「海の光が“現実”を照らす 86点」秒速5センチメートル あっぷるさんの映画レビュー(感想・評価)
海の光が“現実”を照らす 86点
『秒速5センチメートル』は、映像の美しさと構成の丁寧さが印象に残る作品でした。
特に海のシーンは、光の反射や波の揺れまで細かく描かれていて、アニメーションなのに現実よりもリアルに感じます。
物語の構成もよくできていて、最初に見せた場面が終盤で繋がっていく編集がとても自然でした。時間の流れや記憶の循環を、セリフではなく映像で語るような演出に引き込まれます。
松村北斗さんの演技は控えめで、感情を押し殺しながらも心の揺れを丁寧に表現していて印象的でした。後半の「また会おう」と誓う場面では、切なさと現実の重さが胸に残ります。
吉岡秀隆さんも静かな存在感で物語を支えていて、この作品の世界観にとてもよく合っていました。
派手さはありませんが、映像・構成・演技のどれもが高い完成度でまとまった、静かに心に響く作品です。
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