秒速5センチメートルのレビュー・感想・評価
全161件中、1~20件目を表示
いい映画
まず出演されてる俳優の方々、そして松村北斗くんの演技が自然過ぎてすごく感情移入出来ました。
内容は、最初から共感が凄くて、
「誰かに近づきすぎないように1箇所に留まらないように誰といつ別れて平気でいられるように」自分と重なる部分があって大共感しました。それからプラネタリウムの時あかねちゃんがたかきくんに「幸せに生きていて欲しい」って言ってるとこがち泣きました。誰かの幸せを願えるって凄く素敵で最大の愛のように感じました。終わり方は若干モヤモヤしたし、本当はもう一度会って話して欲しかったけど、それがこの映画のいい所なのかなと思えました。全てを知った後でもう一度映画館に行って見に行きたいなと思います。最高の映画でした。あ、あと森七菜ちゃんが、とにかく可愛かったです笑笑
片道2時間半は遠いよ
好きなアニメの実写化なので、懐疑的な気持ちで入ったが
思いの外に原作に寄り添った仕上がりなので安心した。
人物や風景が美しく描かれている中を
切なくもの悲しい物語りが進行するのも原作の通り。
作中印象に残る多くのシーンも再現されていて嬉しい限りだし
山崎まさよしが流れるシーンはほんと良かった。
キャスティングも違和感なく見られた。
オリジナル要素はいくつかあり、花苗の姉を効果的に使った印象。
大人貴樹が別れた彼女にちゃんと気持ちを伝えるシーンよき。
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貴樹が小中高から大人まで一貫して、人として魅力に欠けてる。
転校直後の明里に優しくしたくらいか。
人が寄り付くのに違和感がある。
大人明里が貴樹の存在を近くに認識してもスルーした点。
おそらく、原作でも名シーンである踏切でのすれ違いを
2人の気持ちのズレを広げて見せた解釈なのだろう。
「私は行かない。貴樹君はきっと幸せだから」
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原作ファンの不満はこの2点。
実写を見た後、何年かぶりに原作を見返したら
あらためて背景描写の美しさの軽く驚きを感じた。
やっぱ好きだな。
アニメ視聴済みです。
観た印象として、アニメとはまた別の作品に感じました。
新海監督の作品は人の繊細な感情だったり、風景の美しさやメッセージ性だったり、短い映像での表現力だったりが印象的だと思います。
実写版では現実に落とし込む為に可視化して、アニメよりもドラマチックに仕上げている為、アニメ版を先に見ているからかわざとらしく感じてしまいました。
逆にアニメでは自分なりに理解したシーンが実写だと分かりにくいなと思ったシーンもありました。
実写映画なので登場人物の心情とかを画面に反映させるのは難しそうです。
ただ特に電車のシーンでは時間や寒さがよりリアルに感じられ、良かったです。
あの木も自分の中の観る前の印象と変わらず良かったです。
これは自分の解釈ですが、桜が秒速5センチで舞い散るように降り積もる想いはあれど、また新しい年の春を迎え、桜は積もっていく、決別の作品だと思っています。
人間だから新しい年になったら割り切って気持ちを切り替えるようにはいきませんが。
最終的に結ばれると思って観ていた勢にとっては残念に見えてしまう方も多いようで。
自分の前にいた恋人同士の方々は無言だったので普通の恋愛成就ものだと思ってたらどうなんだろうと思わないでもなく、余計なお世話ですが…。
自分は実写版も楽しめました。
実写の映像美も素晴らしかったです。
あとこれはしょうがないですが、年代が違うだけに今の子ってメール分かるのかなとか少し思いました。
観る世代、性別、過去の恋愛と現在の境遇によって感想が異なる
観る世代、性別、過去の恋愛と現在の境遇によって感想が異なる作品なのかなと他の方のレビューを見て思いました
私の感想は…
映画の前日に原作アニメーションをサブスクで初鑑賞
正直な感想はアニメーションの絵は綺麗だったけど
話の内容はキモい、の一言
(原作ファンの方々申し訳ありません
以下若干暴言が続きますが私個人の感想です)
中学時代の木の下でのキスシーン
キモい
明里のお弁当
自分の中学時代を思い出しても子供を見てても
あんなの作らない
思春期男子(思春期の初恋を引き摺ってる男子)が
こんな風だったらいいなーの妄想が詰まり過ぎてて
キモい
1、3話が貴樹の主観で語られてるせいか
全く感情移入出来ませんでした
その翌日に映画版鑑賞
アニメーションの話数的に(3)→2→1→3と流れ
高校時代の貴樹のどこか他人と距離を取って何考えてるのか分からない都会から来たミステリアスでぶっきらぼうだけどさりげなく優しくて掴み処の無い転校生感を青木柚くんが、片思い女子高生を森七菜ちゃんが上手に演じてて素敵でした
そこから小学生時代の乃愛ちゃんは可愛いし、悠斗くんの明里は友達だし好きだって純粋な感じもとても良かったです
木の下でのキスシーン
真っ白い雪原に映るシルエットの2人が重なってく
あの映像がとても綺麗で素敵だったし
あの位の見せ方が丁度いいと思いました
大人になってすれ違う2人
それでも子供の頃好きだったモノを
お互い好きでい続けてた事を知った貴樹と明里
もしかしたら凄く近くに居たかもしれない
会えたかもしれない
でも会えなかった…
会わなかった…
無駄だと思ってきた他愛ない雑談も必要で
言えなかった好きを伝えるだけじゃなくて
元気?何してたの?の一言を話したい
雑談したいって事に貴樹が気付けて良かったなー
だから別れた彼女に誤解されたままではなく
素直に自分が彼女を好きだった気持ちを伝えられたのは
貴樹の成長、大きな一歩だったのかな、と
踏み切りのシーン
振り返って明里がいなくても前に進んでいく決意が
原作よりもグッと深く感じられて
私は好きです
人生には自分が気付いてないニアミスも
あったカモしれない
でも出会わなかったからこそ
甘酸っぱくてちょっと切なくて
くすぐったい想い出を抱えながら
別の、今の人生を進んでいく
高校時代に片想いしてた先輩に
大人になって再会できた時に
好き(でした)の一言が言えなくて…
そんな自分の甘酸っぱい想い出を帰り道思い出し
「One more time one more chance」を聞きながら
家族の待つ家に帰りました
子役の2人の演技に感涙
アニメ版は随分前に鑑賞済みですが、実写化ということで鑑賞。子供時代の明里(白山乃愛)と貴樹(上田悠斗)の演技が良かったです。シニアの私ですが、特に岩舟駅でのシーンは感涙してしまいました。小学校時代の初恋ってあんな感じだったかなぁ...と思い、帰宅後小学校の卒業アルバムを探して見てしまいました😅。
高校生時代の花苗(森七菜)の貴樹(青木袖)に対する恋心の表現、描写が切なくて、心の中で応援していました。
大人になってからの明里役の高畑充希さん、貴樹役の松村北斗さんもすばらしいかったです。特に松村さんの他人と距離をおいている演技には孤独感が感じられましたが、彼女役の理紗(木竜麻生)との付き合い方や接し方には「それは無いんじゃないないの😡」と思ってしまいましたが...
吉岡秀隆さんや宮﨑あおいさんも良いシーンで登場していたと思います。
貴樹には、過去の思い出は美しく苦い思い出として心に刻み、新たな出会いに向けて今後の人生を満喫してほしいなぁ…と思いました。
そんな補完は求めていない
元のアニメを何回も見た人間からすると、期待外れだった
実写化でどこをどう補完して、どこにオリジナリティを出すかは難しいのかもしれませんが、原作の良さが30%くらいしか出せていないと思いました。
特に気になった部分で言うと、タカキの子供時代がコミュ障すぎる。アニメ版のタカキはもっと表向きは人当たりの良い、好青年といった印象です。
人と会話するときはもっと取り繕った感じで、一人でいるときは何か遠くを見て思いフケっている。
そういう繊細が微塵も無かった。
実写版では話しかけても反応は薄いし、声のトーンや返事も...根暗なやつにしか見えませんでした。
いや女の子はこんな奴を好きにならんだろwとさえ思ってしまった。
他で言うと、舞台や演出の雑さが目立った。
時代的には平成初期とかだと思うのだけど(携帯とか古いガラケーみたいなの使っていたし)、駅や街並みが異様に綺麗でここ最近の風景にしか見えなかった。
また、火球が空を過ぎるシーンがありましたが、めっちゃ近い割に空が全然明るくならなくてCGもテキトーだなーと感じた。
先述した背景も、CGもそうでずがお話を成立させるために存在しているだけで、没入感とかその時代を感じさせたいみたいな努力が全然感じられなかった。
新海さんはアニメ秒速の余白部分を『力不足だった』と認識しているみたいでしたが、だからこそその余白がタカキの心情を考えさせられる繊細さに繋がり、音楽を際立たせ、あの作品にしかない切なさを出していたと思う。
実写版はその余白の補完をとにかく頑張って説明していて、逆にそのせいで本来あった視聴者がそれぞれに感じ取る空気感や2人の思いみたいなものが無くなってしまったと思う。
この映画内では、アニメにはないオリジナル演出として、大人になってから何度もタカキとアカリがすれ違って、会いかける演出が出てくるが、そういう可能性を感じる演出は本当にやめて欲しかった。
約束の日にタカキが木の前に向かうシーンがあるが、『どうか会わないでくれ』とずっと祈ってしまった。
あそこで2人が再開するシーンに改変されてたら☆1つも付けたくない最悪の映画になっていたが、そこは回避されて良かった。
また、その会いそうで会わないみたいなシーンを意図的に入れすぎて、最後の方の踏み切りで2人がすれ違うシーンがめちゃくちゃ薄味になっていた。
アニメではあそこのシーンでクライマックスを迎えるレベルのエモいシーンなのに、そういう惜しい!みたいなシーンを随所に入れられるとロマンチックさの欠片も感じられず、台無し。
私は昔の新海さんが描いた、男特有の実は女々しい部分、いつまでも美化された幼少期の恋愛みたいなものが好きだったのですごく残念でした。
救いとか報われるとかいらないんだよ本当に。
小さい頃の恋愛ってそういうものだし、そういうわだかまりみたいな、戻りたくても戻れないグズグズとしたなんとも言えない気持ちを抱えて生きていくんじゃないか。
あと天門さんの音楽が素晴らしいのだからもう少しリスペクトを持って使ってほしかった。
この映画で唯一良いなと思った部分としては、森七菜さんのキャラクターづくりと演技。
アニメ版から更に情報量がました感じで、実在感がすごく良かった。
人生
この作品をただの恋愛映画としては受け取れませんでした。
私が感じたのは、「儚さの素晴らしさ」です。
人生は儚いものだと思います。でもその儚さは決して悲しいだけのものではなく、
むしろその奥にこそ美しさがあると感じました。
「好きと伝えればよかった」ではなく、
「好きと伝えられなかったこと」にも確かに意味がある。
「タイミングが合わなかった」ことも、
それが人生なのだと思います。
人は離れると少しずつ忘れていく。
でも、それも自然なことであり、
時間の流れの中で生きる人間らしさなのだと思いました。
この映画の結末はハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、ただ“現実”としての人生を描いている。
観終わったあと、「そうだよな」と静かに納得してしまうような、そんな深い余韻が心に残りました。
儚さの中にある美しさ
それこそが、人生の本当の姿なのかもしれません。
初恋の人、今も覚えてますよ
2007年のアニメは公開時に劇場で1回、その後、かなり前にレンタルDVDで1回観ただけですが、新海誠監督では一番好きな作品です。63分のアニメを倍近くに膨らませてますが、テーマ性は変わってないし、これはこれで上手く構成されていた印象です。特にアニメでは第1話になる『桜花抄』をそこに入れたか~!という上手さを感じました。
また、本作は実写ならではの美しい景色・映像がてんこ盛りです。各シーンで「あ~こんな映像だったな・・・」と思い出すと同時に、今にして思えば、逆にあのアニメの画作りもかなりリアルだったのかも?という気もします。また、配役はメインキャスト以外も魅力的で子役も上手でした。特に明里の子役さんはメチャメチャ可愛くて、貴樹が恋に落ちる説得力を感じました。
ただ、物語としてはどうでも良いことなのですが、種子島コーヒーの紙パックは映画用に無理してでも作って欲しかったです。
とにかく、エモーショナル
原作アニメを大昔に観ていますが、内容もほぼ覚えておらず、おもしろかった印象すらありませんでした。
にも関わらず観たのは、このアプリで以外と評価が高かったからです。
前置きはここまでとして、観終わった感想としては、まさにエモーショナル。
最近で言うエモいですが、軽くなってしまうのであえてエモーショナルと言わせてもらいます。
原作アニメの印象が良くなかったのは、まだ自分がこの作品を観るのに精神が追いついてなかった様な気がします。
年齢によって感じ方が全然違う作品に思えます。
一言で言うと、
「出会うのも運命、出会わないのも運命」
最後のシーンは大好きな「君の名は」を彷彿とさせるところもまたエモーショナル。
いいところもけっこうあるんだけどね
点数低めですが、駄作というわけでもないし、けなすつもりもありません。ただ私とは合わなかった。
アニメ版はかなり以前に見たことがあるが、特別な思いは無くおおよそのストーリーを覚えている程度。
映像は大変きれいで、アニメで作りこんだ場面を思わせるようなところもあり、作り手の感性+技術の進歩の偉大さを感じる。俳優陣も全く悪くないのよね。主役の二人に加えて脇を固める吉岡さん宮崎さん、森さん白山さんも。
アニメとは変更点多し、との話をネットでちらっと見かけたので、約束のシーンも変わるのか?とも思ったが、前半から話の展開がどう考えても無理そうでやはり再会は無かった。まあ、貴樹の最後のほうの姿からすれば、何らかの形で二人が再開するのもありだとは思うが、やはりそれではかなり別の物語りになってしまうか。
昔の経験、記憶に縛られいろいろ拗れたままの主人公の話はいくつか思い出すが、どうも男が多いね。”男は過去、女は未来に生きる”が世の通説なようでそのほうが描きやすいのか。でもそもそもまっとうな人間関係が築けなさそうなほどの貴樹の拗れが過去の出来事にどれだけ結びついているかどうかも怪しいし、長年の蓄積がいくつかの偶然でややあっさりと氷解していくあたりが合わなかった最大の要因。まあ、氷解を後押しする恩師の宮崎さんや館長吉岡さんとの交流はよかったんだけどね。
実写になっても消えない、儚さと美しさ
アニメ版は数年前に観ていましたが、ストーリーの細部はもううろ覚えのまま劇場へ。それでも、スクリーンを見つめるうちに「そうそう、こんな感じだった」と記憶がよみがえる瞬間が何度もありました。
実写版はアニメの絵コンテを意識した構図で撮られていて、再現度の高さに驚きました。新海誠監督の映像が20年近く経っても印象に残っているのは、当時から視覚表現のリアリティに優れていたからだと思います。実写になっても、あの透明感や空気の揺らぎがちゃんと残っていたのが嬉しかったです。
一方で、実写ならではの描写も印象に残りました。転校を繰り返す遠野は、同級生より少し早く大人になったように見えますが、社会に出る頃にはどこかで追い越されているようにも感じます。
その不器用さを、周りの大人たちが優しく見守っている。原作にはなかった“他者のまなざし”が加わったことで、遠野という人物の奥行きが深まっていました。
明里の描かれ方にも大きな違いがあります。アニメでは、遠野との日々は淡い過去として整理されていて、ふとした瞬間に思い出す程度。
一方、実写版の明里は、あの記憶を「今の自分を形づくる一部」として生きています。恋愛感情の延長ではなく、自分を成長させた糧として抱いているように見えました。
キャストはそれぞれの役にぴったりで、米津玄師の主題歌も作品の余韻を静かに包み込んでいました。
観終わったあと、映画というより“記憶のアルバム”をめくったような感覚に。時間が経っても消えない想いを、そっと思い出させてくれる作品でした。
きっと大丈夫
原作ファンと初見の人、両方を満足させるのは困難な業と思いましたが、少なくとも前者の私は満足できました。
原作では、貴樹が遠距離恋愛の失敗から立ち直れず、かといって、何者にもなれずに挫折(退職)したところで更にすれ違いでダメージを食らう、というのが一番救いようのない(それが魅力と捉える人もいるかもしれない)ところでした。
しかし本作では、ちゃんと再就職し、更に明里の間接的な励ましで前を向き始めることが示唆されており、最後の有名なシーンも原作では意味が測り兼ねたところが、本作では明里なしでようやくやっていけそう、という希望が持てるように解釈できました。ちゃんと昔の彼女に謝ったりもできたしね。
それは、本作でちゃんと「貴樹君はきっと大丈夫」という言葉をわざと最後に持ってきたことで、この改変は意図されたものということを示しているのでしょう。
また、挫折の理由も本作ではより分かりやすく示してくれていたと思います。
明里の方も、原作では実家を出る前に「あの頃は2人とも若かった(うろ覚え)」、といきなりこれまでの関係性をぶった切るところが、見ていて「こりゃキツイ」、と思わせたのですが、本作では昔の思い出もちゃんと大切にするよう書き直されていたのが、人間としてより血が通っているようで好感が持てました。
そういう意味で、新海監督が原作で言い足りなかったことを補足してくれている、と評価しているのはよくわかる気がします。
これらは原作からの内容の改変点でしたが、
原作の筋を大きく外さずに物語の時系列を変えるとか、すれ違いを増やすとか、あとは実写ならではの美しい景色を見せる、とか原作ファンを飽きさせない一方、原作ファンが大事にしているシーンは殆ど完コピ(岩船駅の再会、ロケット打ち上げ、最後のシーンなど)、というバランスも見事だったです。
初見の人にはともかく、原作ファンには少なくとも私はおすすめできます(説明しすぎている、という批判はあるかもしれませんが)。
人肌の温もりが漂う実写
何年か前にアニメーションで観た、この映画の実写化キャスト陣を知った時、記憶が遠いのもあってか自分で描いてたイメージとは少し違っていた。特に高畑充希さんの篠原明里はアニメより少し明る目になるのでは?と少し危惧していたのが実際観てみると、明る目と言うよりはフンワリ温か味を感じて、松村北斗さん演じる遠野貴樹を見守っている感じが人肌を感じさせた。
実写でより強く感じたところは、ロケットが打ち上がって遠くなって行く様が貴樹の一途な思いと重なって見えたのと、やはり山崎まさよしさんの歌が聴こえてきたところは、より貴樹の孤独さが伝わって来て感極まった。絶妙なタイミングで聴こえて来るから‼︎
小中学生の頃を演じた上田悠斗君と白山乃愛ちゃんはイメージ通り無垢で純粋に思い合う気持ちを表現出来ていて素晴らしかった。
アニメーションと実写化では少しイメージは違った感じはしたけれど、アニメでは伝えられない人の温か味を感じられ、実写化の醍醐味を味わう事が出来て良かった。
描かれすぎた秒速5センチメートル
新海誠作品の中でも、とりわけ静かな痛みを描き個人的には一番お気に入りの作品。したがって実写版は楽しみと不安相反する気持ちで鑑賞。
そんな立場からすると今回の実写映画化においては、その「痛みの本質」がやや形を変えてしまった印象を受ける。
なぜ、「あの曲」の使用をあのタイミングで、しかもあんなに短くしたんだ!
結論から言えば、この作品は「原作を見たかどうか」で評価が大きく分かれると感じる。
16mmフィルムで撮ったかのようなルックは素晴らしい。(時代ごとにその「画面の粗さ」が変わっていればもっと最高だったが。)
原作をトレースしたかのような画作りも、リスペクトを感じ好感。
内容も時系列や構成はやや変えたものの原作から大きな改編はないように「一見」思える。
が、私は原作との大きな、決していい方向ではない違いを感じてしまった。
一番残念なのは原作アニメ版が持っていた核心、すなわち、音楽と映像が一体化して生まれた“感情の余白”が抜け落ちてしまっている点。
原作版ラストで流れるあの曲こそ、貴樹と明里が再び言葉を交わすことのない世界における“唯一の対話”であり、感情の断絶を超えてつながる魂の余韻。主人公二人の切なさや想いや寂しさや儚い希望や現在の心境すべてをその歌詞に託した存在。
だが今回、その機能を大きく削いでしまった。作品の核心が静かに止まってしまったような寂しさがある。
一方で「その代わりに」といった印象で余計なものが足されている。原作にはないキャストから貴樹が明里の気持ちを知ってしまうシーンである。
その一瞬の「貴樹の了解」が、物語の詩情を決定的に損なってしまった。原作において二人は、互いの心を知らないまま時間の流れに呑まれ、言葉にならない想いが空白として残ることで観客に永遠の余韻を残した。そこに「知ってしまう」瞬間を挿入したことは、作品を“文学”から“説明”へと引きずり下ろしてしまった感さえある。
結果として、本作は「描かれすぎた秒速5センチメートル」になってしまった。
原作が観客の心に委ねていた部分を、映画は親切に埋めてしまった。その親切さが、この物語にとっては最大の不幸である。
タイトルの「秒速5センチメートル」。それは桜の花びらが落ちる速さであり、ひょっとしたら雪の落ちるスピードであり、愛が終わる速さでもある。
だが、本当に美しいのはまだ落ちきっていないその瞬間だったのだと原作は語っている。今回の実写版はその瞬間を見逃してしまったように感じる。
秒速5センチメートルでお尻が…
自分の尻のコンディションが悪かったのかもしれないが、今までで一番お尻が痛くなってしまった。
いつも映画の後半でお尻が痛くなってくるので、痛みを感じ始めたときに、あ、もうそろそろ終わるのか、と思ったらまだ中盤で、後半はほぼ尻の痛みとの戦いだった。
なるほど、かなりスローテンポな感じで丁寧に描いてるな〜、この感じは多分2人が出会うことは無いんやろな〜、出会って欲しいけど出会わんとこが切なくて切実やねんな。Dr.コトーの人も言ってたけど主人公ええ声やわ。サーフィン女子の恋してる感じの演技めっちゃ良かったな〜、それにしても、尻が痛すぎるな。多分お話的にドキドキ・ワクワク系じゃないし、雰囲気感じておくれやす系やから映画に集中できてないんやな。これは雨の日の深夜とかにテレビでやってたらつい最後まで観てしまうやつやな。アカン、それにしても尻が痛すぎる。体勢変えてもアカン。秒速5センチメートルで尻が裂けそう。あ、2人踏み切りですれ違ったで!これ電車通り過ぎたら女の子絶対おらんやつやん!主人公笑顔で歩き出した!これ、終わる流れや!エンドロール来た!最後のオマケ映像無いの確認!立ち上がれる喜び!やば、お尻めっち痺れてる。あ〜、少しずつ尻の感覚が戻ってきた。秒速5センチメートルで尻の血管に血が流れていくのを感じる。
過去の思い出の中に生きて、モヤがかかったような生き方と恋愛しかできなかった主人公が約束の時間と場所で現実を知って1つ大人になれて良かったけど、せっかちな関西人のオッサンからすると、お尻のこともあるから30分ぐらいにまとめて欲しかったな。ホンマごめんやで。
とても共感はできるけど、、、
松村北斗の演技は毎回素晴らしい。
映像も美しく、バンプ→レディヘ→山崎まさよし→米津玄師と続く音楽も良い。
美しいPWを見ているような気にもなる。
ただ、もし主演が非モテ系の俳優が演じていたら同じ評価になるのだろうかと
思ってしまった。
物語はとても個人的、内面的なもの。
相手の女性が何故か物凄い確率で身近に存在し、
遭遇しそうになったり、過去の彼との思い出が今でも大きなものと
匂わせるシーンがあったり、あの頃と同じ行動を取ったりする。
彼自身もあの時の約束を覚えているかなと、走り出したりするけど、
それは全て男性が今でもそうだといいなと思う妄想のように思える。
彼が思い出すのは小学生の頃の記憶で、本人はもう30歳。
その時の記憶に囚われて、周りをシャットアウトして鬱の様に日々を過ごしている、
というのは流石に行き過ぎなのではないかと思ってしまった。
周りの女性に対してもどうかと思う。
高校生の頃の森七菜が演じた女の子には、
気持ちに気づいていたのかいないのか分からないけど、
あの感じで近くにいるのはとても酷い気がするし、
現代で付き合っていた女性と一緒にいるのも、
その感じで何で一緒にいるのかなと思う。
このイライラは自分にも思い当たる点があるよなと思うからなのだが、
いずれにしてもいいストーリーかと言われれば、
やはりそうは思えなかった。
哲学的な映画なのかな
原作は観た事が有りません。
タイトルが素適だなとは思っていたんです。
なので、勝手にロマンチックなラブストーリーだと思っていたの。
だけど、実際にこの映画を観てみると、恋愛映画って印象を受けなかったんですよね。
どちらかと言うと成長物語かなと。
と、言いつつ話のほとんどが恋愛要素なので、やっぱり恋愛を無視してこの映画を語れないのですが。
それでですね、この映画で印象に残ったシーンが、明里が貴樹との日々を、今の日常になっていると語った所なんです。
そうなんです、思い出って過去の物だけど、確実に今の自分に影響を与えているんですよね。
当然、貴樹の方も明里と過ごした日々から強い影響を受けて、今の貴樹の一部になっているでしょう。
一方、高校時代は花苗の方は恋愛をしているけれど、貴樹の方はそうでもない感じ。
なので、今の貴樹に与えている影響は少ないかもしれません。
だけど、花苗の姉と再会した事でそれも変わってくる。
花苗の姉の言葉で、花苗との日々にも大切な思い出が有った事、相手の事をしっかり見られていなかった事、そういった気付きがまた貴樹に影響を与える。
今の出来事で、過去が新たな影響を与える事が有るのだなと。
その後もいろいろ有って水野と再び対面した貴樹、明らかに傘を借りた時とは違う貴樹になっている。
恋愛だけに限らず、人は生きていると様々な事から影響を受けて、常に過去とは違う自分になっていくのでしょう。
そんな事を考えていたらこの映画、哲学的な映画に思えてきました。
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