くまをまつのレビュー・感想・評価
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熊の正体
本当に様々なことが心に浮かんだが全ては書ききれないので一部だけ。
ややこは元カノに「分かって欲しくなんかない」とやんわり突き放される。物事や人間のごく一部を切り取って全てを分かったような気になるのも、「分かる」ことでその対象を得たと思い込むのもお断り、さらに一部を切り取る事で相手が傷つくことにも気づけ!という訳だ。タカシや曽祖父についていくら書こうがややこのモノにはならない。
ミラーの件を告白しようとした時に「後にして」と優先順位を下げたうえ不正直をなじることでややこは半ば無意識にタカシを子供扱いし、傷つける。その後夕焼け空に向かって手を繋いで歩くシーンで、タカシを子供扱いしないとややこが心に決めたように見える。「子供扱い」もまた、相手についてわかったように気になっていることの結果なのだ。
平野鈴のユニセックス的な佇まいは、当て書きかと思えるほど役にハマっているし、タカシ役の渋谷いる太は凄い才能だと思う。
少年の夏休み映画、ではない
奪う側と差し出す側
謎めいたタイトルに惹かれて鑑賞したが、残念ながら自分にはハマらなかった。
基本的に、登場人物の情緒や行動が理解できない。
導入ではややこを苦手に感じてそうな雰囲気だったのに、下の名前を呼び捨てるタカシ。
姉の子を預かっておいて、洗濯物干しを任せるだけでなく完全に放置してしまうややこ。
報酬はなく、過去のしがらみもあるのに片道2時間かけて朗読に来るとも。
「踏み込むな」の次の登場で「いつでも戻ってこい」と言う幸雄。
というかなんで爺ちゃんの家の隣人とそんな親しいの?
ややこの実家からは「電車を何本も乗り継いで」来るような距離のハズでは。
話としても中盤がかなり退屈。
現実の過去と脚本の中と夢と幻想と…それらの区別が曖昧で、それがそこまで効果的にも感じない。
罪悪感はありそうだったが、許可なく他人をモデルに脚本を書くややこは不快。
(しかも恋人には絶対バレるだろうに)
タカシがミラーを壊した件も衝突のキッカケにすぎず、わざわざタカシを落とさなくても出来たでしょ。
しかもすぐに何事もなく会話するし。
尚美が出たあたりからは少し面白くなったし、かなり綺麗なカットもいくつもあった。
祖父の記憶とかともの本名とか、面白くなりそうな要素はあるけど、上手く纏まってない印象。
女の子の存在意義もよく分からなかった。
料理の感想を訊かれて「大丈夫」と答えるタカシには笑った。
キリンは着てたけどね
石川県の田舎の村にある死んだ祖父の家で暮らし始めた脚本家のややこと、母親が海外出張の間の2週間そこに預けられた甥っ子タカシの話。
ややこがその家で暮らし始めて約2ヶ月後、タカシが預けられて始まっていく。
祖父の日記を引っ張り出して、そこに書かれていることを調べつつ、それをネタに映画の脚本を執筆したり、タカシを脚本の中に登場させたり、不思議なユメや70年前の秘密を交えつつ、タカシとややこの関係の変化と機微をみせていく物語で、面白かったのは主に朗読される脚本という…。
隣人の踏み込むなーもトモの謝るなーもお前が話しの流れ作ったんだろうがと違和感バリバリだったし、過去の恋愛からの流れは正直どーでも良かったし、本編とファンタジーの展開とまとまりはイマイチだったかな。
私はもう思い出せないことばっかりだ
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