋スクリーン4で「Flow」を。平日昼間でも7割程度の入りだ。
黒猫が大水が出た世界で廃船?に乗り合わせた動物たちと水の上を彷徨う。動物を擬人化せずに言葉を話す事もない。
動物の鳴き声、泣き声、啼き声、哭き声、自然音と音楽のみである。
何故、大水になったのか?そこに居た形跡はあっても登場しない人間はどうなってしまったのか?説明も字幕もない。
監督の5年前の前作「Away」も同様に台詞無しの少年の話しだったらしい。ちょっと観てみたいね。
本作も監督・製作・編集・音楽の一人4役をこなしている。
登場するのが、黒猫と4種類の犬、アフリカのヘビクイワシ、南米のカピバラ、マダガスカルのワオキツネザルと生息地域が違う生き物が乗り合わせているのも意味があるのか。
ヘビクイワシは、黒猫に魚を与えようとして仲間に襲われ羽根を痛め翔べなくなってしまう。
ヘビクイワシはタカビーで上から目線、船の舵取りも自分で行う。カピバラはおおらかで我関せず、ワオキツネザルは自分の好きな物に夢中とキャラ分けもされている。
余談だが、私は動物園で動物を観るのが好きで、レッサーパンダやカピバラを観るのは大好きである。ちなみに私の写真は上野動物園で撮ったハシビロコウ。
映画は、黒猫の視点で描かれるが、犬に追われて全力疾走する時のスピード感、足元に迫り来る水に水没する恐怖感、ワシに捕まって大空から落下する浮遊感と変化を付けて映像が単調にならないようにしている。大木に引っ掛った船からの脱出はヒッチかトム・クルーズか。
本作で素晴らしいのは、鏡、ガラス、水面に映ったリフレクションの緻密な表現である。
それに対して毛並みなどはぬっペリしていて、こだわりが無い。ピクサーなら毛1本1本を緻密に描く所だろう。
オープンソフトで作られたとの事で、そこはこだわる所ではないと言う事か。
ヘビクイワシが天に召されて?水は引き、各々は地上の園に戻る。水の中にいた悠然としていたクジラのような生き物(瞼があるから魚ではない)は地面に横たわっている。
異種に施しをしようとした者は仲間から攻撃され、一緒に彷徨った異種は助け合う。
何の暗喩なのだろうか。
クレジット後の姿に、また水が来たと思うか、別の個体と思うかも含めて、考える映画なのかな。
自分としては、水が嫌いな猫が水中に潜って何匹も魚を穫るのが納得がいかなかったけど。水に落ちた猫は、慌てて必死で船に登ろうとしていた。あれが本当の猫の姿でしょう。
なかなかに切なさが残ります
自然に住む動物たちと1匹の猫を追う長編アニメーション
セリフはなく、動物たちの鳴き声や生態で状況を把握する
1匹の黒猫にフォーカスして、大洪水にのまれながらも必死必死に生き延びるすがたを、不安と緊張で煽られるも、リアルかつ綺麗な映像で綴られる
それぞれ大洪水を逃れて一艘の船に集結した動物たちが、言葉はなくとも支え合いながら窮地をしのぐ
世界中が洪水に呑み込まれたかのようなシチュエーションに、
何度となくハラハラとさせられる
偶然なのか奇跡なのか、巨大な魚に救われるような場面が何回かあった。
最後洪水が引いてのまれていた自然が戻ると、黒猫を救った巨大魚は打ち上げられたようになってしまい、弱っていくがどうすることもできない黒猫が切なかった
圧巻の映像表現
映像表現がとてつもない。多用される長回しや、猫と同じ低い視点でのカメラワーク、あえて加えられている手ブレによって臨場感が醸し出されている。水の表現もすごく巧みで、波打つときの光の屈折がすごくリアル。
世界観は思っていたよりファンタジー色が強かった。洪水の規模も半端じゃないし、鯨のような架空の生き物も登場して驚いた。特にヘビクイワシが謎の光に消えていくシーンが印象的。
主人公の黒猫が、大きな猫の像の上から水没した森を見渡し、そこで謎の巨大な生き物の神々しい姿を目にするまでのシークエンスが凄まじくて鳥肌が立った。
動物たちの知能もかなり高く、言葉はなくても感情が分かりやすく読み取れる表現になっていた。この点に関しては、自然の摂理をありのままに描くことを期待していた身としては少し肩透かしを食らった気分だが、捕食者-被食者の関係にある種の動物は登場しなかったので納得はできた。
にゃんこ終末旅行
人類が絶滅したのか動物しか出てこず、更には水に呑まれた世界を黒猫が旅をする。
本作の動物たちは言葉を発さず、彼ら同士でも意思の疎通は取れていない。
動きもかなりリアル寄りではあるが、やりすぎでないアニメ的表現でそれとなく伝わる。
リアリティラインのバランスがとても好み。
…と思ってたのだけど、中盤に鳥が操舵しだす辺りからこれが崩れだして少々残念。
ある程度やらないと話を展開しにくいのかもしれないけど、個人的には最後まで貫いてほしかった。
映像としては、光の表現が素晴らしい。
水は時折硬さを感じることもあったものの、水面の描写に関しては目を瞠るものがあった。
動物たちは毛の一本一本という方向ではないが、陰影が細かく、ワンカットの黒猫一匹に何色使われてたのやら…
動きも適度に愛らしく、黒猫の耳やゴールデンレトリバーの口元が特にお気に入り。
犬種による鳴き声や身体の大きさによる足音など、音の表現も細かかった。
話としては小舟で漂いながら、水に落ちたり壁にぶつかったり、仲間が増えたり喧嘩したりするだけ。
お気に入りを尽く奪われるキツネザルが可哀想。
死生観とかはありそうだけど、そこまでは読み取れず。
終盤の無重力描写は、鳥が召されて黒猫も危うかったってことかな?
水が急に引いたり、鹿の大群がそのまま残ってたり、設定面では疑問が残るが、映像体験としてはなかなか。
世界観は想像が膨らむと取るか説明不足と取るか…
咥えた瞬間魚が動かなくなるなど、後半にいくほど息切れも見えた。
好みの問題もあるが、やはりリアリティライン高めのまま60分程度で纏めた方が光りそう。
水もそのままでよかったかなぁ。
正に「考えるな、感じろ」
予告を初めて観た時から、この物語の終焉はどうなるのか?そればかりが気になっていました。
映像がとても綺麗で、遅いくる水の迫力に、どうする事も出来ない恐怖を感じ、その逆もあるとは思わなかった。陸が落ちる表現も圧巻でした。
動物達の声や態度でしか読み取れない旅路の果ては、正しく「考えるな、感じろ」でした。
あのラストをどう解釈するかで分かれる動物達の道のり…私はハッピーエンドが好きなので、そうであって欲しいと思います。
またじっくり鑑賞したら解釈も変わるかな?
機会があればもう一度、動物達の旅路に同行したい。
動物の鳴き声だけで90分
これを作ろうと思ったことがそもそもすごい。台詞一切なしで動物の鳴き声、効果音、音楽だけで物語を進める。
台詞に頼れないから状況を分かりやすく描写する必要がある。
かなり大規模な洪水から始まり猫が舟に乗って旅に出るのだが猫のミニマムな視点でスタートしつつ壮大な世界を描いてやろうとする意気込みがすごい。
そもそも動物同士のやり取りだけでは単調になりそうなところを次々と色々な展開を起こし飽きさせないようにしている。
これは本当にすごい。作るのは大変だったと思う。だって、そもそも猫の猫らしい動き、犬の犬らしい動き、その他動物の動きをリアルに見せつつ、かつ演技もさせつつっていうのは、リアルすぎると地味になるし、演技させすぎるとわざとらしくなるから、そこら辺の案配が大変だったと思う。
これが結構すごいと感じたのは、かなりミニマムな小規模な物語になりそうなんだけれども、かなり大きい空間を作ろうという意思があるところ。
そこがまずすごい。
冒頭から、猫の銅像がたくさんあって、猫好きの人間が飼っている猫だということが示される。猫を描いている最中の絵もあって、割と大きな家で、この家の主人は猫が好きなんだろうなというのが描写でわかる。
ただ、肝心な人間は出てこない。にも関わらず、この家の主人がとっても猫が好きなんだなということが、部屋の小物とか肖像でよく表されている。
これがまずすごい。
で、洪水が突然襲ってくるんだけれども、これも最初に鳥がたくさんの飛んでいく描写を猫が見て、その後に鹿の大群が逃げ行く光景を地上で見せる。
そうしたら、その後でとんでもない津波がドドドッと入ってきて、一旦猫が波に飲まれる。そこの音も、水中になると音を変えるというところがしっかりこだわりが感じられる。
猫は何とか水の中から抜け出して、船を見つけて、船に乗り込むんだけど、船に乗ったらそこにカピバラがいたという、出会いの描写も面白い。
その船にどんどん仲間が加わってくる。犬が入ってきたり、猿が来たり、鳥が来て、どんどん色々な動物が増えていくと。
猫が割と主に操縦してたんだけど、鳥が来たら鳥が結構しっかりリーダーとなって、声出してくれると。やっぱり空飛べるやつは一目おかれるんだろうか。
人間が住んでいた町に行くんだけれども、この町の描写も水没した町が、CMでも使われてるとこであるんだけど、すごい美しくて、かつ人間の姿は全然ない。というところにロマンを感じる。
猿が色んなものを集めるのが好きで、籠の中に人間が作ったものをどんどん入れて、特に鏡がお気に入りで、鏡で自分の姿を見て遊んでいる。
この物好きの猿が、水に浮かぶボールを持ち込み、そのボールを犬が気に入って遊ぶ。しかし、鳥が蹴っ飛ばし、船の外に落としてしまう。
ボールは流されてしまい、猿は「あああ、残念だ、ボールが行っちゃったよ」という表情をする。そこで映画館で笑いが起きた。
池袋の観客はちゃんと笑うポイントで笑ってくれるところが良い。
これ船に乗ったままどこに行くんだろうという感じだが、ちゃんとその目的地、何か高い場所を目指して進めているというのが、色んな視点の切り替えで分かるようになっている。
明らかに何かすごい高い場所があって、ちょっとあそこにむかって船進めようぜという感じでどんどん進めていくと。
この辺が。目的地だとか、特にそういうセリフがないにも関わらず、何か高い場所に向かってるなとなんとなく分かるというところがすごい。
この辺は本当に説明なしだと分かりにくくなりやすいとこなんだけど、ちゃんと分かりやすいのがすごい。
鳥が猫をかばってくれてて、猫が鳥の群れの中に誤って入ってきてちょっと攻められてて、鳥がかばってくれて。鳥と鳥の長のバトルになってる、その鳥バトルもなかなか見所。
鳥の長と喧嘩の後に負けて鳥が船に乗り込んでくれる展開なんだけれども、ここら辺のドラマの作り方、アニメーションの見せ方も面白い。
結構この鳥がいるからこそ高い視点でも物語が自然に見れている部分がある。視点が低いところ、高いところと巧みに使い分けてるのがうまい。
いよいよ後半になると、すごい、うわあ、嵐で船が揺れる、船が揺れるう!っていうのを乗り越えた先に、すごい高いところに到達すると。
猫はどんどんこの高い塔を登っていく、登っていった先、頂上で鳥が待っていて、鳥と一緒に神秘体験をするわけよね。
体が浮く、宇宙に吸い込まれるのかっていう風に体が浮いていって、鳥だけが浮いてって、どんどん空に行って空の彼方に消え、猫の方は落ちて、何だったんだこれっていうところで神秘体験が終わると。
塔が結構人工的な感じ、人間が作ったような感じに見えて、かつ、この神秘体験の後、一斉に水が引いていって洪水がおさまるという描写があるから、この高い地点が生贄を捧げる場所で、その生贄が捧げられる、生贄と鳥が生贄になってくれたから、降水が収まったのかなみたいな感じがなんとなく示される。
ちょっとそういう解釈であるかどうかはっきりとは分からないところであるんだけれども、ちょっとそういうあの、ストーリー上の仕掛けというか見せ方がある。
だいぶ水がバーッと引いていって、猫が自由に地上をはしゃげるようになって、猿も仲間を見つけて楽しそうになってたところで、船が木に引っ掛かってるよと。
木に引っ掛かってカピバラだけが船に取り残されて、ああ、カピバラ助けなきゃと。結構頑張って猿や犬、猫も加わって助けようとする展開が熱い。
途中で助けた犬どもが結構薄情で、すぐどっかに行っちゃうところがなかなか切ねえなというところではあった。
せっかく助けた犬たちは!猫も鳥に対して助けてやろうよ的な感じで、わざわざ助けたのに。餌を食うは、場所を占拠するは、なかなかだよ、せっかく助けたのにちょっと迷惑集団であったというところもなかなか考えさせられる。
ラストは、冒頭との対比。冒頭で猫が水面を見て、水面に映った自分を見ているというところから物語はスタートする。その対比で、猫がのぞく水面で水の流れ、フローが静まっていき、洪水がおさまっていくことが示される。
かつ、最初は1人だった猫が、最後には仲間の猿、犬、カピバラがいる状態で水面を見れたというところで終わる。
ここはちゃんと冒頭の猫一匹との対比になっていて、仲間ができたことが分かりやすく示されている。非常に良い、分かりやすく良い。
これは本当、ある意味実況向きというか、観客がそれぞれ、この猫はこういう風に喋ってんじゃないか、犬はこういう風に喋ってんじゃないかみたいなことを想像できるというところも良い。
各国の人が各国の言葉で、こんな感じで会話してんじゃないかと想像させるところが良い。
もちろん、猿の集団が妙に冠かぶってておしゃれじゃないか?とか、動物こんなに人間っぽい動きする?みたいな、作為的な面はある。
しかし、エンターテイメント的な面があるからこそ良いというところもあり、ここら辺のリアルとファンタジー的なところのバランスも、すごいなと思った。
こういう全くセリフがないストーリーというのは、うまくいけば本当に言葉のわからない人とか、世界各国で翻訳なしで上映できるし、それぞれの人に訴えることができるから、うまくいけばすごいんだけれども、やっぱり作るのはすごく難しくて、セリフなしで動きだけで表現するのは本当に結構大変で、そこを90分やってのけたというのは、それはアカデミー賞を取るよなという説得力を感じた。
予測不能な世界で生きる
ラトビアのアニメーション。アメリカ以外の外国アニメに触れる機会は滅多に無いので鑑賞です。
映像は完璧とは言えないけれど美しく、動物キャラクターはとても可愛いです。雰囲気としてはちょっと神秘的。異種間の意思の疎通を描いているので、動物がしゃべらないのが良かったです。
洪水で水没しつつある世界。人間たちは居なくなっており、森の一軒家にペットの幼い猫だけが残されています。更なる洪水でその家も浸水し、猫は流れてきた船に飛び移って脱出する事に。先客のカピバラに大型犬、キツネザル、ヘビクイワシが仲間に加わります。
美しい野山や公園や大都市もどんどん沈んでいき、世界はどうなっていくのか、動物たちは生き延びられるのか、不安が増していきます。その一方、魚たちは生き生きと泳ぎ回り、巨大魚も姿を現します。猫は魚を獲る事を覚え、仲間に分け与えるまでに成長します。
動物は擬人化されてはいませんがリアルでもなく、人がいた痕跡だけはあり、本作はやはり人間社会になぞらえているようです。
水中の魚たちと陸上の動物たちは、どちらかが繫栄するともう一方は生きづらくなっていくようです。上手く共存していけるように考えていかなければなりません。
猫に魚を与えようとして自分の仲間から追い出されたヘビクイワシ。同種の間でも諍いがあるけれど、異種なのに助け合ったりできるのは、希望を込めてでしょうか。
猫たちとは生きる世界が大きく違うヘビクイワシが天に召される形で退場したのが悲しかったですが、最後、(キツネザル以外は)自分の姿を見たことが無かった動物たちが、水面に映った自分の姿を見て、それぞれが互いに違う事を理解し、それでも一緒に居られると感じたように思いました。作者の意図は中々分かりにくいのですが、私はこのように感じました。
黒猫になって大冒険!だけじゃなかった
ある黒猫が住む家に飼い主はいない。
ある日、洪水が押し寄せ流れて来たボートに乗り込むと、同じように流されてきた動物たちと同乗することになる。
黒猫の目線で進む物語は、ただの冒険の話ではなかった。
人がいた気配はあっても、誰も登場しない。
どうやら度重なる洪水被害のために、人類は滅亡したようだ。
自然の風景の精細で美しい。
リアルな風景に対して、動く動物たちは絵画的、ポスターカラーで描いたような優しい感じが出ていて良かったです。
動物たちのほとんどがそれ自体の鳴き声で、セリフが一切ないため、そのまま全世界で観てもらえるのもいい。
他のメジャー系スペクタクル大作群を抑えて、本年度アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞!
当然ながら、作品の価値は、製作費や物量には比例しないことが証明されて本当に良かった。
言葉は無くとも
動物が主役ということで、全てを音と映像で語る作品。のっけから低い視点のスピード感溢れる映像に度肝を抜かれた。
登場する動物たちは人語をしゃべったり、服を着たりの擬人化こそされていないものの、ストーリーの展開上、協力し合ったり物を片付けたりなど、最低限の知的行動はとる。特に片足で帆船を自由自在に操る鳥船長には笑った。
苦難と驚きに満ちた旅が、いったい何処へ行き着くのだろうと思っていたら、最後はただ成す術なく立ちすくむ幕切れ。この結末とエンドロールのあとに流れる映像、そして旅の途中で仲間のひとりが天に召される?あのエピソードをどう解釈すべきか。
いずれにしろ明確に起承転結のあるお話ではないので、難しいことは考えず、次から次へと起こるイベントにハラハラしたり、イマジネーションに満ちた美しい映像をひたすら堪能するのがこの作品の楽しみ方なのかもしれない。
アニメーションの素晴らしい形!
なのに何故3.5なのか?
外国の映画賞のアニメ部門を取るには最高の形のアニメーション。
言葉がない。主人公の猫と仲間になる動物は猫がいないので、言葉での意思疎通が出来ない。それをアニメーション映画の中で言葉でない意思疎通をアニメの表現で描き(犬の場合ゴールデンレトリバーが仲間の犬達とはぐれて主人公の猫に助けを求めて受け入れられる事で仲良くなる。)、言葉なしでの動物同士の意思疎通をアニメの力で見せることで外国の映画賞も審査員の評価は良いだろうと観ていて思った。
同じ賞に日本からノミネートした作品は日本語で会話をして、字幕か翻訳で審査員は作品の優劣を判断しただろうから、文化の違いで分からない処は採点でマイナスを喰らうだろうから、きっと敵わないのは当たり前だったんだと思った。
だから、普通の日本での商業映画としてのアニメーション作品では作画の点数は満点の2.5点。それ以外は点数は以下の評価になる。セリフの無いシナリオの評価は1.0。声優の評価は出ていないので評価は0.0。日本アニメの映画賞なら3.5で敢闘賞くらいはあげますよ。
近隣4館のシネコンで1館しか上映していないのは日本での商業映画としてのパワーがないと判断されたからかと理解しています。
猫が助けを求めて鳴いてる様子が駄目な人は、観ない事をおすすめ
序盤から、押し寄せる水に困惑し溺れそうになって
独り助けを求めてニャンニャン鳴く猫の表現で、もう駄目
そして洪水というかほぼ津波な表現(しかもこっちへ向かってくる)があり
確かにこれは事前の注意が必要
公式サイトに想像を超えた冒険の始まりだったとか
なんとなくスカッと爽やかアドベンチャー的な事が書いてあるし
猫主役アニメ=子供向けみたいな感覚でおそらく観に来たらしき親子連れの
子供さんが終了後に「よくわからなかった」って言ってたが
大丈夫大人も良くわかってないよ
自然描写は素晴らしいけれど、メインの猫ビジュアルがなんか可愛くない
と思ったら洋猫は割とそんな顔だったので
和猫に慣れすぎた偏見だった
出てくる獣たちが、初っ端から自ら船に乗り込んだりして
賢すぎるんでないかと観ていたら、途中から舵を操りだしたので
これは外見獣みたいに見えるポ〇モンの物語だと思って観ていたが
遠くに見える祭壇みたいな高い高い岩が出て来た辺りでなんか不穏な空気を感じ
案の定その天辺まで登って行って、不可思議な重力逆転現象がおこって
あれ?これもしかして猫既に死んでる?と思い始めたのに
ヘビクイワシみたいな鳥のみが天に召された辺りで考えるのを止めました
動物同士が喋って
ないので観ようと思ったのだが、舵取りしてるとは思わなかった。
色々な要素が在るんでしょうが、大きなモノへの畏敬が感じられる。その反面、神の死的な描写も。人間の事なんでしょうね、争いが不可避だったり、自分の姿は変えられないと知ったり。
こういうのは、何が言いたいのかより自分がどう思ったか、それで終わるのが良いと思いました。にゃーんにゃーん。
鑑賞動機:にゃーん10割
まずは祝アカデミー賞受賞! Blenderでここまでできるのか。グラデーションの部分は流石にちょっと画質が荒いものの、それを補って余りある表現だと思う。セリフなしで鳴き声と環境音のみにした英断に拍手。リアリズムの範疇でつけられている(身体全体での)表情の加減が素晴らしい。写し方や視点の移動、カットの割らなさ加減好き。
犬のアホアホぶりに和む。
カピバラのマイペースぶりに和む。
鳥のデレツン?ぶりに和む。
サルの鏡に和む。
にゃーん、優勝。
圧巻の映像美、でも…
ラトビアの長編アニメーション。ディズニーやジブリのような制作費はかけられなくても、これだけのクォリティが表現できたことに驚嘆します。
洪水に襲われ人類不在となった世界。生き残った動物達の過酷なサバイバルを、黒猫の目線で描く手法も斬新で、何より動物の仕草がいちいち可愛い!あー猫ってこういう行動取るよね、のオンパレード。
ただストーリーが進むにつれ、仲間になった動物達の行動に違和感を覚えることに。
取った魚を譲ってあげる場面はまだしも、ヘビクイワシが船の舵取りをするのはどうなの?船に取り残されたカピバラを救出する際の行動も、ヒューマニズムが過ぎませんか?新参のわんこたちが通りかかった兎を追いかけた結果、救助放棄した行動の方がよほど納得しましたよ…だって動物だし。
せっかくセリフの無い、映像美溢れる世界なのに妙に人間的なモラルが入り込むことで、感情のスタンスをどこに置けばいいか困惑してしまいました。
幻想的な絵本のような物語 物欲の人間を考えさせられました
物語と関係ないですが
上映中にも関わらず、近くの席のヤンキー初老おばちゃん2人組のコソコソ話し声や終わることのない過度な感嘆リアクションが本当に邪魔でした(T_T)
上映中の過度なリアクションやヒソヒソ話は周りに迷惑と本当に理解して欲しい(T_T)
やはりいつも通り、レイトショーで人が少ない時に行った方が良かったです。
本編はダークな雰囲気も少しあるのかな?たビクビクしながら観ていましたが、人類の死体等は出てこず
可愛らしい動物達が繰り広げる冒険は絵本のようで、楽しかったです♪
特にゴールデンレトリバーやカピバラさんが可愛すぎました
キツネザルは、物を捨てられない自分と重なり、自分の醜態を客観的に観ているような複雑な気持ちになりました。
色々と謎も多かったので、これから調べていきたいと思います
グッズも色々欲しかったですが、TOHOシネマズ販売してませんでした。
想像力の無限の拡張!観る瞑想!
普段、映画を一元的に何も想像せずに観てるな〜、と実感。
この映画は、セリフもなく、答えを説明してくれないので、『この場面にはどんな意味があるんだ??』とか、終始自分で想像するしか無い。
しかし自分が普段観るようなハリウッドの娯楽映画では、台詞や画で見方を示してくれるが、想像力が入る余地など更々無くなってしまう。
本作の”想像”体験は、稀有なものとして心に深く刻まれる。
この映画には人間が出ず、動物しか出てこない。
個性的な主要キャラ、
レトリーバーもワオキツネザルもカピバラも鳥も、主役の黒猫も、人間のような仕草をするが、ディズニー映画のように喋ったりはしない。
モデリングのクオリティは、近年のハリウッド映画(それこそアバター2)と比べたら雲泥の差。
しかし、説明しない・描き切ら(れ)ないことでこんなに想像力を掻き立てられる映画が出来上がる!
特に動物達の動きとカメラワークは丁寧で、全くノイズにならなかったし、セリフのないこの映画では効果的に演出だと思う。
冒頭、黒猫が犬に追われるシーンからの洪水シーン
は圧巻。
動物より雄弁なのは情景。特に水の表現。
水面の下に見える白い花の美しいこと。
カメラが殆ど固定されず、画面の奥へ行くシーンが多いから、映画というよりオープンワールドのゲームのようにも見える。
劇中何度も水面と鏡を見るシーンがある。
世界は広がってるが、自分の中も同じように広がってる。自分を見つめろ(瞑想)、ということなのか?
しかし最後で鏡が壊れる。
自分でなく外を見ろ、とも受け取れるが、鯨クリーチャーが死んだら、皆で水面をじっと見つめてエンドになってしまう。
世界と自分も両方見つめろ、と捉えてしまったが、正直それも野暮な解釈な気もする(テーマ主義的、一元的な解釈をさせないよ、という作り手からのメッセージ?)。
正直アバター2の何倍も想像力を掻き立てられる稀有な映画。
答えがないことを楽しむ、稀有な映画体験。
黙示録な映像詩‼️
字幕上映あるかどうか心配してたんですが、心配ご無用‼️セリフは全くナシ‼️というか人間が話す言葉はナシ‼️というか人間の登場も全くナシ‼️あるのは動物たちの鳴き声のみ‼️これは万国共通ですもんね‼️大洪水により陸地が次々に水没していく中、一匹の猫がおんぼろ船で脱出。乗り合わせたカピバラ、猿、犬らの動物たちと共に、数々の危機を乗り越えていく・・・‼️世界崩壊、黙示録みたいな世界観なんですけど、やはりスペクタクル・アクションの描写が意外に迫力があります‼️大洪水により迫りくる激流から猫をはじめ、様々な動物たちが逃げ惑うシーンのスピード感‼️たどり着いた、わずかな足場が水嵩が増して徐々に無くなっていく恐怖感‼️船から激流に落ちた猫が鳥に捕まり、大空を滑空した後、船に振り落とされる飛行シーン‼️洪水の水がいきなり引き始め、樹木や陸地が次々に姿を表す一大スペクタクル‼️そして水が引き、船が木に引っかかり、落下の危険の中、次々に動物たちが脱出する手に汗握るシーン‼️アニメーションの特性を活かした躍動感溢れるシーンの数々でした‼️そしてアニメーションによる映像がこれまた素晴らしいです‼️製作に5年の歳月をかけただけあって、手描きかCGか分からないんですが、特に背景描写は実写と見間違うくらい美しかった‼️そして内容に伴い、水の描写が多いのですが、波の描写、水中の描写はアニメーションでは難しいと思うのですが、見事な出来栄えでした‼️特に、揺らいだ猫の顔が映し出される水面の描写や、水滴とともに猫の体が浮かび上がる幻想的なシーンなどの美しさは、まさしく映像詩‼️タルコフスキー監督の作品を思い出しました‼️そして人間が一切登場せず、動物たちによるサイレント映画のような作風も、映像詩に拍車をかけてると思います‼️ただ作品のテーマとしては、大洪水による危機を船で必死にサバイバルする動物たちの友情物語‼️ラスト、様々な困難を力を合わせて乗り切った猫、カピバラ、猿、犬の4ショットに胸がアツくなりました‼️
圧倒的な映像美と音楽
今年度の米国アカデミー長編アニメーション賞受賞作品ということで観に行ってきました。
圧倒的な映像美と雄大な音楽。主人公の黒猫他、登場する動物達のリアルな動き、CGなんだろうけれど、迫ってくる水の迫力、木や葉っぱの動きは凄かった。
人間の文化は残っているけれど、人は全く出てこない。どんどん水位が上昇するために、登場する動物たちは人間の文明の遺物(帆船や遺跡)等を使って生き延びていく。
主人公の黒猫がカピバラさんが乗ってきた船に救われて、犬やキツネザル、白い大きな鳥などが次々に仲間に加わっていく....
って感じなんだけど、正直、ストーリーが全く面白くない。
何故水位が何千メートルも上昇したのか、ラストで唐突に水が一気に無くなるのか、理由がわからないから緊迫感も出ない。
映像は主人公の黒猫を俯瞰で追い続けており、登場するキャラクターの動きが本物の動物らし過ぎて、仲間同士のやり取りも動物同士のやり取りそのもので(ものすごくリアル)感情移入が全くできない。
圧倒的な映像美も長時間観ていると飽きてくる。途中眠くなってきました。
後、CGがリアルすぎて、登場する動物たちがある程度デフォルメされているからアニメーションなんだろうけれど、動物にリアル感を出したら実写版と変わらなくなるんじゃないかなんて思ってしまい、アニメーションっていったい何だろうかと改めて考えさせられる作品でした。(事実、リアルなライオンのCGは実写版ライオンキングと呼ばれてますしね。)
黒猫ちゃんが可愛い🩷
舞台は自然災害か何かで人類が居なくなった世界なのでしょうか?
大自然がとても綺麗な森の中を散策する1匹の黒猫ちゃん🐈⬛
黒猫ちゃんの飼い主だったと思われる人間の家のお気に入りの場所の陽の光が入るベッドの上で寛ぐ姿は猫好きな私には可愛くて堪らない♡
台詞なんてなくても猫の鳴き声、表情だけで気持ちがよく分かります
謎の大津波が襲い大洪水の世界に巻き込まれる黒猫ちゃんがどうなるのかドキドキしました。
ファンタジー映画だと何か奇跡が起きるのでしょうけど流れてきた船に飛び乗るとカピバラ?元々チラシの絵でカピバラがいるのは分かっていたけど出会うシーンに何故か笑ってしまいました。
またカピバラの表情も可愛くて良かった。
その後、犬、猿、鳥も仲間になるが『桃太郎か?』と何処の国でもお決まりの動物なんだなぁと子供染みたことを思い笑ってしまった。
カピバラと犬の鼻チューはホッコリしたけどファンタジー映画ではないので言葉の通じない動物たちは最初は(特に猫)警戒心あるけど生き抜くために力を合わせて助け合い、協力して苦難を乗り越える人類へのメッセージ映画です。
私が好きなシーンは猫と鳥との関係性。
怪我を負ってまで仲間から守った鳥に猫はやがて心を開きく。船から飛び去った鳥の後を追って高い岩を登る。鳥だけが星空の渦に吸い込まれて消えいく神秘的なシーンでは恐らく天に召されたのだろうと思うと涙が出ました。
最も感動したのはラストシーン。
ヒレの形が特徴的だけど多分クジラだと思うそのクジラが水が引いた大地に打ち上げられた瀕死の状態に。かつて命を助けられた猫は喉を鳴らして寄りそう。そしてラスト猫、カピバラ、猿、犬は水を眺めるシーンに胸が熱くなるほど感動しました。
オープニングでも1匹で水を眺めてるシーンがあったけどラストは仲間と共に…これからのことを考えると涙が止まらなかったです
台詞が無いので各々の気持ちなんて分からないけど動物達の表情や仕草でまるで会話が聞こえてくるようだし物語の解釈を自由に想像できる楽しさがとても良い作品です
さすがに文部科学省選定作品だけあり、この作品を観てそれぞれの感想が読めそうです
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