「貴重な記録だが…」どうすればよかったか? monoさんの映画レビュー(感想・評価)
貴重な記録だが…
弟さんと同じ思いで最後まで観ていた。自分自身、わりと家族であろうと淡白なので、すぐにでも医療の力を借りに動くと思うし、それをしない両親が正直理解できなかった。優秀だった娘の面影と、自分たちのプライド、社会の偏見、恥、愛…こればかりは断片的な言葉としては出てくるけど、実際のところはよく分からない。母親の存在は特にお姉さんにとって苦痛だったのでは。母親亡き後のお姉さんの穏やかさ(これは入院と薬の影響が大きいかもしれないが)に、そう思わずにはいられなかった。
弟さんも、記録をすることで向き合えた部分もあるのだろうか。両親の判断が一向に変わらないなか、弟さんが何らかの形でお姉さんを医者に連れて行くことはできなかったのだろうか。あくまで親の意思が変わるまで説得し続けることにこだわったのだろうか。それほどまでにあの両親の壁は大きかったのだろうか。とまあ他人が言うのは簡単だけど、実際はそうもいかないんだろうね。
弟さんは最終的にこの映像を公開する許可は長生きしている父親のみに取っているけど、ドキュメンタリーの中でもかなり強烈な印象を残した亡き母やお姉さんはどうなんだろう…と観ておきながらふと思った。
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