秒速5センチメートルのレビュー・感想・評価
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思い出は美しい
原作は未履修で観ました。
ネタバレを避けて書くので抽象的…
まず、美しい。
風景、光、花、雪、思い出が美しい。
その美しさに俳優皆さんが負けない。
視線が、笑顔が、涙が、感情を豊かに乗せていて、それを見事に切り取られていて、全ての時代を切なくも懐かしく、愛しい気持ちで見ていた。私は誰にも感情移入は特にせず見ていたせいか、どこか親のような目線で、それぞれの傷や気付きを見守っていた。
小学生時代の上田悠斗くん、白山乃愛さん、可愛らしい。一途で純粋、素晴らしい。
松村北斗のセリフ外の演技、孤独の空気感、声が、涙がこの映画の純粋さを完成させている、素晴らしいと思った。
最後は何故か自分の周りの大切な物や人を愛しく思える。
清々しい気持ちで映画館から帰りました。
うんうん
アニメ版とは時系列を変えて大人部分を長くした感じですかね。
まぁ新海さんがOKならそれは良しとしましょう。
個人的にはアニメ版の小→中→高→大人の流れが主人公貴樹の心の成長と停滞を見事に表していて良かったなと思いましたが、全く同じに作っても意味がないということでしょう。
この映画の中では印象的な言葉がいくつも出てくるが、今回見て特に印象に残ったのは中学生の時に岩舟駅で会い翌日電車を見送る時に明里が言った「貴樹くんはこの先も大丈夫だと思う、絶対」と言う言葉だった。
アニメ版でも同じセリフがあったと思うがその時はその重要性に気付かなかった。
これって別れの言葉だったのですね。貴樹は「手紙書くから!」と未来を信じていたが明里は既にこの時にこれが最後になると悟っていたとは。。
気付かなかったのは不覚でした。
貴樹はその後も明里のことが心から抜けず恋愛にも消極的で覇気のない青年になっていく。
明里のその後の学生生活はどうだったのだろう。
同じような葛藤はあったと思うが貴樹ほどではなかったと想像される。
このあたりが男性と女性の違いなのかな。
男はどこまでもウジウジした生き物だ。
今回は実写化して十分意味のある作品だと思う。
各キャストの演技も申し分ないと思った。
特に小中の明里を演じた白山さんはやばいですね。
この歳で妙な色気があるというか。。大物になりそう。
何でこうなったのかな
ところどころ、響く部分があるんだが、いまひとつ全て繋がって、答えにならないような感情である。よって映画の評価がわからない。ただ、良い場面や風景、空気感、特に幼少期の2人のシーンは見ているだけで、優しさに包まれて、ノスタルジックで、ホロッとした。時間がゆっくりゆっくりと経過していく。時間が長く感じた。桜の満開、夕日や海の壮大な景色、私の故郷を思い出させる雪深い景色、凄く綺麗でした。星が流れて二人が駆け出すあたりも良かった。子供の頃に人間の原点ってあるなって、しみじみ思う。大人になるに従い沢山の付随するものが人間を複雑にする。
別れ、二度と会えない出会いがある。切ない。私にも思いあたる所はある。小1に転校してきたU.あやえちゃんが初恋だったが呆気なく転校した。あの時の子供ながらの喪失感はまだ微かに覚えている。その後もあったし、大人になってからもあった。
この映画の主人公(貴樹)と彼女(明里)は、雪中でなんとか栃木で再会した。駅の待合室のシーン感動的だった。しかし、主人公が鹿児島に転校になり、なぜその後、交換日記は途絶えたのだろう。距離感があれば、大人に近づけば、それぞれの新しい世界ができ、忙しくなっていけば、途絶えるのは自然かもしれない。しかし、主人公が30歳になるまで、引きづっていた。(彼女を想っていた。だから、待ち合わせの場所に向かっていたのでしょ)過去に決着をつけられなくなっていた原因は何なのか?つまり手紙、交換日記が途絶えることになった場面が描かれなければ繋がらないのではないのかと思いました。なぜ触れられてないのかな。。
明里は既に結婚している。既に叶わぬ恋だが、それは最後まで視聴者には、知らされず、見ている側には恋の成就を期待させるのだが、裏切られてしまう感じです。ハッピーエンドではないのねえ。。。
貴樹は、現在の会社で付き合う彼女と一緒に居ながらも、気もち此処にあらずといった感じ。高校時代も明らかに好意を持たれている女性と一緒に時間をあれだけ共にしながらも全く彼女に向き合って居なかった。泣いているのに声すらかけられない。二人の女性からみると主人公は随分と残酷な振る舞いをしている人間である。それって、なんなんだろうなあ。
彼は、何をどう考えていたんだろう。
最後に、言葉一つで良かったんだ。それが出てこなかったって終わってんだけど、それだけで、全て納得しないストーリーである。僕の理解が悪いのだろうか。。。
明里は、過去の思い出は「日常」だといい、会うことは無くても前向きに捉えている。比して、貴樹は過去の思い出を前向きに捉えていない。というのか整理出来ていないのかなあ。ただ、最後にそれが変わったのは、わかった。それは、彼女に会えなかったが、間接的に彼女の存在を感じ、彼女のメッセージを聞き、感じたものがあったということだろう。
随分、すれ違い、すれ違いをさせる。なんかのドラマみたいだな。
でも、あんな彼女といるときは笑顔だった貴樹君の笑顔がやはり大人になって、見たかったなあ、っていう物足りなさがある。
明里は、彼により照らされた。明里も彼といた時に一番幸せそうだった。
つまり、気持ちは同じでも叶わないことは沢山あるということなのだろうか。悲しい。月は太陽によって照らされた。それにしては、彼との関係性、終わり方がやっぱり中途半端だなあ。やはり、よくわからない。
秒速5センチメートル
納得いく結末
アニメを見た人がほとんどだと思うのですが、さすがにアニメと同じ構成では芸がなさすぎるので、アニメでの3話目を主軸に記憶をたどっていく感じの構成にしたのはよかったと思います。プラネタリウムや科学館など実写版だけのオリジナル要素もまぁ良かったと思いますが、唯一大人の明里が一般人になりすぎた感がいただけないかなと思いました。やっぱり貴樹が未練たらたら思い続けるに足る感じが欲しかったです。子供の明里は可愛かったのに、大人になって急に普通になって書店員っていうのも、現実感溢れすぎてアニメのファンタジーっぽい感じがなくなってしまった感がありますね。
とは言っても、アニメを見た側としてはラストが結局会えるのかすれ違うのかというところが肝なわけで、この実写版では貴樹と明里のニアミスを作りまくってこれは会ってハッピーエンドなのかな?と思わせる部分は上手かったと思います。それで最後はまさかの踏切のシーン、、、このシーンが特に2台目の電車が入ってくるタイミングや貴樹の動きがアニメ版そのまま再現していて個人的には感動しました。
アニメ版は説明が足りな過ぎて、踏切でのすれ違いエンドがトラウマのようになっていましたが、この実写版はしっかりとエピソードや心理描写を積み重ねていって、すれ違う2人の心情もよく理解でき納得のいくすれ違いだったと思います。アニメ版の貴樹はコイツ大丈夫なんか感が出ていましたが、実写版貴樹はこれからも大丈夫感が出ていましたので、安心して映画を見終えることができました。
ということで、アニメを見ていない人がこれを見てどう思うのかは分かりませんが、少なくともアニメを見て多少なりともトラウマを植え付けられた人のことは救ってくれた映画だと思います。
アニメ版はどことなく人の心が欠けた冷たさがありましたが、実写版はしっかりと人間の温かみを感じるちゃんとした大人の映画だったと思います。
まぁ、と言ってもせっかくなので2人で会ってハッピーエンドでも良かったかなと思うので、星4.5にさせていただきました。
後は雑感なのですが、
種子島編の花苗はいかにも高校生って感じだったので子役だと思ってたら、森七菜でびっくりしました。自分は森七菜と言えばこの恋あたためますかの印象が強いので、まったくの別人に見えましたね。
子役と大人役、顔とか雰囲気とか似てる人をよく探してきたなって感じで感心しました。
映像も昔のシーンとかはオールドレンズで撮ったかのような色使いやフレアが良かったですね。アニメを再現したシーンもいくつもあって楽しめました。
松村北斗という孤独を感じさせる俳優
松村北斗が主役が映画なら見に行かねばなるまいてと、事前情報無しで鑑賞しました。
主人公の遠野貴樹がもう松村北斗そのもので、自分はジュニア時代の髙地優吾君に興味を持ち、現メンバーである松村北斗との関係、SixTONES結成メンバーとしての6人の関係性が大好きなのだが、その中でも松村北斗という存在は興味深く、知れば知るほど知りたくなる人でした。
映像作品での松村北斗を見てきた者として今作は役と素の境界線をあいまいにしてぼやかすほどの存在感を見せつけられた作品になってます。間や表情、吐息でさえ役の表現としての演技は圧倒的であった。その陰に松村北斗のバックグランドを知っている者としては、もし今作のシチュエーションのようなエピソードがあったら松村北斗はやっぱり約束の地へと向かっただろうと思ったほどです。
今作は少年時代、高校生、社会人と遠野貴樹は3人のキャストで撮られているが、どの時代の演技も素晴らしく、3人はチーム遠野貴樹と言っても過言ではない一貫性を見せつけています。
その時代を彩るヒロイン役も素晴らしく、特に花苗役の森七菜は女子高校生の純粋で触れれば決壊するような恋心を見せて、実年齢より下の現役高校生感たっぷりの演技が素晴らしかった。
自分が見た映画では今年のベストワンに近い作品です。今作を鑑賞して松村北斗の魅力に触れる人が一人でも増えたらファンとして嬉しいです。
心地よい余韻が残る
監督、キャスト他スタッフさん達の原作への愛、実写化に対する想いがし...
僕は好きです
アニメを何回も観た者ですが、酷評する人の気持ちはわからないでも無いのですが、多分テンポが悪いとかアニメと違うとか等々あるのは想像がつきます。しかし、これはこれでありだと思いました。松村君始め、各女優陣が個性を発揮してアニメにないキャラや少し解釈を変えたキャラが登場したりで、1991年からの回想から現在までをアニメの印象的なシーンをしっかり押さえていました。印象的なアニメのシーンが再現されていた所は思わずニヤリと何度かしてしまいました。アニメの閉塞感が少し緩められ、程よく貴樹君のこれからの人生への明るさを感じられて後味の良い仕上がりだと思いました。この辺もアニメを崇拝する人には否定したくなる対象となったのかも知れませんが、私はこっちの方が断然好きです。
実写化成功だと思います
原作を随分前に観ていました。この作品の実写化はどうだろう?とあまり期待はしていませんでした。
でも、本当に映画館で観て良かったです。
日本の四季の美しさ、効果的に使われる音楽、俳優さんたちの演技、素晴らしかったです。
映画オリジナルな部分もあったからこそ納得が出来たというか。原作では主人公に感情移入出来なかったのですが、松村北斗さんの静かな演技が切なさを増してくれてとても良かったです。セリフを言っている感が無い自然な演技。声、立ち姿とても良い。
あと、森七菜さんの高校生役、瑞々しくて天才だと思いました。
あと、子供時代良かったです!正直、そんなに想いを引きずるの?と思っていましたが、実写化することで、あの2人が可愛らしく、時代的にそして幼くてどうにもならなかった事が美しくて切なくて。そりゃー引きずるよねと納得してしまいました。
とにかく映画館で観るべき映画だと思ったので
もう一度観に行きます。
原作アニメとは違う痛みを感じた
原作アニメの尺を約2倍にした実写版映画。どこをどのように変えているのだろうという興味があった。
一方で、原作で感じたセンチメンタルさやナイーブさという印象が、柔らかさのあるアニメ画像ではなく、実写で表現されることで、生々しく、現実味のある痛みを感じる重い作品になっているのではないか?という先入観もあった。だから、若干観るのを躊躇した。
鑑賞してみると、自分の先入観は当たっていた部分があったように思う。アニメ版はどこかファンタジー世界を見ている感があり、そこまで登場人物達の痛みを感じることはなかった。しかし、実写版からは、主人公の貴樹(松村北斗)、明里(高畑充希)、花苗(森七菜)、理紗(木竜麻生)の抱えるそれぞれの痛みを感じた。生身の人間が演じるということは、やはりこういうことなのか、という再発見でもあった。
実写版は、原作アニメの重要な要素をしっかりと取り入れながら、社会人時代の話をより膨らませた内容となっており、原作に登場しない人物、登場場面が限られていた人物にも重要な役割を持たせていた。
プラネタリウム館長の吉岡秀隆は貴樹と明里を間接的に繋ぐ役割として。
元教師で花苗の姉美鳥役の宮﨑あおいは、貴樹と明里のよき先輩、理解者として。
オーストラリアに旅立つ明里との別れ際に美鳥が放った「気持ちはそのとき言葉で伝えないといけない(と妹が言っていた)」という言葉が印象に残った。
お互いに気持ちを言葉で伝えなかった貴樹と明里へのメッセージとして挿入されたシーンだろう。約束の場所に行き、現実を受け入れざるを得なくなった貴樹が、別れた理紗に会い、伝えられなかったことを伝えたシーンとの繋がりを感じた。
原作アニメと同様、空、光、電車という新海作品でよく登場する要素が美しく撮られていて、映像監督・写真家としての奥山監督のセンスの良さが感じられた。ミラー越しに人物を写すカットにも何かこだわりを感じた。
どの俳優も演技は素晴らしかったが、明里の小中学生時代を演じた白山乃愛のピュアさには釘付けになった。花苗を演じた森七菜は高校生役なのにもの凄くハマっていて驚き。
松村北斗は、「夜明けのすべて」を思い出した(プラネタリウムという共通点もあり)が、抑制した演技が非常に上手いと思った。
岡部たかし、又吉直樹も好印象(本好きの又吉にはピッタリの役柄だったと思う)。
男性のセンチメンタルさやナイーブさだけでなく、本作には女性側の視点も入っており、生きて行くうえで避けて通れない理不尽、ままならなさ、痛みのようなものを感じるものの、前向きな希望も感じられる作品になっていた。
登場人物と同じような経験をしたことがなくとも、どこかに、誰かに自分と重なる思いを感じることができる作品と言えるのではないだろうか。
アニメの実写化が非常に上手くいった作品だと思う。
なんだか哀しい…
花びらが散る速さを『秒速5センチメートル』と表現したところがとてもステキだと思ったので観ることにしたのですが…
あまりにも哀しいお話でした。
映像もキレイだし、登場人物もキレイだし、時系列が行ったり来たりするところは『新海ワールド』全開なので騙されそうになるのですが、平たく言うと『いつまでも子供の頃の初恋を忘れられずにいて10年以上も前に進めずにいた男と、昔のことはとっとと忘れてとっくに自分の幸せを掴んでいた女の話』なのではないかなぁと。
それをここまで美しい話に仕立て上げられる新海誠という方は、やはり只者ではないなぁと。
ずっと前に進めずにいたことによって人間関係も上手に形成出来ずに生きてきた主人公だったけど、転職したことによって理想の職場と上司に巡り会えたことで、前に進めるようになればいいなぁと、新しい幸せを掴んでほしいなぁと、願わずにはいられません。
主人公・遠野貴樹の転職先を紹介してくれた職場の上司を演じられた岡部たかしさんもステキでしたし、転職先の上司を演じられた吉岡秀隆さんもステキでした。
もちろん主演の松村北斗さんも、初恋相手の高畑充希さんも、学校の担任の先生役の宮﨑あおいさんも、あおいさんの妹役の森七菜さんも、皆さん本当に本当に素晴らしくて…
“オチ”だけが残念でした(笑)
山崎まさよしさんの『One more time one more chance』が、また余計に哀愁を誘うんだなぁ…
まさにあの歌詞の内容と同じなのではないかと。
哀しいお話…(涙)
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