劇場公開日 2025年3月14日

「アニメーションってやっぱり難しい。。」Flow TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0アニメーションってやっぱり難しい。。

2025年3月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

第97回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した本作。オンラインチケット発売開始に出遅れ、12日の朝にアクセスしたところTOHOシネマズ日比谷は既に3割程度が埋まっていて好みのシートも売約済み。やむを得ず第2候補のTOHOシネマズ日本橋に切り替えて参戦です。公開初日9時15分からの回は思ったより空いていました。
本作、動物(アニメーション)映画であり人間は一切登場しません。ただし、建造物や家具、道具など生活の痕跡は残されており、或いは既に滅び去った世界観なのかもしれません。そして物語中に起こる自然現象から想像するに、気候変動によって地球の環境が大きく変わってしまっている状況なのかと思われます。(相変わらず、殆ど情報がないままに鑑賞、そしてレビューを書いているため間違っていたらすみません。)
登場するのは1匹の猫とその他数種類の生き物たち。絵柄は可愛らしく、けしてフォトリアルと言うわけではありませんが、それぞれ特徴を押さえた動きや仕草と、それに合わせた身体の陰影の付け方を見れば、正に「其の物」に見えて違和感がありません。そして、擬人化は物語を推進させるための最低限なものに抑え、勿論「人間の言葉」も話しませんし名前もありません。
森を散策する1匹の猫。野生感はなく、住み家も(その姿こそ見えませんが)飼い主だったと思われる人間の家(お気に入りは陽の光が入るベッドの上)。物語の進捗に合わせいろいろな生き物と相対しますが、話の通じない相手に対し常に警戒感は忘れません。ところが突然、周辺を襲う未曽有の洪水に逃げ場を失い、目の前に現れた帆船に命辛々乗り込むとそこには既に先客が。その後、徐々に同乗者は増えていき、始めこそお互いを相容れようとしませんが、いろいろなことを乗り越えていくうちにいつしか共存共栄していきます。猫、カピバラ、キツネザル、犬そしてヘビクイワシとメンバー選びもポイント。お互いに捕食・被食の関係性はないため、サバイブするために協力し合う様子にも取り敢えず矛盾は生じません。
とは言うものの、ストーリーとしては当然ファンタジー性が強く、特に終盤に起こる現象については正直、どういうことなのか解釈が追いつかなかった私。鑑賞後に本作のモチーフであろう『ノアの箱舟』についてWikipediaで確認してみましたが、腑に落ちたというには程遠く。。兎も角、現代の気候変動の原因であろう「人間の所業」に、神さまは相当お怒りなのでしょう。
と言うことで、語られるストーリー以上にメッセージ性が高いと感じられる本作。アニメーションってやっぱり難しい。。参りました。

TWDera