「罪を犯した人の孤独と再生の物語」ブラックドッグ むっ、むいちろうさんの映画レビュー(感想・評価)
罪を犯した人の孤独と再生の物語
モノトーンに見える宣材写真の一枚が目に留まって気になって見に行きました。とにかく1シーン1シーンの撮り方がいいです。浅い光とグレーの映像が西中国のゴビに近い荒涼とした乾いた空気感を強く作り出していて、主人公の心の渇きもよりしんみりと伝わって来ます。ほとんどしゃべらない主人公でパーフェクトデイズの役所広司並みです。両方とも「孤独」ですが、ただこの映画の主人公の方が若いので、バッファロー66のヴィンセント・ギャロに対して抱いた感情と同じような、途中で希望を持たせてほしい、救ってほしい、と願ってしまいます。わりと静かな映画であったので私なりに感受性の扉を広げて積極的に感じようと努力してました。少しわかった気がしました。
中国経済発展の前夜で中国はそれまでの古いものを壊して再生し始めている最中で、この若者の人生をシンクロさせて、未来への希望も持たせてくれてうれしくなりました。
現在、死、再生も上手に表現されていてこの映画で伝えたいことがしっかりと心に残りました。
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