「なるほど これはヒドイ」白雪姫 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
なるほど これはヒドイ
クランクイン当日までストーリー詰めてたのかなって感じなんだよね。
「あれが、こうして、こうなって……って、なんかうまくいかないな」「それは、ここで、こういう気持ちに変わったってことにすれば」「もう、それでいくか、適当にシーン入れといて」「脚本家いませんけど!」「お前が書いとけよ」って感じのシーンが多いの。
ディズニーは「お姫様は王子様に救われて幸せになりました」っていう話が「男性依存だ!」みたいに批判されて、そこを徹底的に自己批判にいってるんだよね。逆方向に振ったさいの常で振りすぎちゃうの。それで、この話も、なんだか良く分かんなくなってるね。
ディズニー映画オープニングで企業ロゴ出すときに、いまはシンデレラ城の後ろ側にある街の描写から始まるんだよね。そこから表に回って「どうだ、ディズニーロゴ!」ってやるんだけど、ダサいの。っていうか、なんかダサく感じちゃうんだよね。
「ババーン、ディズニー!」ってやられちゃうと「なんか『堕ちた英雄』感あるな」って感じになっちゃうの。
ディズニーに勢いがないんだよね。スター・ウォーズもマーベルもディズニーになったらしょぼくなったみたいな感じあるし。
それでWhite Snowの本を開くところから始まるんだけど、この演出もさ、ダサいよ。
そしてオープニングになってミュージカルになるんだけど、これは、確実に、本当にダサいよ。なんでミュージカルにしたんだろう。
それでガル・ガドットやってきて、白雪姫を召使いにして、それから鏡が適当なこと言うから「森の中で殺せ」っていうの。
そこで白雪姫がなんかやるんだよね。森に連れてって殺そうとしてた人が、それに感動して「お前は良い子だな」って逃がしちゃうんだよ。なんで感動するんだったけな。
ここもね「これで感動します」「感動しました」「白雪姫を逃がします」「そうですね」って感じなの。お約束だから逃がすよって感じで。
それから反乱軍と仲良くなったりして、なんか毒リンゴ食べて眠りにつくんだよね。
そのまえにガル・ガドットが「眠りをさますのは愛する人のキスだけ」ってネタバラシしてくれるんだけど、この作品の対象年齢何歳だっけ。なんか分かりやすすぎるネタバラシだな。
「白雪姫しんじゃった」「愛する人が冷たくなった体にキスするだけって可哀想すぎる」「蘇った! なんと!」ってやるために、伏せとくんじゃないの。
そして眠りを覚ますのが王子様だったら「またディズニー!」って揶揄されちゃうから、反乱軍のリーダーがキスするんだよね。レイア姫とハン・ソロだよ。さすがスター・ウォーズを傘下におさめただけある。
そして白雪姫は「私が国を率いる時が来た!」ってたちあがるの。誰かに守られる女じゃない。自分が国を率いるんだってことだね。
それで白雪姫は何をするかと言うと、独り街に現れるのね。当然、ガル・ガドットは「捕まえろ」ってことで捕まるんだけど。
しかし、ここで、白雪姫は力を発揮する。白雪姫は街の人を全員覚えていたのだ!
白雪姫に覚えてもらっていた人たちは感動して「白雪姫に付いていきます」と寝返り、ガル・ガドットは負けました。
すごいね。「わたしあなたを知ってるわ」「ガル・ガドット裏切ります」って簡単すぎるよ。
一応、伏線じゃないけど「お父さん、お母さんが、人の名前を覚えるのは、その人のことを大事にする第一歩だ」って言ってたから、白雪姫は人の名前をちゃんと覚えてるってシーンもあったな。だからいいじゃん。唐突じゃないしってことか。
花火も打ち上がって祝宴となり、これからは反乱軍のリーダーと結ばれて国を率いてくんだろうな。反乱軍のリーダーは王様になって嬉しいかな。先行き不安。
ディズニーの徹底的な自己批判が悪い方に出て、なんかおかしくなってるんだよね。
白雪姫は、王子様に救われるっていう徹底したファンタジーだから、それはそれとして生かしておけばいいんじゃないかな。無理にリメイクいるんだろうか。
ディズニーがもつ大切な資産を、ディズニー自らが破壊しにいってる感じがしたな。
「水戸黄門は、悪い権力をより大きな権力でやっつけるって話だからダメ。悪い権力を水戸黄門に頼らず民衆の力で倒そう!」みたいな話を作ったらさ、水戸黄門の良いところ消えるでしょ。違う話でしょ。そんな感じ。
でも、いろいろ振り切りすぎておかしくなったりしながら、新しい何かが産まれてくることもあると思うので、恐れずリメイクに突き進んで欲しいとも思ったよ。