「そして飛び立つ」パリ・オペラ座「白鳥の湖」IMAX サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
そして飛び立つ
これはね...耐性がないとキツイですよ...。
バレエとは縁もゆかりもない人生。先日「リトル・ダンサー」を見て少しばかり興味を持ったために、せっかくならと鑑賞したんだけど、この舞台の予備知識もなく、ましてやバレエというのがどんなものなのか全く知らない自分からしたら、眠たくて眠たくて仕方なかった。
確かに圧巻ではあるし、見ていて心惹かれるものは沢山あったんだけど、バレエ入門で140分はさすがに無理がある。まあ、こういう機会じゃないと見なかっただろうから、劇場公開、しかもIMAXで上映してくれたことは本当にありがたいなぁと思う。けど、初心者にはなかなか敷居が高く、ずっと集中して見ることは...残念ながらできなかった😭
始まってすぐ、あバレエってセリフないのか!と驚き。ほんと、ここまで知識ない状態でいくなんて大変なことですよ。バレエを愛してやまないオーラ全開のおば様たちに囲まれて、1人ぽつんと無知な野郎がスクリーンのど真ん中で爆睡。
序盤はね、結構見応えあって集中してたんだけどね...。中盤の誕生日の宴のシーンがマジで単調で、同じことの繰り返しなもんだからつい眠くなってしまった。パリ・オペラ座とはいえ、2時間半近くひたすら踊りを見せられるのは、素人には耐え難いですよ。バレエ入門って、何から始めるのが正解だったんだろうね。
劇場公開のために撮影しているもんだから、カメラワークや映像にものすごいこだわりを感じるし、もちろん生より迫力には欠けるだろうけど、映画館で見る作品としてはとても見やすいと思えた。客席に座ってでは見れない画角からの踊りは、ならではだなと少し嬉しかったし、ラストシーンなんか特にこの画角からの映像あってこその白鳥の湖でしょ!と思えるくらいカッコよかった。ただ、咳とか物音とかまでも収録されちゃっているのは気になってしまった。
にしても、王子役の人があまりに美しい体付きしていたからつい見とれてしまったし、跳躍力が半端じゃないから今にも羽ばたいていきそうだった。あと、白鳥役の人たち、体型や風貌、国籍なんか結構バラバラで、ここにも多様性の風潮が流れているんだなと勉強になった。バレエは人間の動きの中で最も洗練され、限界を遥かに超えた最高の表現方法。だからこそ、こういったところにも現代の姿勢が顕になっているんだろうね。実に興味深い。オデット/オディールを演じた韓国の女性、悲壮感漂う佇まいでピッタリハマってた。
最初にこの「白鳥の湖」を見てしまったのは間違いだったけど、バレエの魅力というのは少しばかりわかった気がする。今回はちょっと長くて思わず寝てしまったけど、もし次見る機会があるのなら、よく映画館で上映してる熊川哲也のKバレエなんか見てみたいな。