「家族でこれからを考えるきっかけになった」どうすればよかったか? けっけさんの映画レビュー(感想・評価)
家族でこれからを考えるきっかけになった
間違った大人の判断によって、本来は戯ける一面もあった個性を閉ざされ、多くの時間を悶々と過ごすことになってしまったお姉さんのことを想像すると涙が止まりませんでした。どうしようもない状況に陥っていることに腹立たしく、社会は家族任せなのかと疑問に思いました。
お母さんは途中でポロッと“私たち親の責任だ”と言ってた時もありましたが、基本的には最後まで自分たちの間違いを認めず責任転嫁する姿勢であったことに衝撃を受けました。
しかし同時に他人事じゃないなとも思いました。社会の理解が広がってきている今の時代とは違い、分裂病の人が家族にいると周りから変な目で見られてしまい、それを避けようと娘を隠そうとしてしまうことは同じ人間なのでなんとなくわかります。ただ、大切な人の心身の健康が1番だし、それよりも大事なものが変なプライドとか見栄とかになってることに異常な状況であると危機感を抱きました。
また、お姉さんが神経質だったと聞きました。それもあり、医師を目指せという両親の無言の圧力を聞き入れてしまったのでは、医学部に進んだ後もストレスを抱え続けたまま親の期待に応えようとしてたのでは、と推測します。私も似たような性質を持っているので、他人事じゃないですし、これから私が発症する可能性も少なくありません。私には関係ないと考えを止めるのではなく、私もなるかもしれない、周りの人もなるかもしれない、その時にまずは恥じないで認めて適切な対応ができるように準備したいと思いました。
家族で考えるきっかけを与えてくださった、映画に携わった方々に感謝致します。
コメントする