「「言わなかった」ばかりに……+原作アニメとの比較」秒速5センチメートル しーぷまんさんの映画レビュー(感想・評価)
「言わなかった」ばかりに……+原作アニメとの比較
本映画観賞後に原作アニメを視聴。
事前知識はほぼゼロの状態で本映画を鑑賞しました。
強いて言えば「原作アニメは人によっては胸糞悪い終わり方」って評判くらいでしょうか?
結論から言えばかなり読後感のいいシナリオに仕上がっていて、
各キャラにもそれなりに感情移入できる程面白かったです。
基本的には「好き」と「すれ違い」というテーマをベースに、
主人公の「後悔や吐き出せない想いとどう向き合うか」という問いに一つ答えを軽ーく示唆して物語をキチンと閉じていました。
原作アニメとの比較として、主に社会人パートが
「かなり駆け足になっている」
「ヒロインの1人である明里の気持ちが語られずに終わる」
という語り口だった原作アニメに、
複数のオリジナルキャラをそれぞれ別々に貴樹と明里に出会わせて2人の気持ちを深掘りさせたり、
殆ど出番のなかった既存のキャラとの対話シーンを増やす事で2人の心情に説得力を持たせていたと思います。
また、とあるキャラと貴樹と明里の2人に(別々の時間軸で)出会わせる事で「伝言ゲーム」という展開ではありますが、
2人の印象を原作より良く見えるように描写になっていました。
気になった事と言えば原作にもいた輿水先生、
地元を出て教師として就職→色々思う所があって結局教師として地元に出戻り→貴樹が上京して就職して30歳になる頃には再び上京して書店のイベントを企画する等の仕事に転職し、明里と一緒に仕事をする
…とフラフラし過ぎではないですかね?w
高校生編で出てきた時も「思う所があったから地元に戻ってきた」って話にあんまり説得力がなくなっちゃうんですよね……
あと貴樹が喫煙してた話はなんか意味ありました??
普通に「彼も弓道部に所属する中で心にモヤモヤを抱えている事を輿水先生に看破されて人生相談に乗る」で良くないですか?
特に「未成年の喫煙」を扱うならそれなりの重みで扱ってほしかったですし、
あれだけ軽いなら他の理由で先生の身の上話を話す方が自然に感じました(というか喫煙に対する処分がタバコ没収しか描かれないのが逆に不自然です)
あとは地下鉄でヘッドホンから音漏れしてる山崎まさよしの「One more time, One more chance」を貴樹が聞く事で「何か」を思い出し行動するというシーン、
さすがにあの静かな曲調のあの曲をあんなチンマリしたヘッドホンからあの距離でハッキリ聞き取れますかね?w
目の前のおっさんが聞こえてしまうのはまだ分かりますが地下鉄ってただでさえ環境音がうるさくて、多分あのおっさんにも曲まで判別できてるとしたら多分あのヘッドホンつけたにーちゃんは他のロックとか聞いたら耳ぶっ壊れると思いますw
と、最後に細かいところにケチをつけましたが、
かなり良くできた実写映画になってたと思いますし、
「アニメの実写化」としてもかなり上手い改変だったなぁと思います。
今年見た映画の中でもオススメ暫定TOP5には入る一本でした。
しーぷまんさま、初めまして🙂
「ヘッドフォンで耳ぶっ壊れる」に、わははwって笑ってしまいました。
あの地下鉄のシーンは、映画としては?なんですけど、15秒だけ切り取ると、いかにもCMの演出だなぁと思いました。
奥山由之監督が、写真家出身でCMやMVを手掛けていたことを、随所に感じる映画でした。
今年のオススメ暫定TOP5、うれしいです🫡
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