劇場公開日 2024年12月7日

「統合失調症の姉を父母が有効な治療を受けさせずに監禁していた話、と聞...」どうすればよかったか? Noriさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0統合失調症の姉を父母が有効な治療を受けさせずに監禁していた話、と聞...

2024年12月19日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

統合失調症の姉を父母が有効な治療を受けさせずに監禁していた話、と聞き鑑賞。

確かに玄関に南京錠はかかっていたが、他の窓から出られる環境下にあり、監禁にはあたらない。外出しようと思えば容易に外出できる状況にあった。
有効な治療を受けさせず、姉にとってイタズラに時が流れていったのは確か。ある程度知識があって、平均以上の知能を有していても、自身に不都合な真実を直視し受け入れるって難しいことなのだな、と思う。もしくは、頭が良くても正しい判断ができるとは限らない、ということなのかも。

薬物療法でコントロールされた状態であれば、現代社会のルールの枠内で生きるという選択肢もあったかもな、と思う。一方で、枠からはみ出した人間をそのまま許容する度量は我々の社会にあまりないんだよな、とも。実際隣に絶叫する人が住んでいたら引っ越すな、私は。
また、姉は両親の庇護下ではあっても日常生活は送れており家族との生活を享受できていた。幸不幸ってどこで判断するのか、とも思った。

本作の姉よりももっと深刻な病状の人は多くいて。その人たちの多くは世の本流からは遠く離れた場所で生きている。この作品の更に奥にある現実、彼ら彼女らの現状にも、光が当たればよいなと思う。

Nori