「秘密クラブが雀荘だなんて、おいおいそれはないだろう?」エマニュエル あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
秘密クラブが雀荘だなんて、おいおいそれはないだろう?
面白くもないし魅力的でもまるでない新時代のエマニュエル。監督のオードレイ・ディバンは「74年の映画は、エマニエル・アルサンの原作の精神に反し、主人公が主体でなく対象として描かれていた」と批判し「本作はリメイクではなく前作は忘れて観てほしい」と主張する。確かに74年作品は邦題も「エマニエル夫人」であり人妻の性的冒険話にすぎなかったのは事実である。でもだからといって主役をキャリアウーマンに置き換え、香港の高級ホテルに舞台をおいて、ややビジネスサスペンスめいた雰囲気を纏わせたからといって、それで主役が自由と快楽をもとめて主体的に世界にあらがっていると言えるのか?我々が目撃したのはよけいに窮屈になったエマニュエルの姿である。性的なシーンもそれほど多くなく、ちっとも性を楽しんでいるように見えないんだけど。
74年版のシルビア・クリステルは確かに時代的にもっと男性優位の社会に抑圧されたヒロインだった。でも彼女はとても無邪気に楽しそうにセックスシーンを演じていた。そこが魅力的だったのてはないか。
それと、書きたきゃないけど、秘密クラブがただの雀荘だったり、バスタブのお湯を飲むのが愛情表現だったり、いちいちイメージが貧困すぎる。勉強し直してください。
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