「今、実写化する意味を問いたい白雪姫。」白雪姫 somebukiさんの映画レビュー(感想・評価)
今、実写化する意味を問いたい白雪姫。
監督は「(500日)のサマー」「ギフテッド」を制作されたマーク・ウェブ。
主演にはスティーブンスピルバーグがリメイクしたウエストサイドストーリーのマリアを演じたレイチェル・ゼグラー。
ヴィランの魔女にはDCのワンダーウーマンを演じているガルガ・ドットが演じている。
脚本には「バービー」のグレタ・ガーウィグも参加しているらしい。
世間でちょっと話題になっている主演のキャスティングについては気にならない。
ディズニーとしては多様性を尊重したい気持ちもわかるので。
ただ、自分が歳をとったせいか、今の時代の影響か白雪姫の物語がご都合主義に見えてしまったことも非常に残念だった。
マーク・ウェブ監督、レイチェル・ゼグラー、ガルガ・ドット、グレタ・ガーウィグ全て好きなのに。
衣装、ミュージカル、映像、ストーリー全て悪くはないけど、よくも無い。
それぞれの要素、単体ごとは素晴らしいが組み合わさった一つの作品としてみるとイマイチだった。
ネタバレになってしまうが、今回の実写化では白雪姫に王子様はでてこない。ディズニーといえば、プリンス。そして白雪姫といえば、プリンスと王子である。
だが、本作では王子の代わりに山賊が現れる展開となっている。
おそらく王子様に助けられるのではなく、自分で道を切り開く、強い女性を描きたかったのだと思うが、それにしては中途半端。
常に周りの人間に助けられる姿は変わらず、ラスト民の「名前を覚えている」この手札だけで魔女と戦うには少し物足りないと思ってしまった。
名シーンである白雪姫を毒リンゴで眠らせて、愛する者との「キス」でなければ起きない。愛するものって?何で目覚めさせるか魔女しかしらない状況。これをどう表現する?と期待してしまったが、あれだけあっさりに目覚めさせてしまうと、ただ無理矢理ストーリーに合わせただけのシーンにしか見えなかった。
また、日本の公開時期として、「ウィキッド 2人の魔女」と重なっていることから、無意識に比較してしまっている部分もある。
ウィキッドがミュージカル映画として最高過ぎたため、白雪姫を見た時に何も超えられなかった薄い印象を受けてしまった。
演出をアニメにあわせているなら、物語も思いっきりアニメによせてもよかったかもしれない。
まぁ、たらればであるけど。