「少し船酔い」Flow ihatakaeightさんの映画レビュー(感想・評価)
少し船酔い
大洪水に吞み込まれていく世界で一匹の黒猫の旅を描いたアニメーション映画。
鑑賞中はカッコをつけ、あれやこれやと考えながら観て、鑑賞後もモヤモヤが解けなかったが、ギンツ・ジルバロディス監督がインタビューで「昔、猫や犬は飼っていたんだよね~」と聞き、猫好きにしか伝わらない同調性を感じ、シンプルに考える事にした。
映画の特筆すべきは目線。いわゆる神目線で、絶妙な視点の移動が現実性と幻想性を高めている。ただ、この神様ちょっと落ち着きがないのか、結構ゆらゆらしていた。おかげさまで鑑賞後、少し船酔いを感じてしまった。
映像は美麗で雰囲気もよい。特に大洪水の緊迫感、水中と水面の往来などは秀逸だ。
どうも私のような大人目線では、あの世界観と動物達の友情に、カッコをつけた考察が入ってしまいそうだ。ここは、子供たち目線の純粋な映画感想文を読んで楽しむのが面白そうだ。どこかで読める機会があればいいな。
上質な画像と音楽、可愛い動物たち、シンプルな展開、子供から大人まで楽しめるアニメーションです。親子で観に行かれたのなら、あとで感想を語り合うのもいいと思います!
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かばこさんのコメント
2025年5月27日
神目線がゆらゆらしている、はお見事な表現です。
確かに目線が一貫していない気がしました。
特に、あの子猫をかばって翼を怪我した孤高の鳥が天に召されるところ、妙にファンタジックでほかの場面から浮いている気がしました。もし監督があの鳥が天に召されたことで洪水が止まった、という意図を持っていたとしたら、止めたほうがよかったのにと思いました。
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