「4人の"統合失調症"という家族の物語」どうすればよかったか? YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)
4人の"統合失調症"という家族の物語
還暦祝いの赤い服を着たチラシ写真が気になって、本作を観ました。
監督自身は自分の事をあまり語らず、逆に いろいろと権威付けや肩書をも重要視する姿勢は、
研究医である父と、薬剤研究者である母と、入試・国家試験で挫折をした姉とみな同じで
4人は、紙一重でまったく同じ性格であると感じました。
すなわち この映画は 統合失調症である姉ひとりの長期間の記録映画ではなく、家族4人の記録映画でもありました。
また、同じ北海道ススキノホテル殺人事件であった「田村親子被告」とも、共通点があるとも思いました。
統合失調症(旧 精神分裂症)は、100人にひとり発症する"よくある病"だそうですが、
統合失調症というオブラートに包んだ名称にしてしまっている故
当事者家族でさえ、病に向き合う事に対して、思考停止になり
解決に向けての姿勢が出来なくなってしまっているのではないかと危惧しました。
僕もこの種の病症では、西洋医学的対処療法では、治癒は不可能だと個人的には考えており、
姉は、薬漬けになり 閉鎖病棟に閉じ込められてしまう方向に落ちていく事を想像しましたが、
3か月間入院して、薬剤療法の結果は予想外であり、澄み切った変貌ぶりは、たいへん驚きました。
この映画を観て、痛いリアルな現実を感じたのならば、ドキュメント作としては、リアル感が半端ない衝撃作「監督失格(2011年)」を観る事を勧めます。
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