劇場公開日 2024年12月13日

「ジリジリ・イライラからのハラハラ・ドキドキ」市民捜査官ドッキ TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ジリジリ・イライラからのハラハラ・ドキドキ

2024年12月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

さて、2024年も大詰め。(恐らく?)本年最後の劇場鑑賞作品は「みんな大好き、ラ・ミラン」が主演のこちら。公開2週目の会員サービスデイ、シネマート新宿の9時40分の回はそれなりの客入りです。
韓国で実際にあった事件をモチーフに作られたフィクション、と言うことですが、今回も前情報なく観始めた私。それでも、すぐに状況を理解できる序盤の展開はとっつきやすくて期待が膨らみます。そこからしばらくはジリジリ・イライラが続くために観ていてしんどくはありますが、中盤にある「劇的な事柄」をきっかけに舞台を移す後半戦は一転してハラハラ・ドキドキで、前半の我慢からの反動もあって最後の最後まで熱く、そして夢中になります。
内容、構成、演出どこをとってもレベルの高さを感じる本作の監督、脚本を務めるパク・ヨンジュ(Park Yong-ju /박영주)の巧さが光ります。女性監督のようですが、バイオレントシーンは「レイティングG」の範囲で十分に怖さや痛さを感じられ、そこは流石の韓国映画。ちなみに、日本で観られるパク監督の長編作品は恐らく本作が初で、またあまり日本語の資料も見つからず、日本語表記もFilmarksでは「パク・ユンジュ」とサイトごとにユレありますのでご注意を。
そして、今作でも裏切らないラ・ミラン。今回は主演と言うこともあり、終始大きな声で縦横無尽に駆け回るドッキにクラクラしますが、そんな彼女をフォローしながらコメディリリーフの役割も担う相棒ボンリム(ヨム・ヘラン)、スクジャ(チャン・ユンジェ)、エリム(アン・ウンジン)がチームとなることでアゲ要素が高まって最高。パク刑事(パク・ビョンウン)との電話越しの掛合いは思わず声を出して笑いそうになります。
日本でも毎日のように話題となる組織犯罪と闇バイト。テレビのワイドショーでなど観るより具体的で生々しく、犯罪に巻き込まれないための注意喚起としてはより効果的。「世の中、上手い話なんてない」なんて達観したふりしている場合じゃありません。エンタメとしてもとても優れていますので、興味があれば是非。

TWDera