秒速5センチメートルのレビュー・感想・評価
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より濃厚になった人間ドラマ
事前にアニメ版を予習し、忘れない内に劇場へ向かいました。オリジナルの内容を思い出しながら観ていたので、大まかなストーリーを想像することができました。
今回は実写版らしく、人間ドラマが濃厚になっていました。貴樹と明里の関係が深く描かれており、お互いの心境に共感しやすかったです。特に小学校時代は、科学が好きという共通点やそれぞれの良い点を見つけて、2人が仲良くなっていく過程が細かく描かれていたのが好印象でした。
アニメ版特有の美しい風景はないものの、それを別の形で再現していたのも良かったです。中でも、星空と雪景色のシーンがすごく印象に残り、貴樹たちと一緒に眺めているような感覚でした。
気になった点としては、時系列がわかりづらかったことです。劇中で何度も場面が行ったり来たりするので、いつ頃の話なのか途中でわからなくなりました。せめて、簡単なテロップだけでも表示してほしかったなと思いました。
3話形式の物語が、一つの映画として丁寧にまとめられていました。新海監督へのリスペクトも込められた繊細な人間ドラマに感動できました。
美しい自然の画に見惚れてしまった
「アット・ザ・ベンチ」で初めて奥山監督の作品を見た時、夕暮れや雨上がり、自然の色彩や質感がエモくて素敵だなと思っていたので、今回の作品とすごく合いそうだなと思ったら、やはりドンピシャだった。
奥山監督は写真家としても活躍されているそうなので、カメラを趣味にしている人は特に刺さる画が多いと思う。
自然を美しく撮る人は多くいるかもしれないけれど、奥山監督の自然描写は、感情が映し出されるような気がしていて、見惚れる画が何度もあった。
16ミリフォルムに焼き付ける手法のおかげもあり、この作品がまとっている懐かしさや切なさが質感や温かみとなって表れている点も良かった。
ストーリーに関しては、簡単に言えば男女の恋愛の捉え方あるあるといった感じで、実は男性の方がロマンチストなこと多いよなーという感想。
私は泣かなかったけれど、周りの若者たちは泣いている人も多かったので、過去に似たような経験がある人や、新海誠作品のロマンチックさが好きな人、若い方には好かれそうな作品。
好きな人はすごく好きだと思う!
それにしても今年は本当に、ドラマも映画も宇宙をテーマにした作品が多くて、宇宙ブームなのか?と不思議に思った。
主演の松村さんは「夜明けのすべて」でもプラネタリウムだったし。
役者陣で目を引いたのは、中学時代の子役たち!
美少年と美少女すぎてずっと眩しかった。
中学生であんな遅くあの距離をひとりで…とか、色々思うところはあったけれど、ロマンチック雰囲気でリアルさねじ伏せを受け入れるかどうかは好みだなと思った。
綺麗な画をたくさん見せてもらった点は大満足だったけれど、話の内容的には可もなく不可もなくといった作品だった。
思い出を糧に現実を生きる女性と、思い出を抱きしめて現実を彷徨う男性の物語
「君の名は。」「すずめの戸締まり」の新海誠監督による、2007年公開の劇場アニメーション『秒速5センチメートル』を、「SixTONES」の松村北斗主演で実写映画化。
いつだって永遠にロマンチストなのは男性の方。
より早く現実に目覚めるのは女性の方。
恐らくこれは、生物学的な構造の違いからくるのかもしれない。
女性は身をもって痛みを感じ、我が子を産み、守らなければならない存在だから。
観客に年配の男性が多かったのが少し意外だったが、
実はその年代層こそが、この作品の一番のターゲットなのかもしれない🤫
SixTONESの松村北斗さんは、不思議な俳優だ。
人気グループの歌手であり、バラエティでその素の姿も知られているのに、
スクリーンの中ではまるで別人。
いい意味で、しっかりと“役を生きている”。
だからこそ、素の彼のイメージを重ねることがない。
そして、永遠の高校生・森七菜さん。
いくつになっても、あの透明な魂で演じられるのが素晴らしい。
久しぶりにスクリーンで見た宮崎あおいさんの、年齢不詳気味な美しさにもいい意味で困惑した。
4人のお子さんのお母さんとは思えないほどの清らかさ。
吉岡秀隆さんも、年齢を重ねてさらに深みを増していて素敵だった。
若い時代の主演お二人も瑞々しく、とてもよかった。
本屋の又吉直樹さんには思わず笑った😎
挿入歌の山崎まさよしさん「One more time, One more chance」。
あまりに名曲すぎて“それだけで押されると嫌だな”と思っていたけれど、
ちょうどよいタイミングと適切な分量で流れていて心地よかった。
そして、エンドロールが米津玄師なのがグッときた。
平たく言えば、
思い出を糧に現実を生きる女性と、
思い出を抱きしめて現実を彷徨う男性の物語。
この現実感の差があるからこそ、恋愛が生まれるのかもしれない。
監督のセンスが存分に発揮され「映像美✖️俳優陣」の化学反応が大きく光る恋愛映画。
本作は、1991年から端を発した“過去”と、2008年の現在を行き来する恋愛映画です。
特筆すべきは、こだわり抜いた映像表現でしょう。
どのシーンも、写真家としても活躍する奥山由之監督のセンスの良さが全面に出ています。そして、最新のデジタルで撮影しつつも、その映像データを16ミリのフィルムに焼き付けることで、全体的に温かみのあるような「質感」も上手く表現しています。
役者陣も全員が上手く演じ切っていて、「映像美✖️俳優陣」の化学反応が大きく光る恋愛映画になっていました。
中でも子役の演技は驚くほど自然でしたが、撮影前にそのキャスト本人が持つ話し方などのクセを知ってから、それらを脚本に入れ込むといったような作り込みによる成果なのでしょう。
米津玄師の主題歌「1991」も主人公の心情を上手く表現していて合っていました。
様々な才能が集結して完成した、一度は見ておきたい作品です。
人生のスピードは過ぎ去ってみれば儚くて短いと、深い余韻が残る作品
似たような経験をしている、していないに関わらず、新海誠監督のアニメ作品「秒速5センチメートル(2007)」は、各カット、シーンは、誰しもが心の奥底にもっているような、いつかどこかで見たような景色や心象風景が積み重ねられています。
なぜか懐かしく、自然と涙が溢れてくるような新海監督の視点。それは劇中で描かれる時間と距離が、観る人によって、観る世代によって異なる“記憶”と結びつく作品だったからではないでしょうか。
そして、印象的なセリフや音、映像美とともに、山崎まさよしさんによる主題歌「One more time, One more chance」がさらに作品を特別なものにしました。日々の生活の中で、初めてなのにふとデジャヴ(既視感)に襲われたり、特別な人の姿を雑踏の中に探し求めてしまう人は少なくないのではないかと思います。今回の実写版の劇中でも言及される、山崎主演の映画「月とキャベツ」(1996)を観ていれば、人生における出会いと別れの寓話がさらに沁みてくるに違いありません。
もちろんアニメ作品の熱狂的なファンの中には違和感を覚える人もいるかもしれませんが、主人公のセンチメンタル、大切な想いや思い出が、まるで桜の花びらが落ちる“秒速5センチメートル”の間の一瞬の物語であったのではないかとも思えるほど、人生のスピードは過ぎ去ってみれば儚くて短いと、深い余韻が残る作品に仕上がっています。
3回目の鑑賞
呪いにも似た美しい夢(初恋)
感情移入すると更に切なくなる
昔アニメを見たような記憶があるが内容はすっかり忘れた。
物語は少年の学校に転校してきた少女に手を差し伸べるところからスタート。その内仲良くなるのだが、少女は転校してしまう。やがて中学生になった少年は吹雪の中、少女に会いに行き、とある日に同じ場所で再会することを約束する。もうここまででとてもいじらしい。
大人になり、お互いなんとなく接点がありそうで、約束の日が近づき、男の子はそれを思い出し、思い出の地に向かうが女の子は。。。思わず突っ込みを入れるくらいの落ちにえ”~と思うのは男だからなのだろうか。少年は少女のことを想っていたが、少女は少年がこの先自分がいなくても大丈夫だと思っていてそのすれ違いがもの凄く切なく感じる。
子供時代の子達の演技が秀逸で映像も綺麗で映画としては良かったけど、気持ちが晴れず劇場出てもやもやした感じになりました。
人と人が出会う確率は0.0003%
絵画のようだった
ハンカチの出番はなく
見に行く予定をしていたのに、気づいたら公開から一か月以上経っていて慌てて映画館へ。
以前職場にいた先輩が、(当時はアニメ)この作品を勧めていて、実写を機に見るつもりをしていました。
誰にでもこんな思い出のひとつくらいあるでしょって感じなのかもしれないですけど、ねーですわ、こんなおしゃれな小学生時代。女子の下の名前なんて、高校でも呼べなかったですし。
子どもの大人ごっこみたいな映画でした💦
現代の設定の登場人物より回想シーンのほうが長く、この思い出シーンのどこかに「引っかかる」ポイントがないとただ流れていったしまうのですが、ねーです、こんな大人びた発言連発したことも聞いたことも…
ただただ、こちらは劇場に置き去りにされたまま、なにか場面場面に救いはないかと探しましたが、絵づくりもアニメの風味を実写に求めているのか、見どころもなく、大きめの演出は突然のロケット打ち上げくらいでしょうか。
キー中のキーの桜の木も、こんな咲き方してる木はねーですって。
実生活で心がカスカスだったので、もしかして泣くのかもと、ハンカチを忍ばせていましたけど出番もなく。
こういうので「共感力」をもっと鍛えろということを先輩は言いたかったのか…
天文手帳、久しぶりに買ってみようかな、と思った
踏切シーンや岩舟駅を忠実に再現しているし、種子島のコンビニや高校でもロケをしていて、ファンはそれだけでもニッコリ。机には原作と同じ技術書「マスタリングTCP/IP」が積んである
貴樹が種子島で煙草を吸っているのは、もう一冊の小説版「秒速5センチメートル one more side」に由来する。こちらの小説では原作と反対側の視点で語られる。高校時代はほとんどone more side寄りなので、美鳥先生との関わりも濃く描かれている。花苗は本作一番にまぶしく映っているのに、あくまですみっコぐらしで、愛犬カブも出てこない
花苗からの好意を心地よい距離へ遠ざけたり近づけたりする貴樹のズルさが原作以上に目立つ。(あとで理沙がグサリと言って、花苗の無念を晴らす。)昔の恋人に似ていると、目の前の人に足りないところばかり気がついてしまうのかも
改変も違和感がない。原作の小学生時代は「カンブリア紀」とハモっていたが、本作では天文の話に変更されて、物語の背骨になっている。館長が「月まで歩いて11年」とラジオで言ったが、これは11歳で出会った2人のことを言っているし、他にも月があちこちに登場する。結局、どっちが月でどっちが太陽なのか。似た者同士の小学生だったのに、なんで貴樹は30歳手前になっても貴樹のままで、明里は大人の女性に見えるのか
文句をつけるとしたら「来年もまた桜見れるといいね」が冒頭ではないので、その焦らしが憎たらしい。回想シーンを挟まなかったので、岩舟駅まですぐ着いたような感覚で、原作より焦らしが足りない。又吉直樹がハマリ役で面白すぎて初見では視線が吸い込まれる。でもトータルでは監督への感謝がボコボコ湧いてくる
全然関係ないが、男女別々の視点で書かれた「冷静と情熱の間」という2冊の小説がある。こちらは30歳の誕生日にイタリアで待ち合わせする壮大な約束の話で、「思い出は過去、約束は未来」という台詞がある。明里との約束が過去になって、登場人物の思いがリレーのように繋がる。この物語のあと、貴樹もきっと少しずつ変わっていく。劇場が明るくなった時、原作とはちがった不思議な感覚で、そっと背中を撫でられたような気持ちになった。自分だったら付箋に何を書くか、しばらく考え続けたい
ふんわりと美しい
駄作
原作アニメ版のファンなので,実写化のニュースを見たときは興奮したが,トレーラー映像を見て,原作特有の奇妙さなどが感じられず,期待値がゼロになった.
観ない予定だったが,予定のない日に不運?にもこの映画の存在を思い出してしまったので,食わず嫌いせず見てみることにした.
終幕30分まではただただ苦痛.終幕付近のプラネタリウムのシーンや山崎まさよし流れるあたりは,これまで観てきて存在が謎だった原作との差分にようやく存在意義が出てくるのかと私の評価メータの針がほんの一瞬触れたが,結局最終的にはつまらない作品として終幕した.
館長に話を聞いてもらうシーンなんか,お涙頂戴が透けて見えてこちらの気分は最悪だった.あくびで涙が出る作品.
原作は,初恋相手に心がとりつかれて前に進めない貴樹と,対称的に前に進んだ明里のコントラストが,あらゆるシーンの中に暗示として散りばめられている.つまり直接的ではなく,セリフやシーンの中にある程度の抽象度や謎を含んだ状態で溶け込んでおり,その一つ一つの謎を含む表現を紐解いていくことで物語の真髄にたどりつくことができるという点で非常に示唆に富む作品であった.また,普通の作品と違って起承転結の要素が薄く,つまり物語としての結末はないため,ストーリーとしては奇妙である.この常識破りで奇妙さな作品が,ストーリーの順番や流れ,セリフ,描写,あらゆる表現で緻密に組み立てられているが故に,良さや感慨深さ,趣を生み出して評価された作品だ.
それを,ただ単にストーリーを上辺だけなぞって実写化し,原作にあったあらゆる示唆や良さを削り落とし,直接的な表現を増やし,謎の設定やシーン(タバコの発覚,カラオケ,その他諸々)を追加し,アオハル要素を見苦しく濃くしただけの駄作が本作である.これではただ珍妙なだけで,全く示唆に富まない.アオハルがやりたいなら他所でやってください.
実写化に伴うモチベーションは一体何だったのか,何がしたかったのか,深海氏は本当にこんな作品で満足しているのか.全く分からない.
原作を綺麗に活かした実写化
原作はあまり好きではないのですが、松村北斗見たさに鑑賞。
原作より現実感があり、感情移入しやすいです。原作の美しいシーンもうまく落とし込まれていて不自然さなく、良い実写化だと感じました。
森七菜が恋する高校生をかわいく演じていてすごくよかった。でもこの辺りは、原作を観ていないとわかりづらいかも。宮崎あおいや吉岡秀隆も原作ではほとんど出てこない、いない人物ですが、自然な演技で映画によい味を出していました。
あとは、松村北斗の美しい横顔が惜しげもなく出てきて眼福でした。原作では主人公に全く感情移入できなかったのですが、実写版では主人公の泣く姿に自然と涙が出てきて切なさ気持ちに。最後は少し前向いて終わりよかったです。
男性と女性の恋愛観 要は子供時代のヒロイン
なんとも切ない話なんだろう。
別にファンでもなんでもないが、
ここ最近の松村さんの映画にはハズレがない。
いい仕事を選んでいる。
朴訥とした感じの役がずっとハマっている。
さて映画はアニメ版と少し異なるようですが、
実写版の方が絶対いい。
特に踏切の描写。
森七菜さんは唐突に出てくるキャラだったので、
この子は何?と戸惑ってしまうが、
アニメでは2話目の主人公なんですよね。
その辺りは分かりずらい。
兎にも角にも、
この映画の一番大切な部分は、
子供時代のヒロインである。
上手い!
誰かと調べたら、最年少東宝シンデレラだったのですね。
ドラマ『スカイキャッスル』の時は別に目立っていなかったのに、
才能が開花されましたね。
これからに期待です。
男性にはとても切ないお話です。
『月とキャベツ』も知る人ぞ知る。
原作のよさと実写のよさが詰まっている
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