「洪水によって陸地が水で覆われてしまい。逃げる途中で小舟に乗った動物たちが共同で生活していく姿を描いた作品。淡々とした展開の中に哲学的メッセージが込められているようです。」Flow もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
洪水によって陸地が水で覆われてしまい。逃げる途中で小舟に乗った動物たちが共同で生活していく姿を描いた作品。淡々とした展開の中に哲学的メッセージが込められているようです。
今年のアカデミー賞受賞作品の一覧を眺めていて、作品賞
のアノーラが多くのタイトルを取ったなぁ と思った中、
他の賞、例えばアニメーションはどんな作品だったんだろう
と気になりまして。 ・_・ハイ
「 Flow 」 …うん。知らない(不勉強です…・_・;;)
ラトビア(他2つの国)制作のアニメとの事。
この国制作の作品鑑賞は、恐らく実写含めて初めてかも。
色々な賞を既に取っているようです。(不勉強で…以下略)
これは観ておかねば、という訳で鑑賞です。
鑑賞終了
何とも不思議な味わいの作品でした。 ・o・
登場するのは動物だけ。擬人化して人の言葉を話し出すしかも
ありません。ワンワンニャーニャーが響きわたります。
ストーリーといいますか…
は、有るような無いような。そんな内容です。@_@ ;
突然の洪水に慌てふためき、逃げる動物たち。
逃げる先でも次第に足元が水に浸っていく。
人の気配の無い家の中にいたクロネコ。
元は飼い主の家だったのだろうが、姿は見えない。
家から外に出てきたクロネコ。
周囲が水に浸かり始め、次第に立つ場所が無くなっていく。
目の前に小舟が流れてきた。
間一髪で小舟舟に飛び移るクロネコ。 セーフ。 ほっ。
小舟には先客が。
大きなネズミ? いや、カピパラか。
自分より大きな姿にビビリながら必死に威嚇。フーッ
カピパラは突然のクロネコの侵入にも動じない。
なんとなく、そのまま二匹を乗せて流れていく。
流れていく先々で、他の動物たちとの出会いが。
イヌ。他に数頭と一緒だったが、白い犬が残った。
サル。鏡やカップなど、綺麗なものを集めていた。
トリ。仲間のトリ達は空から小動物を狙っていた。
皆の乗った舟は、世界中を流されていくようだった。
山岳地帯の仏塔。チベット?
風車のある風景。オランダ?
運河の中を進む。ベネチア?
果たして流れて行く小舟に、辿り着く先はあるのか。
と、行く末を見届けることになります。
そんな感じのお話でした。 ・△・ハイ
◇
登場する動物は人間の言葉を話さない と、冒頭でも
そう書いた通りなのですが、動物の間で会話が成立している
のが分かるのがすごいと感じました。
セリフは無く、犬の吠える声とか猫の鳴き声とかしかセリフ?
がないのに、会話が成立しているように聞こえてくるのです。
それというのもきっと、動物の良くある行動パターンを上手く
取り入れていたからかなという気がします。
# 興奮状態の犬のグルグル回転 とか ワンワン
# 警戒モードでのネコのイカ耳 とか ナー
声の外にも、動物たちの表情描写も良く描けているように
感じられました。
水に潜って魚を捕まえるネコがいるのかは ? ですが…@▽@
(一般的にはネコは水が嫌いではないかと)
◇
全体的に、しっかり画面をみていないと展開が分からなくなる
感じがあったのと、セリフが無いため観る方の集中が ふっ と
途切れてしまいそうな時間もあったように感じました。
(途中意識が飛んだ時間があるような…)
ただ、水の表現(水上も水中も)がとても綺麗です。
基本的にはゆったりとした気分で、動物たちと一緒に楽しく
漂流できたような気もします。(…本当か?)
アカデミー賞受賞作品として、一見の勝ちはあったかな? と
感じられる作品だとは思います。・_・ハイ
まあ、観て良かった。
★津波をイメージさせる映像で始まります。
苦手な方、その点にはご注意下さいませ。
◇あれこれ
映像から他の作品を連想したり、似ているかもと思ったキャラが
いくつか出てきたような。
■動物のデザイン
・クロネコ(ジジ? 「魔女の宅急便」)
・サル(アメディオ…にしては大きすぎ?「母をたずねて」)
・イヌ(ジョリィ? 「名犬ジョリィ」)
・トリ(アオサギ? 「 君たちはどう生きるか」)
■他の作品や場面を連想
・未来少年コナン (残され島から手作りイカダでの旅立ち)
・火の鳥 (手塚治虫 宇宙観・無情観)
・銀河鉄道の夜 (宮沢賢治 死生観)
・伝説巨神イデオン(みんな星になってしまえ の劇場版)
■込められていると感じた哲学的思考
・ノアの方舟 (ヒトが乗ってないことだけが違うかも)
・滅びと再生 (宗教観が入っているような気も…)
・共存と対立 (今の世相を反映しているのでしょうか)
などなど。
色々なことを考えさせる作品だった気がします。
その点でアカデミー賞にふさわしいかも・-・
◇最後に
この作品の始まる前の時点で、ヒトは滅んでしまったのかと
思わせる描写が、漂流中の至る所に出てきました。 ・△・;
洪水を生き延びた動物の中でも、二種類に別れていました。
目先の物事しか考えられない自己中心な者
回りの事を考え自分を変える事の出来る者
この作品が意図するものに「黙示録」のような意味合いが
あるのであれば、最後に残った4匹を中心とした新しい世界
が始まるのかなぁ と、
鑑賞後にそんな事を考えてしまう自分がいます。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
もりのいぶきさま
共感ありがとうございます🙂
ラトビアを含むバルト三国は、ロシア帝国・ソ連・ナチスドイツ・再びソ連に占領された歴史を持つ国。ソ連時代のIT特区で、マイナンバーカード先進国。
国土が他国に侵略された場合を想定して、国民のビッグデータを複数の第三国に保管、国民全員が他国に避難しても国家を維持できることを目的にしている。
日本のマイナンバーカード導入時に聞いた話を、ふと思い出しました。
共感ありがとうございます。
アニメでなければ難しい表現、という部分での評価が高い気がしてます。
舵取りは複雑な所ですが、動物たちは人間の事、洪水や怪魚鯨は神的な抗い得ないモノなのかと思っています。



