「【”ハイソ&エロティシズム。”今作は美しくも孤独な女性が香港の高級ホテルの査察をする中で出会った人たちに触発され、性の喜びに目覚めていく様をエロティックな映像で魅せる作品である。凄かったなあ、ハア。】」エマニュエル NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”ハイソ&エロティシズム。”今作は美しくも孤独な女性が香港の高級ホテルの査察をする中で出会った人たちに触発され、性の喜びに目覚めていく様をエロティックな映像で魅せる作品である。凄かったなあ、ハア。】
ー エマニュエルを演じたノエル・メルランを秀作「燃ゆる女の肖像」で初めて観た時には、その美しさと妖艶さにクラクラしたモノである。
そして、今作では更にその妖艶な美しさは増しており、随所でゴックンしてしまったモノである。-
◆感想
・冒頭のシーンから、まあ凄い。飛行機のファーストクラスに乗っているエマニュエルは、彼女を見ている男性の視線に気付くと、更にドレスの裾を上げてその美しい足を見せつけるのである。そして、二人はトイレの中で致すのである。しかもバックで。
けれども、エマニュエルは余り興奮した様は見せない。クールである。ウーム、この人はもしかしたら・・、と少し思う。
・エマニュエルは、香港の高級ホテル”ローズフィールド香港”に着くと、様々な常連客と接していく。その中の一人であるホテルのプールで男を誘い、ホテル内の小屋でセックスする女ゼルダ(チャチャ・ホアン)とエマニュエルは目が合い、その後二人はその小屋でお互いに股間を露わにして、自慰行為を行い見せ合うのである。女が激しく喘ぐ中、エマニュエルの表情は、余り変わらないのである。
・エマニュエルは、ホテルの監視カメラをチェックしている男(ナント、アンソニー・ウォン)に常連客の事を聞くと、男は”2701号室を常部屋にしている男(ウィル・シャープ)だけは、行動パターンが読めない。彼はホテルのベッドで寝ないんだ。”と告げるのである。そして、彼女は、男に興味を持って行くのである。
・一方、仕事もキチンとしている。ホテルの総支配人マーゴ・パーソン(ナオミ・ワッツ)の管理レベルのチェックや、フロントの対応、送迎車の運転方法などをチェックし、”グリーン、オレンジ”などとスマホに記録し、上司に報告をするのである。
■今作が、エロティシズムなシーンがふんだんに織り込まれつつも品を保っているのは、舞台を高級ホテルにした事で意匠の作り込みがゴージャスで、エマニュエルを始めとした登場人物達の衣装が洗練されている所である。
・エマニュエルは男と会話し、彼がNYに住む技術者であり、名前がシノハラであることを知るが、それ以外は謎である。
すると、彼女はシノハラの香港の風景が一望できる眺めの良い部屋に入り込み、バスルームに張ってあった水に裸体で入り、水を口に含むのである。彼女が抱える寂しさが、感じられるシーンである。
■ホテル内でシノハラに渡されたライターを頼りに、エマニュエルが香港の猥雑な路地を、臙脂色の可なり際どいワンピースだけ着て、シノハラ行きつけの店を探すシーンから妖しさは増していく。まるで、ウォン・カーウァイの映画のワンシーンの様な緋色や黄色が印象的な路地を歩いて行くと、漸く目当ての”フェンウィック”というバーに着くが、そこは違法な賭博や貴金属をやりとりする妖しい店であった。
そこで、麻雀をするシノハラを見つけ、彼も又、エマニュエルを見つける。そして、二人で店を出て粗末な店で食事を摂るが、エマニュエルが仕事を辞めた事を告げると、シノハラは”乾杯しよう”と言って強い酒(多分、白酒)を注文し、ショットグラスで少しづつ飲んで行くのである。
そして、シノハラは知り合いの男の所に連れて行き、エマニュエルはシノハラが見ている前で、その男の前で足を開き、股間を舐めさせ、乳首を舐めさせ、最後には男を受け入れるのである。そこで初めてエマニュエルは歓喜の喘ぎ声を上げるのである。
このラストシーンは、凄かったなあ。正に、エマニュエルが全てから解き放たれ、性の喜びを異国の地で知った瞬間なのである。
<今作は美しくも孤独な女性エマニュエルが香港の高級ホテルの査察をする中で出会った人たちに触発され、性の喜びに目覚めていく様をノエル・メルランのエロティックな映像で魅せる作品なのである。>