「WHITE」白雪姫 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
WHITE
相変わらず作品外で燃え盛ってるディズニーの実写化ですが、レイチェル・ゼグラーはなぜ火に油をドバドバ撒きたがるのか分かんねぇな〜くらいに見ていたので対岸の火事みたいなもんだなくらいで様子見していました。
評判よりかはいくらかマシでしたが、わざわざ作る意味があったのか、そもそも白雪姫でやる必要があったのか?という疑問の残る実写化に仕上がっていました。
白雪姫の名前の設定を変えるというのはまぁまだ100歩譲って良いとして、その設定を変えた理由が役者に寄り添ってというのは原作へのリスペクトが欠けているなと感じてしまいました。
変に新解釈しているのもあって、白雪姫の家族関係とか女王との生活とかの描き方が不安定になっており、なんだかシンデレラっぽくなっていたりと曖昧になっていました。
街の人々が貧乏ならアップルパイを配りましょう!というのもよく分からないですし、そこでやんややんややるのも正直無くて良かったのでは?とは思ってしまいました。
日々の生活や食事に困っているのに無差別的にアップルパイ配って食べよーぜ!とか脳筋な主人公でもやらない愚行なのでほとほと呆れてしまいました。
りんご狩りのシーンでも違和感満載で、アニメ版との流れはほとんど一緒なんですが、箱の中に心臓を入れていたアニメ版とは異なり、何故かりんごを一個箱に入れて持ち帰るという、誰がそれで騙せるねんというギャグなのか大真面目なのかよく分からないシーンがお出しされるので困惑しっぱなしです。
小人が登場してからは画面にまだ色がパーっと広がるんですが、小人とのミュージカルのところでも再び疑問が浮かんきてしまい、白雪姫が徹底的に何もせず小人に掃除やら全部やらせるのもなんだかなぁとなりました。
強い女性を描きたいのは分かりますが、指示役に徹して何もしないっていうのはただの怠慢なのでは?となってしまいました。
小人の見た目も違和感はありましたが、ここのミュージカルシーンだけは良かったと思います。
王子様エピソードがどっか遠くに行ったがために追加された盗賊団とのエピソードもとい恋模様なんですが、ここのシーンは本当サッパリで、この盗賊団が一体何を成そうとしているかってところはフワッとしており、白雪姫もなんかフィジカルとかトリックとかが強化されてスペアの服を囮に使ったり(スペアの服が何故あったかは不明)、急に白馬にライドオンして駆け回ったりと、強い白雪姫を見せたいんだろうなとは思ったんですが、いかんせん無理がすぎないか?という引っかかりがずっとあって残念でした。
困ったことに女王がガル・ガドットなのも今作には悪い方に繋がっていて、美貌に嫉妬をするっていうのが根幹にあるんですが、でもガル・ガドットだもんな…となってしまったのが惜しかったです。
ガル・ガドットの再現度は高すぎるくらいで、演技も見応え抜群で「リトル・マーメイド」同様ヴィランが主役を食ってしまったなと思いました。
アニメ版ではキスしてもらって白馬に乗ってバイバーイで終わっていたのですが、その過程からガラッと変わってる今作では当然その続きが用意されており、もうディズニーやなぁという言葉が似合うような展開がお出しされました。
女王の元へ乗り込むというもう強い女性(以下略)概念で街の人々もワラワラと集まって女王もなんか堂々と出てきて真っ正面でディスり合い、なんか覚えてた兵士の名前を呼んで街の人々の信頼を勝ち取るというまぁうっっっすい革命を成し遂げてドヤ顔しているのでなんですかこれはと失笑してしまいました。
ラストシーンはもう行方不明で、女王は何故か鏡に吸い込まれ、真っ白な衣装で街中で踊りまくるという申し訳程度の白雪姫要素(?)を入れてめでたしめでたしするんですが、見事なくらい喉に何かがつっかえたまま終わるのでポカンとしたまま劇場を後にしました。
映画としてそこまで面白くなかったというのが致命的でしたし、製作陣&レイチェルの強い思想が完全に悪い方向に行ってしまい、白雪姫というコンテンツに見事に泥を塗ってしまったなと思いました。
もうこれでディズニーの破茶滅茶な実写化は終わって欲しいと切に願うばかりです。
鑑賞日 3/23
鑑賞時間 15:50〜17:50
座席 N-2