「勇気とは何か」どうすればよかったか? SOさんの映画レビュー(感想・評価)
勇気とは何か
勇気とは、自らの過ちや認めたくない事実に向き合う力だと私は思う。自分が悪いと分かっているけどなかなか謝る事ができない時や、誤った方向に進んでいると気付いていてもやめられない時。そんな時は勇気が足りていないのだ。
この映画の「どうすればよかったか?」という問い。「誰も悪くない」とか「人それぞれ」とか「誰にも分からない」とか、曖昧な回答に終始するつもりはなくはっきりとこう答えたい。勇気を持って病気である事を認め、すみやかに治療という次のステップに進めばよかったのである。
結局25年間苦しみ抜いた挙句やっと現実に目を向けるや否や、たった3ヶ月で事態は好転した。認め難い現実が現れた時こそ、未来を良い形にするために今苦しみを受け入れる勇気を持たなければならない。
宇都宮病院事件をはじめとした精神科入院病棟での悪質な管理体制にメスが入った後の話なのでその可能性は大いにあると思われます。ただ治療が必要である事もまた事実で、その点は通院からでも治療をおこなっていればよかったと両親も後悔しているのではないでしょうか。結局「問題ないと言われた」というのが両親の嘘かどうか判明しませんが、現実と向き合えないままズルズルと歳月を重ねた結果だと思います。
お姉さんの発症当時は精神科で死亡事故が多発していた頃なので、父親は医師てあるだけにその実情を知っていた可能性があります。ただ、責任を擦り合う親でなければ、お姉さんは回復していたかもとは思いました。
その後、医療に進歩があり、お姉さんが受診したタイミングと、病院、医師が合っていたように思います。
薬だけではなく、病院では多様な関係を経験できて現実感を取り戻したた事もよかったのだろうと思います。