劇場公開日 2025年8月29日

「120分に切ってテンポ良くしてくれたなら」海辺へ行く道 たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 120分に切ってテンポ良くしてくれたなら

2025年9月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

斬新

脇役の豪華キャスト(所謂豪華キャストではないが…)がことごとくそそる。坂井真紀のランチおばさんも良いし高良健吾&唐田えりか、村上淳などの詐欺師一派、そしてなんといっても剛力彩芽がここへきてかなり良い。前作「いとみち」で横浜聡子のナチュラル演出に素直に感動したのだけれど今作はその8㎜風ルックの4:3スタンダード枠で中学生たちをやりたい放題に遊ばせて原作漫画の世界観とは全く別の非日常を構築して見せた。が、少しやりすぎて滑ってる感もうかがえる。濱口竜介の「ドライブ・マイ・カー」でも瀬戸内の似たような芸術島と借家が舞台となっていたが、今作はその流行りの「瀬戸内アーティスト誘致行政」をかなり皮肉っているように思われ、芸術家はすべからく「自称」であるべしというご意見には賛同しますが「瀬戸内国際芸術祭」に参加してほんまに大丈夫かいなと余計な心配もしてしまう。豪華3話オムニバス形式140分のバリューパックなのだけれど観客の身になればあまり調子に乗っていないでもうちょっと短くすれば?と正直感じた次第。編集処理と思われるゆっくりしたZoom Backが随所に施され印象的。

たあちゃん