「映像と雰囲気はわるくはない」Flow クロイワツクツクさんの映画レビュー(感想・評価)
映像と雰囲気はわるくはない
ラトビアの映画なんて劇場で見るのは初めてかもしれない。まあ、らしさ、みたいなものは感じなかったというか、私には分からないが。
『アウェイ』という前作はネットで見たが、昔のミストとかの洋物ゲーム風な映像と雰囲気で、ちょっと観念的な世界観だった。この映画でもそれは同じで、昇天した鳥とか、『幼年期の終わり』か、という印象。人が居ないのは、あの遺跡みたいなところから、皆昇天してしまったからなのか、とそんなことを思った。やたらと知性に溢れた鳥は、遺跡に呼ばれて昇天でもしたのか。そんな描写は無かったが。
擬人化までされてはいないが、動物物の映画に多い、やたらと訓練された賢い動物、という感じではある。監督は猫好きで犬嫌いなのか、犬だけはお頭が悪いというか、それなりの描写だった。
映像はきれいだが、最近のゲームムービーと比較してもさほど優れているということもない。『野生の島のロズ』とかを見てしまった後だと、特段優れているという風にも見えない。
あまりお金がかかっていないとか、独りで作ったとか、数人のメンバーで頑張った、的な映画が時々出てくるが、商業作品として劇場で上映するのだから、見る側としてはそんな作り手の事情に情けをかけてくれる人ばかりでもないだろう。面白ければいいのだけれど。
アカデミー賞を取ってしまったので、ちょっと身構えてしまったところもあった。上振れるか下振れるのか、見終わった後だと、まあ、こんなもんなのかな、という印象。
世界ネコ歩きとかを見ていられる猫好きなら楽しめる映画なのかもしれない。私は猫好きではないので、こんな評価。