劇場公開日 2025年3月20日

「「罰は罪の大きさを越えてはならない」」白雪姫 おけんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「罰は罪の大きさを越えてはならない」

2025年3月26日
iPhoneアプリから投稿

ディズニー初の長編アニメ『白雪姫』を実写化したミュージカル映画。
原作はほぼ覚えてないくらい幼少期に触れただけなので、ほぼ初見のつもりで観た。批判的なコメントが多かったから身構えていたけど、意外と普通に楽しめた。ただ、ちょっと気になるところも…。

たぶん、原作に思い入れが強い人ほど、改変された部分に違和感を覚えるのかもしれない。

個人的に好きだったのは、最初と最後に出てくる絵本のアートワーク。エンドロールもそのまま同じテイストで作られていて、ついつい細部まで見入ってしまった。あの絵本、もし売ってたらそのまま買いたいレベル。

ストーリーは割とサクサク運んでいく印象。ラストは「これどうやって解決するんだろ?」と思ってたけど、ちゃんと白雪姫らしい形で着地してとても良かった。

ただ、ところどころで白雪姫の行動に少し違和感も。洗濯物を床に投げつけるシーンとか、ちょっと憎しみを込めた顔で勇ましく歌う場面とか「雪のように純粋な心を持ち、優しさに満ち溢れたプリンセス」とされる今作の白雪姫のキャラとは少しズレてるように感じた。

映像はさすがディズニー。CGも美術も一級品で、お城や鏡、宝石、衣装など、煌びやかなアイテムのクオリティがすごく高かった。動物の描写もリアルで、クオリティ面ではやはりトップクラス。
ハイホーの歌唱シーンは特に気合を感じられて、このワンシーンがひとつの映像作品として素晴らしかった。

ただ、他の歌唱シーンにはちょっともったいなさを感じる部分も。
特に白雪姫やジョナサンの歌唱シーン。寄りの画角ばかりが続いてしまって、どこか窮屈。キャストが伸びやかに歌っている場面や、ストリングスが盛り上がるパートでも、ずっと顔のアップ。カメラの動きも少なくて、あまりダイナミックさがなかった。引きの俯瞰カットがもう少しあれば、より迫力のある映像になった気がする。もしかすると、セットのスケール感やCG予算の関係だったのかもしれないけど…(決めつけはできないけど)。

印象に残ったセリフは、「罰は罪の大きさを越えてはならない」という白雪姫の一言。これは今の時代にこそ広まってほしい考え方だなと感じた。

あと、TOHOの宝石がトロッコに入ったポップコーンバケットのデザインが最高すぎて、めちゃくちゃ欲しくなった…。

おけん
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