パリ・オペラ座「白鳥の湖」IMAXのレビュー・感想・評価
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特等席で堪能、そして何より楽
ここがポイント、という部分をアップで見せてくれるので、双眼鏡要らずで見逃しもなく、楽!
ダンサーの表情や、色合いやデザインが素晴らしく美しい衣装も細部まで堪能。
王子役のポール・マルクの踊りの滑らかさ、ロットバルト役のパブロ・レガサのダイナミズム、オデット/オディール役のパク・セウンの叙情性と技術、白鳥のコール・ド・バレエ、などどれも大画面で、舞台では見ることのできないアングルで確認することができて楽しい。
王妃のマイムや表情をしっかり見ることができたのも収穫。
このバージョンでのロットバルトは怪しさと妖しさ全開で格好良い。王子とのやり取りではエリザベートのトートを彷彿とさせる。
そもそも白鳥の湖の音楽自体が最高なので音聴いているだけで幸せになれる。
値段少々高かったがそれに十分見合う内容だった。
ただ終始咳の音が響いてたのが気になり減点。
座り心地が悪くて
本編の主役、パク、マルクのエトワールは白眉の出来栄えで圧巻の舞でした!
劇場鑑賞では前列に座高の高い方が座るとうまくすべてのシーンが見えないのですが、
ほう、こんな表情で演じながら踊るのか、と新鮮な発見も。
特に王子との別れのシーンでのオデットの渾身の演技はグッと来ました。
素晴らしいオデットでした。
ただ一般的な白鳥の湖のナラティブを期待して観る方にはかなり不満かも?
ベジャール版くるみ割りと同様に思春期との別れを告げる多感な時期の心の揺れが踊りで表現されています。
このヌレエフ版も主役の王子が青年から成人になる大人の儀式を控え、
白昼夢内で全てが彼の心の動きを演じる登場人物としてオデット、オディール、家庭教師かつ悪魔のロットバルト、実母の王妃が出てきます。
深読みするなら、同性愛者だったヌレエフの少年期から成人期までの心の動きが具現化された内容です。
音の一つ一つがとても特徴的なパで散りばめられており、
群舞の誰もが高い技をたやすく見せねばならないために
アンサンブルの一致がひどく難しいヌレエフ版。
踊り込んできたパリオペのダンサー達だから踊れるのかも?と思いました。
最後に、初めてのIMAXシアター体験でしたが,
通常のシートの方が私には合っていたようです。
最後の30分は身体を半分起こしての腹筋トレーニング状態での鑑賞となりました。
そこが➖1つ星ということです。
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