秒速5センチメートルのレビュー・感想・評価
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あなたは今、幸せですか…?
当代アニメーションの騎手となった新海誠。
一般的な知名度は『君の名は。』からだろうが(『ほしのこえ』から注目していたと言うあなたは通!)、その『君の名は。』の原型と言われるのが、2007年の監督3作目。
男女のすれ違い、繊細な心情描写、美しい映像とそれにマッチした音楽…。『君の名は。』の原型に留まらず、新海誠のスタイルを確立させた作品と言えよう。
1時間ほどの中編。全てが完璧に纏められ、私も見たのはだいぶ前だが、魅了された事を覚えている。
満を持して実写化。それもオリジナルや新海人気の賜物だろう。
期待や気になると共に、不安要素もあり。あの完璧な作品をどう…?
私と『秒速5センチメートル』の再会は…
実写化のニュースは元より、キャスティングや続報に驚いた方も居た筈。
松村北斗と高畑充希のW主演。まあある程度役の予想は付くが、でもオリジナルって小学生時代から始まる話。この二人が主演で推されるという事は…?
1時間の中編から2時間の長編に。という事は…?
実写化お馴染みのその後や+αの新規エピソード。
やはりこれがね…。
オリジナルではあんなに作品世界に吸い込まれたのに、途中途中挿入される新規成人エピソードが完璧だったバランスを崩してしまっている。
またオリジナルは章仕立て。本作は時間軸が交錯。これが想像以上にややこしい。見ていて、誰と誰が同一人物…? 誰と誰が繋がっている…? と迷子になりかけた。
松村北斗と高畑充希の好演は素晴らしいが、それを以てしても…。
なので序盤はちと入り込めなかったが、持ち直したのは小学生時代~高校生時代のアニメ再現エピソード。
オリジナルでは第2章に当たる種子島の高校生時代。
高校時代の貴樹役の青木柚の好演、彼に想いを寄せる同級生・花苗役の森七菜の魅力。夕陽の空、ロケットが打ち上げられるシーンの美しさ。
それらもいいが、しかしやはり、最も心に残り、私も本作に入り込めたのは、小学生時代のエピソード。
共に転校生で、クラスから浮きがちで、精神面が似通っている貴樹と明里。他愛ない話や天体への興味で気が合い、親交を深める。
親の都合で明里は中学前に栃木に転校。東京と栃木で文通。ほどなく、貴樹は種子島へ。栃木と鹿児島。また一段と遠く離れる前に、栃木の岩舟駅で会う約束を。貴樹は電車を乗り継ぎ岩舟駅に向かうが、途中雪で電車が停まり立ち往生。待ち合わせの時間はとっくに過ぎ、やっと岩舟駅に着いたのが深夜近く。こんな寒い雪の夜遅く。もう待ってる訳がない。それでも待合室に向かうと…
松村北斗も高畑充希も森七菜も宮﨑あおいも足元に及ばない破壊力抜群の胸キュン。
上田悠斗と白山乃愛の初々しさ、いじらしさ。
だから雪の桜の木の下でのアレも許しちゃう。
幼き頃の二人に救われ、成人エピソードも魅力的になってきた。
あれから16年。共に30前。
システムエンジニアとして働く貴樹。同僚との交流は無く、秘密裏に同僚女性の理紗と付き合っているが、無気力。転職でプラネタリウム館へ。
書店で働く明里。毎日を平凡に。
鹿児島と栃木で遠く離れた筈だが、今同じ東京に居る事を知らなかった。あのプラネタリウムでのニアミス…!
貴樹が種子島時代、親交のあった花苗。その時会っている花苗の姉・美鳥と再会。美鳥が仕事を介して親しいのが、明里。
こんなにも近く…!
お互いうっすら存在を感じる。
気付けばその日になっていた。あの桜の木の下での再会を約束した、地球が小惑星の衝突で消滅する筈の2009年3月26日。
地球は滅びなかった。
それを望んだのか、望まなかったのか、夢見たのとは違う人生が続いている。
ふと思い出す時がある。あの時の事を、あの時の空気を、あの時の感じを。
あの人はどうしているだろうか。幸せにしているだろうか。
それを確認したいなんて、野暮過ぎる。
今会って何になる…?
それでも、それでも、何かが変わるかもしれない。きっかけになるかもしれない。自分の中で何かが…。
貴樹は電車を飛び降り、あの桜の木の下に向かう。
そこに掛かる、山崎まさよしの名曲『One more time,One more chance』。
米津玄師による本作の為のニュー主題歌もいいが、やはりこの曲にはグッとさせられる。奇しくも山崎まさよしが先日、病気でツアー中止を発表したばかり。本作からのオマージュとリスペクトでエールを。
あの時のようにまた雪で、変わらぬ美しい桜の木。
夜の静けさがまた美しさ映える。
待つ貴樹。
ここで再会して欲しかった。
君は、来なかった…。
再会を願った。それを望む自分がいた。
一つの思い。
明里には今、付き合っている人がいる。
明里もこの約束を忘れてはいなかった。でも…。
会わない事こそ彼への幸せの願い。私や約束の事など忘れて、幸せであって欲しい。
これもまた一つの思い。
あなたは今、幸せですか…?
最初はもたつきあったものの、アニメの魅力を損なわなかった奥山由之の手腕に、また一人注目の新鋭監督登場。
そんなに都合良く人の繋がりあるか…? いや、あるのだ。実際に。私も仕事先の人が偶々、子供を通じてプライベートの友人を知っていた。前の仕事の同僚が何と、ご近所。
世間は狭いとよく言うが、人と人の縁や繋がりは無限。天体のように。
タイトルは花びらが落ちる速さ。
本作には他にも科学的例えがある。
人が人生で会う言葉は約5万語。
人と人が出会う確立は0.0003%。
科学的に検証するとそうなのだろう。
が、それらは科学では証明出来るもんじゃない。
人と人の出会いは、繋がりは、運命は、必然なのだ。
見逃した言葉をもう一度観て確認しないと
貴樹が掲示板に貼った言葉は?
色紙の宮崎あおいの言葉は?
(誰か分かる方コメントで書いてもらってもいいですよw)
アニメ版も公開時にも観ておらず、実写版の予習として観ました。アニメ版が端折った?ところの補完、アニメ版と違う展開もあり、なかなかよくできたリメイクでした。
貴樹の今カノが、子供のときの明里に似ているように思いましたが、顔で選んだ?www
最後まですれ違って再会しないエンドは変わらないけど、アニメ版と違って貴樹は前を向いて進んでいく感じなのも良き。
秒速5センチメートルを作ってくれてありがとう
「秒速5センチメートルを作っておいてよかった」と新海誠監督のコメントがあったけれど、この度私から両監督へ改めてお礼を申し上げます。秒速5センチメートルを作ってくれて、本当にありがとう。
元々大好きな映画だったけれど、年を取るにつれ、こういう映画に感動することはできないだろうなと思い込んでいた。切なくドラマチックにすぎるし、目に見えないものに心を動かされる感傷やそれらがもたらす物語を信じる気持ちがなくなってきていたから。新海誠監督の名前を見かけるたびに秒速5センチメートルのことを思い出していたけど見直すことはなく、たまに山崎まさよしの主題歌を聞き直すくらいだった。下手に映画を見直してーーそして今回の映画を見て、この作品をもらった感動を否定することになりそうで怖かった。
でも、映画館に飛び込んでみて本当に良かった。作品はだいぶ現代的にリメイクされているのを感じたけど、根幹にあるのはやはりあの秒速5センチメートルの世界だ。イノセントで光に満ち溢れた過去。それを引摺り、いまを肯定しきれず、何を求めているのかもわからずにさ迷う現在。王道なストーリーだけど古くさくなく、主人公もいまっぽい人物像でリアルで共感できた。アニメだとずっと過去に囚われた印象だった。でも、この映画ではそこから少し前へ、いまを生きようとする意志が垣間見える。それがあの踏み切りのシーンに持ってきたのがアニメとの差別化もあってほんま尊い。主人公がその心持ちになれたのもプラネタリウムのシーンで、明里の気持ちを、心を開いて話した館長から伝えられたというのが、物語として美しすぎる……。
いくつもの偶然が絡み合いながら、その偶然によって再会も遠のく。そういう流れがあったからもしかしたら桜の木で再会するのかとミスリードされていた感もあった。そこの裏切りや、明里は一足先に貴樹の存在に気づいていたのに、あえて会わなかったのはそういうことか、と。「貴樹くんなら大丈夫」で泣いてしまった。映画館で涙を流したのは初めてかもしれない。決して恋や愛を求めていたわけじゃない。ただ、生きていくのに必要ななにかを取り戻したくて、それが明里のその言葉だった。そこが現代的にリメイクされていると感じた点の一つだったし、同世代かつ同じことを感じていた自分にはめちゃくちゃ刺さった。かといっていま過ぎるわけじゃなく、スマホもない時代に調整しているのもバランス感覚がいい(1991の伏線にも合わせているのだろうけど)。それだとまたこの物語の質が変わっただろうなという気がする。
改めてありがとうございました。秒速5センチメートルをずっと心のなかにしまっておいてよかった。
見えないものを見ようとして
アニメの方はリアルタイムに観ていて
新海誠さんの作品って…ほら…ね
結構抉られて
でも忘れられない映画となっていました
今回まず松村北斗さんの起用ってのが
いやぁピッタリ!
そして山崎まさよしさんのあれもそのまま使われる、ということで
音響の良い映画館で観てきました
そしてやっぱり抉られてまいりました
実写の方がまだ救いはあったけど…
明里がプラネタリウムのパンフレットに彼の名前を見つけるあたりは
(ちっ…要らねぇよ)と思ったのは私だけでしょうか
俳優さん、子役の方も
みんなとても横顔が綺麗で新海誠さんの世界観に映えていて
種子島の時の青木柚さんの横顔と松村北斗さんの横顔のリンクが美しかったです
追記
種子島での森七菜さんの前髪を何度も触る仕草がほんとに可愛らしかったです
惜しい!
かつて存在した家電量販店さくらや、PHSを使うなど監督の当時の再現への拘りを感じられた一方、電光掲示板に15両と表示していたはずの宇都宮線が3両だったり、小山駅が明らかにパチものと分かる手抜きさにはがっかりした。
カボチャ電車を使う拘りがあるなら、あの小山駅両毛線ホームの無機質感や、空腹を感じて駅そばを眺める描写もきちんと再現してほしかった。架空の駅なら別にいいけど、実在するのだから。
あと、種子島パートの澄田の心の描写が弱いかな。貴樹を好きになったきっかけ、不可能に近かった高校受験を頑張った描写、何故サーフィンに拘ったのか、貴樹が自分に向いていないと悟るに至った経緯、全てが分かり辛い。
原作を知っているから脳内補正出来たけど、初見だったら澄田が一方的にフェードアウトしただけに見えたと思う。
まぁ色々書きましたが、全体的にはよく出来ていたと思いましたし、見て良かったですよ!
映画に潜んでいるメタファー
3回鑑賞しました。1回目では、映画の持つ意味を受け止めきれず翌日に2回目を。それでもまだ十分理解したように思えず、1日空けて3回目を。
どこまで自分の中で消化できたのか、理解できたのか、甚だ心許ないところですが、感じたことをここに残したいと思います。
この映画では、貴樹と明里に関するメタファー、つまり、作者からのメッセージのようなものがいくつか潜んでいるように感じられました(あらかじめ言います、間違っていたらスミマセン!)。
一つは、ボイジャー1号と2号。この2つは、遥か昔に地球から旅立ち、もう二度と交わることはなく、それぞれが果てしない旅を続けて行く、と説明されています。あの時別離し、あるいは旅立ち、どこかに向かおうとしている2人のことを表しているように思えてなりません。ただ、それは決して孤独な旅路ではないともいえそうです。それぞれ「ゴールデンレコード」を抱えているから。地球での様々な言葉などを詰め込んだ「輝かしい記憶」であり、ボイジャーが未知のものに出会う時、自分を助けてくれるもの。2人が交わした言葉、好きな景色、その時の想い、そのような「輝かしい記憶」がある限り、新しい世界でも2人はきっと大丈夫、というメッセージなのではないかと。
もう一つは、太陽と月。これは小学生の時の2人の会話から明らかですよね。劇中、月が何度も登場します。大人になった明里がベランダで月を見ているとき、電車から月を見上げるとき、貴樹のことを、自分を照らしてくれる太陽のことを、いつもぼんやり考えていたのでしょうか。そんな時、貴樹は月が空に見えているにもかかわらず、対照的に、下をみて携帯でメールを書いているのですから、まったく心は通じていませんよね(笑)。プラネタリウムで登場する「月はかたちを変えてあなたを見守っています」というポップ(書店にもあったかな?)、そのような明里の貴樹への気持ちを表しているようにも感じられます。
これらのことが明里の気持ちを本当に表しているとすれば、当初、冷たいなと感じた、貴樹に対する明里の想い、想像以上に、深く、優しく、強いものなのではないかと、ある意味では貴樹以上に想いを持ち続けているのではないかと。この映画は、決して「片思いの男の物語」などではなく、それだけ愛された「幸福な男の物語」ともいえるのではないだろうかと。
そう思えた時、自分自身でもこの映画をようやく受け止められるようになりました。
繰り返しですが、ここに記載したこと、すべて間違っているかもしれません(笑)。そのときはごめんなさい。あくまで一つの解釈としてご参考になれば、と思います。
この映画には、他のメタファー、何かのメッセージが潜まだんでいるかもしれません。皆さんも探してみてはいかがでしょうか。私もまた映画館へ探しに行ってくるつもりです。
なんかモヤモヤ
原作(映画?)未見。
主人公の考え方なのか監督のそれなのか、運命とか奇跡とかに頼りすぎ。なんも行動してへんやん言う感じで見ていてずっとモヤモヤしとった。
しかもハッピーエンドちゃうし。
アレがハッピーエンド言う人には楽しめんねやろか
俺には合わんなぁ
期待度△鑑賞後の満足度○ 原作アニメほどは感動しなかったけれども、2時間の映画にする為の脚色に付け足し感がなく世界観を壊していないので安心した。松村北斗の上手さにも驚いた(喉仏の大きさにも驚いたが)
①私は原作アニメの『秒速5匹センチメートル』が大好きである(新海誠監督作品では一番好きだと思う)。だから実写化なんて、もし原作アニメの世界観を壊されていたらたまらない、と思って観に行く気は無かったのたけれども、目に触れる記事から(細かく読んではいないけれ立ち尽くしているど)評判が良いようなので、鑑賞する気になりました。
②喪失感から人生に立ち尽くしている主人公を松村北斗が好演している(同じに名字だからといって甘いわけではありません)。
朝ドラ『ばけばけ』で変わってしまった時代・世界に立ち尽くしている父親を演じている岡部たかしが本作に出演しているのはご愛敬(勿論たまたまでしょうけど)
原作アニメはそこまでの描写で終わっているけれども(だからやるせないような甘酸っぱいような余韻が残るのだが)、本作はそこから先の主人公が一歩踏み出すところ(新しい自分)まで描いている。
ただ、一歩を踏み出した主人公にたちまちパートナーが出来るようなあるあるの都合主義の甘い展開ではなく、また喪失感を味わうことになるビターな展開が良かった。
されど、プラネタリウムのプログラミング・アナウンスという新しい道を暗示して終わる(そして子供時代の夢に近づく)前向きなエンディングになっている(これはこれで良いと思います)。
そういう意味では、冒頭が主人公が新しい人生を踏み出すば場所を訪れるシーンから始まっているのは構成として上手い。
③高畑充希は、私が原作アニメから受けたヒロインのイメージとはちょっと違うので評価としては微妙。
④宮﨑あおいも好助演。しばらく見ない間に若くてはつらつとした女の子から落ち着いた大人の女性になっていた、という感じの驚きがあった。
ただ、主人公の高校時代の先生が、大人になったヒロインの上司だという設定は偶然が過ぎるだろうという印象。
⑤映像は確かに美しいけれども、演出の方は悪くはないが映像におんぶにダッコしているのか、特にこの監督ならではの演出の特色や味があるとかというわけではなく普通。
映像が美しかったです
現代パートからまず高校編になった時は、え?となりましたが
後半に岩舟駅のエピソ-ドを持ってきて現代に繋げた事で
貴樹の心情が、より深く共感できるものになっていました。
前へ進みだす事ができた貴樹の表情が憑き物が落ちたみたいに
晴れやかになっていて松村北斗さんの演技に感服しました。
白山乃愛ちゃんが初恋の人の理想イメ-ジにピッタリでとても
良かったですね。
映像も美しくて実写化成功だと思います。
良いリメイク
すかしててナチュラルに回りを見下していて、
鼻持ちならないけどなんか可愛い子は寄ってくるという、
村上春樹的主人公は、どっかに生息してはいるんだろうけど、
僕らはだいたい、ヒロインにバーカと言われた、
モブ小学生の立場で、あんな淡い思い出なんてないのだけど、
なんとなくノスタルジーを感じてしまうのが不思議だ。
大事な一言を失ってしまった30の男が、
昔の一番美しい思い出に、
たったひとつでいいから言葉をかけてほしいと願うのは、
今作ならではの素敵なテーマだと思った。
別に再会して結婚したいとかじゃないんだよね。分かる分かる。
でも本来それはかなわないもので、
やっぱり自分で見付けないといけないものだけど、
今作救済措置として、人づてにその言葉をいただいて救われる形になっている。
そこがなんか安易でもったいないなと。それさえなければ満点だった。
あとアニメだと途中からヒロインに別の男をあてがっているけど、
今作はそんな気配ださずにいきなり歩道橋で露見させたから、
変にギャグっぽくなっていて、いらないシーンに思えた。
間をとってほしいところでさくさく先を急いだり、
盛り上がるシーンで(原作のBGMかかるとことか)
イマイチ盛り上げ切れてくれず、映画としては作り慣れてない感じがあったけど
総じて良いリメイクだったと思う。
きっとこの先も大丈夫だと思う、絶対
泣く気満々で行ったけど、期待に違わず泣けました。
2007年公開のアニメは、映画の映像のようでしたが、今日のはアニメのような雰囲気の映画でした。米津玄師の「1991」をはじめ,劇中の音楽もとても良かったです.
また,とにかく俳優陣が素晴らしかったです。特に 森七菜と明里の子供時代の二人が特に良かった。
帰ってから、prime videoでアニメ版をもう一度観てみました。映画はアニメをほぼ包含しており、時間が1時間くらい長くなっています。膨らませたところは、小惑星1991EVの話と,これでもかというくらいの、すれ違いシーンの連続の部分で、戦後に流行った『君の名は』みたいです。すこしやりすぎの気がしました.
貴樹(松村北斗)には,小川館長(吉岡秀隆)に告白して号泣した後に,理紗(木竜麻生)にきちんと向き合ってほしかったです.そして,二人で踏切を渡っているときに,むこうから明里が来てすれ違うのだけど,振り返らないでエンディングだとよかったのに.
ところで,ちょうどいま新海誠監督を見出した大槻貴宏(ポレポレ東中野代表)が,東京新聞朝刊の「私の東京物語」を連載していますけど,やはり,新海誠は天才ですね.
秒速5センチメートルジャーネー
【所感】
※ネタバレ注意報
アニメ版は未見です。
全体的に、映像はCMやプロモーション映像のような雰囲気、
そしてノスタルジックな粗い映像。美しいとは思います。
でも、美しさばかりが続くと、次第に眠気を誘うようでもあり、
物語は平坦で、盛り上がりや弱く、映画に惹かれる点が弱く感じられました。
主人公の未練や女々しさには共感できず、
「わざわざ実写化しなくてもよかったのでは」と思ってしまいました。
松村北斗は、妙なヘアスタイルで、違和感。滑舌はよいですね。
若い時の江口洋介に似ています。
高畑充希はミスキャストと思いきや、後半でなるほどね。
森七菜さんは、国宝では損な役回りでしたが、今回は好演でした。
ただし、彼女の登場シーンは物語の流れに大きく寄与しておらず、
なくても成立したように思います。子役の2人は好感度ばつぐん。
全体としては、映像美に支えられたポエムのような映画である一方、
救いのない展開にもどかしさを覚え、
せっかく夢や希望を求めて映画館に来ているのに、というような後味でした。
それでも、もともとのアニメ版を見てから、
あらためて本作を振り返ると、
もともと描こうとした主旨が理解できるかもしれません。
機会があれば、原点であるアニメ版も見てみたいと思います。
いや、見ます。いま、DVD、Amazonで注文しました。
10/16 酔爺
見返すと完成度の高さに驚く。
やはり、実写化映画なので原作に対して脚色された部分は多いですがその点も問題なく上手く解釈されて付け足されているので不快感はありません。
特に良いと感じたのは子役のふたりの演技です、非常に上手に演技しており、良かったです。
原作は3パートに別れてますが、各パートだいたい20%ぐらい付け足されてるでしょうか?
成人パートの60%ぐらい付け足されてると思います。
映画鑑賞後、まぁこんなものかと思いました。
ですが、ここからで帰宅後再度アニメバージョンを鑑賞した結果。
非常に良すぎる付け足しで作品であると認識しました。
各キャラ、各シーン、解釈加えはもちろんありますがどのシーンも実写化にあたりよりキャラクターの心情を表しているようになっていると思いました。
正直映画鑑賞時は80点でした、アニメを振り返ると正直95点です。
もっかい見に行きます。
とってもいい映画です。
ちなみに森七菜さんと幼少期役の上田くんと白山ちゃんの演技がとってもいいです。今後に期待してます。
原作の大切な部分を大切にしなかった作品
過去で足を止めてしまった貴樹と歩みを止めなかった明里。遠く離れた二人が偶然踏切ですれちがうことで貴樹は再び歩き出す。これが原作の大切な部分だったと考えている。
ところがこの実写作品は脚本と演出はその部分を大切にしなかった。もしかしたら飲み会やプラネタリウムで偶然会っちゃうのかもというシーンをいくつも作った。公開前の人物相関図を見てそんな展開は止めてくれよと考えていたことを思い出した。
ほんとは「君の名は。」をやりたかったの?大人になって岩舟に向かう場面はもうその場面のための場面であって蛇足じゃないか。
構成が時系列に沿っておらず回想シーンを行ったり来たりするせいで二人の距離感に一貫性がなくなってしまった。
明里が手紙を見直すシーンやパンフレットで貴樹の名前を見るシーン。あれは二人の距離を縮めたかったのだろうか。だとするとテーマが壊れる。それに縮まったのに明里は何もしないの?縮まらないのならなぜ出した?
そもそも明里はどう受け止めたのかがわからなかったが。
大人の貴樹を日常のコミュニケーションも拒否するような社会性を欠いた人間という描写は何のためだったのか。
貴樹と理紗の関係をコミュ障同士の傷の舐め合いかと思わせるような関係で描写したのはなぜなのか。見かけは普通の恋人同士のような関係を作っているのに貴樹がどこかで踏込ませないいるから「心は1センチくらいしか近づけませんでした」という台詞に意味が出てくる。
あんなよくわからない関係ではその言葉に意味があるのか?
大人の明里のキャラクターもわからない。どこか内向的なおどおどした雰囲気を出す必要はあったのだろうか?本屋とか少し特殊な設定にしないで普通の企業のオフィスで働いたほうが貴樹との対比になったのでは?
そもそも明里を深堀りする必要あったの?貴樹からは遠くて見えない明里に色々あるんだよねーという光景を見せられてもノイズになっているのでは?
突然明里の恋人が出てくるが最後だから慌ててぶっこみましたという感じである。ところでいつからいたの?飲み会の誘われたシーンのときからいたらまずくない?
先生が東京にいてというのも疑問がある。なぜ全く関係ない人ではダメだったのか?飲み会で高校時代のこと思い出とそして花苗の話を出したいから?それは出すべき場面なの?
高校時代のタバコのエピソードは何の意味があったのか。先生と話をするきっかけなら別の理由を作れなかったのか?やんちゃしてましたというエピソードを他で使わないなら意味がない。花苗が真面目だけど翳がある貴樹を好きになりましたではなくて不良少年でしたではどうしても近付けない存在として花苗が気付く対象として壊してないか?
そういえばロケットの打ち上げ。原作では架空の惑星探査機の打ち上げで孤独な旅で何かの暗喩だったのだろう。その替わりにボイジャーを出したのだろうけどそれならあのロケットは何の象徴なの?
最低の演出はプラネタリウムで明里の幻を出して貴樹を泣かせたこと。なんだこれは?神のお告げが降ってきたので貴樹は言われた通り従いますじゃないか。内省による変化を役者の演技だけで作れないから安易な手段に頼る。
おらこれで泣けよおめーらという感じか?
二人の距離がわからないまま最後の踏切。もはやこの映画にはこのシーンは必要だったのかというぐらい価値が下がってしまった。
One more time one more chanceも使わないと怒られるから使いましたという感じで使う意味がわからない使い方だった。
エンディングの1991もこの映画のエンディングとしては合ってない。天門の曲のアレンジのほうが良かったのではないか。ちぐはぐな映画の内容にはこれで合っていたのかもしれないが。
たしかに原作の要素は散りばめられていた。原作にあった意味は失われて実写独自の部分との繋がりもなくただの存在として。
映像は霞みがかった絵が多く新海の絵とは違うよね。再現を目指していたのでもないと思うけど。
役者の演技は良かったと思う。与えられた役柄を演じていたという意味ではしっかりしていた。
その点はプラス。
結局この映画は商業的には成功するのかもしれない。「秒速5センチメートル」の実写化ではなく恋愛映画の一つとして。
単調で主題がぶれている
遠山貴樹の心理描写を描き、それに振り切ってやってほしかった。
森なな単体は素晴らしかったのだけれども、遠山を主題におくのであれば全体の流れでみるとピュアすぎる印象に見えたため鹿児島時代はノイズだと感じた。
人とのコミュニケーションの難しさを確か原作では上手く花びらの落ちるスピードにかけて表現できていたはずだが本作では描ききれていないのでは?
またイメージ的に高畑さんはミスキャストにも思えた。ピュアだけど垢抜けた少し清楚美女が正解だと思ったのに対し、高畑さんはクラシカルさが滲み出ていて
なんかのれなかった。
シンパシー
しか主人公に感じない。
周囲に馴染めない自分の世界を持った少年が互いに理解し合える少女と出会い、
一途に想い続けて約束の地に赴く。
協調性や社会性に欠けると言われ続けた自分の少年時代と丸かぶりだった。
残念ながら私にはそのような少女は現れなかったが、
遠い少年時代に想いを馳せ胸がときめいた。
子役の2人は、特に少女は魅力的で微笑ましく心動かされた。
途中ややスムーズに流されないところもあったが、
思わせぶりな展開が続いてようやく感動の再会と思いきや、まさかの…
いや、それはないよね…
なんかきれいごと言ってたけど、男ができたからガキの頃の約束なんてってことだよね。
いつまでもそんなことを引きずるなんて、キモ男という声も聞こえそう。
それなら私はキモ男で結構。
主人公に心から同情し、ヒロインに失望した。
つまらない陳腐な結末と言われようとハッピーエンドであって欲しかった。
ちなみに高畑充希のキャスティングはどうだったんだろう。
個人的には少女のピュアさや女性らしさを感じない。
ずっと違和感があって岡崎紗絵あたりだったらなぁと感じた。
個人的趣味かもだけど…。
セリフも人もあまり印象に残らない
絶賛のコメントがあふれる中、自分の感覚に自信を失いそうになるが記録として・・
極上の食材と最新の調理器具を使えば、スキルがなくてもまあ良い感じの料理には仕上がるよなと感じた映画。(辛辣ですみません)
原作アニメを随分前に鑑賞し、ほぼまっさらな状態で鑑賞。
良かった点
・映像がきれい。まるでフォトブック。
・子役たち2人の演技がすごい。
・花苗は森七菜じゃないとだめだった。
・よくあるアニメ実写が安っぽくなっていなかった。
悪かった点
・長い!120分が長い!単調で。何度か時計を確認した。
・時代が行ったり来たりで分かりづらい。
・現代の設定の尾ひれが多すぎ。いろいろまとまりがない。
・設定が無理やりすぎ。
・インサートされる写真が多すぎ。まるでフォトブック。
プラネタリム、彼女のパニック障害?夜明けのすべてのオマージュでしょうか?
ならばもっと深く丁寧に作ってほしかった。
なんかいい感じの映像をいれてエモい雰囲気を作って乗り切ってる感がする映画だった。
2人がニアミスするところも、わざとらしくて興ざめ。
掘り下げも特になし。
内容も薄いし、誰一人共感できる登場人物がいなかった。
とはいえ、俳優さんたちの演技はよかった。
特に森七菜。片思いをこんな具現化できるのかと。
白山乃愛ちゃん、今後活躍する俳優さんになりそう。
松村北斗の演技も良かったが、ハマりすぎてずっとこんな役になってしまいそう。
せっかくいい役者さんなんだから、次回は違うテイストの役を見てみたい。
エモ酔い拗らせ男とリアリティ
故郷がロケ地でアニメは見ていますが忘れてました。
すごい事件があるわけでも、人が死ぬわけでもない。生い立ちが辛いとかもない。
普通に生きていく中で自分の中で起こりえる転換期や大事件。エモ酔いの覚えあります。
エモい!とにかく日常のエモいと思えるものを拾い集めてギュッと丸めて砂糖足してクッタクタ似たような映画です。
松村北斗の顔だから映画が成り立つものの、これがそこらの一般人なら「何年コイツ思い出に酔ってんだ」状態でしょう。それに比べて女子は現実的です。わかるわかる!
北斗さんあの情けな男子の演技うますぎやしませんか?
でもね、私のようなタイパコスパ重視の人間でも覚えがある『あの時こうすればよかった』の後悔と初恋の甘酸っぱさ。それが根本にあるから人はこの物語に共感できるのでしょう。
長すぎて後半少し飽きてきた。
でも、思い出の桜の木の前にアカリは『来ない。』ドラマなら普通来るよね?それが全然来ない現実!それがいい!リアル!
種子島パート
〇制服ほぼ同じ(校章は全く同じだけどあの位置に無かった)
〇単車小屋、弓道場、校舎、海、オーギ畑(さとうきび)そのまんま
〇スーパーカブのヘルの緑二本線まで同じ
〇ロケット打ち上げは確かに日常。わざわざ見ない
〇ただあの時間にロケット牽引はない。多分真夜中
〇わざとつけた方言が無い。マジであんまりない
私の青春をこんなにエモくしてくれてありがとう。
あらためて、新海誠さんってすごいリアル追求。きっと栃木パートやプラネタリウムとかもリアルが溢れてるんだろうな。
種子島に聖地巡礼していただけるなら、今は馬毛島の基地建設でプチバブル。宿が高かったりするかも?故郷は色々変わってしまいました。そこもまたエモい。
全162件中、41~60件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。



